Smash

2012年11月10日 土曜日

NBCが2012年から始めた、マリリン・モンローを題材にしたミュージカルの製作に関わる人々を描いた連続TVドラマ「Smash」。

新たに作る事になったマリリン・モンローのミュージカル舞台劇の主役に、名も無き新人の女性と、ある程度知られた女優が候補になり、どちらが主役の座を手に入れるのか、この舞台はどうなって行くのか?という話。

重要な主人公の二人の内の一人、キャサリン・マクフィーは役柄の歌い手に憧れる女の子の雰囲気はぴったりで良いのだけれど、この人美人なのにそんなに周りからチヤホヤされる感じでも無く、無理に駄目な感じを出しているのはちょっと不自然。
もう一人の主役メーガン・ヒルティはマリリン・モンロー的髪型と衣装でマリリン・モンローに近付け様としている見栄えなんだけれど、顔も体もごつく、見た目はゴリラおばさん。ミュージカルよりWWEでリングに上がる様な体。しかも実年齢31歳だけれどがんばって若作りしている感は否めず、体のデブッとした感じも合わせて少々醜悪さも感じてしまう。口でっかく開け思いっ切り歌う姿は下品さも感じてしまう。メーガン・ヒルティがヒール的役柄になって行くならこの感じはいいのだけれど、キャサリン・マクフィーと似た様な一生懸命なライバル的位置になるんだったら結構きつい。
それに、この舞台を作り、成功させようと登場人物達が集まって来るけれど、だれもが何時もの仕事の内の一つ以上の熱い情熱が感じられず、「この舞台は特別なんだ!この舞台を成功させるんだ!」という熱い思いがないので、見ている方としても盛り上がりに欠ける。こんな感じでシリーズ引っ張って行くのはダイジョブなんだろうか?
それに劇中で「ブロードウェイはリバイバルか、映画の舞台化ばっかり。新しいオリジナルを作らなきゃ!」と吠える割に、マリリン・モンローという手垢の付いた題材ってどうなのさ?

第一話はシーズンプレミアなはずなのにミュージカル場面はもとより、歌の場面は少な目。一話目見ただけだとミュージカルの跳ねる様な感じも無く、非常に地味。最後でやっとミュージカルらしさで第二話へと振るけれど、街中をばっちり濃い化粧とマリリン・モンローのコスプレで大声で歌いながら歩き回るって何のコントだ。ちょっとだけ妄想として出て来たミュージカル場面もそうなんだけれど、自分に酔った感じで高らかに歌い上げ、それを審査員が「彼女は!」といった感じで見入る所とか、見ていても分かり易く、馬鹿馬鹿しさを感じてしまう。本来なら盛り上がり、感動する場面になるはずの歌やミュージカル場面が、わたしに取っては盛り下がる、シラッ~としてしまうのは痛い。

更に、どうにも吹き替え版が良くない。作詞家ジュリア・ヒューストンの吹き替え勝生真沙子は非常にキャンキャンと喋り口喧しく感じる。最近の勝生真沙子の声や演技って物凄い癇に障る。本来のデブラ・メッシングの元の声や喋りはもっと落ち着いている。
アイヴィー・リン役のたかはし智秋は、やっぱり若手アニメ声優的わざとらしさが気になり、あんまり上手く思わない。メーガン・ヒルティって体からのそのままな体重感を感じる結構低い声だし。このドラマを見ようと思ったのも、たかはし智秋がラジオ(まだまだゴチャ・まぜっ!~集まれヤンヤン~)でこのドラマを宣伝していたからなんだけれど、「ゴシップガール」もそうだけれど、彼女の吹き替えはどうにもわたしは合わない。
それに普段の喋りは声優による吹き替えで、歌を歌い出すと元の役者の声になるので、この吹き替えとの落差、違和感あり過ぎな変化では、やっぱり吹き替えよりも字幕版の方がいい。TVドラマは吹き替え版じゃないと見る気しないけれど、流石にこれは吹き替え版を見る気がしない。

女性向け番組が多いDlifeが選んで放送する最近の目玉の番組だけあって、若い女性の挑戦譚・成功譚・ミュージカル・大人な男性との恋愛と、まあそこ向けの要素を詰め込んだ様なドラマ。その分わたしは苦手。そこよりも、正直これ連続TVドラマとしてどう引っ張って行くのかが気になる所。映画一本で十分成立する様な話だし、ミュージカル場面なら映画の方がお金かけられるし、毎回違うミュージカル場面をどれだけお金かけてテレビドラマで出来るのかと思うし、ドラマの題材と同じく内容よりも、このドラマの実際の製作の方に興味が行く感じで、毎週見なきゃという感じにはならなかった。
 
 
追記

三話まで見たけれど、結局止めてしまった。登場人物達のこの舞台にかける思いが見えて来ず、冷めた感じと言うか、熱意が一向に感じられなかったし、登場人物達が結構綺麗な感じの人ばかりで、こういったブロードウェイ業界を華やかに見せるのなら、もっとドロドロした性欲・権力欲・金欲を出した方がおもしろそうなのにと、どうにも物足りなさばかりで乗って行けなかった。これから描かれるのかもしれないけれど、そこを前に脱落。

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