ボーンキッカーズ

2012年11月13日 火曜日

場所はイギリス、題材は考古学や発掘となれば「そうかな」と思った通り、BBC製作のTVドラマ。2008年に放送された全6話のミニシリーズ「ボーンキッカーズ(Bonekickers)」。

イギリスのバースのウェセックス大学考古学部が遺跡を掘って、歴史や伝説に迫り、事実を見付けて行く。

考古学を最新の科学技術で事実を特定し謎を解いて見せて行く、所謂考古学版「CSI」「BONES」といった所。だと思ったら、それも第一話位で、後は見つかったわずかな遺物から様々な関連する文献と事実が合致するけれど、それがほとんど想像でしかなく、はっきりとした証拠も無いのに次々と都合良く事実と合致して行き、見ている方が「成程!」とならずに、話が勝手に進んでいる様に感じてしまう。後半はほとんど暗号解読の言葉遊びみたいで、ドンドン安っぽくなって行く。遺跡での発掘は最初に少しで、以後は「インディアナ・ジョーンズ」に比べたら相当安っぽい、しょうもない仕掛けと謎解きになって行くし。
扱われる歴史が当然イギリス周辺、関連するモノなので、わたしは馴染みが無く、どうしても展開に付いていけない部分があるけれど、それも加え展開が早いと言うか、編集が荒い感じでポンポン飛ぶ様な感じで、じっくりと歴史を明かして行くという感じでもない。
それにただでさえ考古学という、本来なら時間をかけてコツコツと見せる地味な題材なのに、出て来るレギュラー陣が地味。普通の学者という所ではピッタリだけれど、ドラマ的には全く花が無く、レギュラー陣誰もが魅力が薄い。だからか、毎回の様に彼等を邪魔する敵が登場し、少しでも盛り上げようとするけれど、それがカルト的人物だったり、秘密組織とか、何か安っぽい。
何より始めは考古学部四人の群像劇だったはずなのに、何時の間にか年長の女性学者ジリアンが主人公になり、この人物ではドラマを引っ張るにはが魅力が無かった。色んな事に狭量で、更年期障害的な精神的に不安定で、結構排他的で歴史を明かして行く主人公として。何より歴史を塗り替える様な遺物を発見しても、本来歴史学者なら自分の命を捨ててでも守ろうとするはずなのに、自分の命が危なくなるとその遺物に火を付ける、ぶっ壊すという見ている方が呆れる様な人物。それに彼女と同僚の過去の恋愛話も全然引き付けるモノが無いし。

このドラマ、始めはもっと真面目に歴史を取り扱うのかと思いきや、伝説等を扱うから、実際の考古学的な現実味より、謎解きやサスペンス部分、伝説の冒険的部分を強調しているので、何だかいまいち感は拭えない。ドラマ的フィクション感は一杯。そのフィクション部分、冒険譚としておもしろければ問題無いけれど、おもしろさは決定的に欠けている。考古学者なはずなのに、自分の身に危険が迫ったからって、今見付けた大発見な遺跡を破壊したり、破壊しても助かったから飲みに行こうとか、ハリウッド映画的エンターテイメント。こんなドラマにせず、普通にBBCのドキュメンタリーで見た方がよっぽど良い気がする。
これ全六話だから全話見たけれど、それ以上あったら見るの止めていた。まあ、これの続編が出来なかったというのも、それはそうか。

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