王子と踊子

2012年11月11日 日曜日

マリリン・モンローローレンス・オリヴィエが共演し、監督もローレンス・オリヴィエがしている1957年の映画「王子と踊子(The Prince and the Showgirl)」。元々はテレンス・ラティガンの舞台劇で、初演はローレンス・オリヴィエとヴィヴィアン・リーが演じていた「眠りの森の王子(The Sleeping Prince)」が原作。

イギリスを訪れていたある国の大公と舞台女優の恋愛会話劇。

元が舞台劇だけあって、序盤から中盤までずっと一部屋でマリリン・モンローとローレンス・オリヴィエの会話劇を中心に進む。これがおもしろい展開を見せ、引き付ける様な会話劇ならいいのだけれど、特におもしろい展開も見せずに非常にまったり、台詞は行ったり来たりで特に発展や引きも無く、結構ダラダラと続くので集中力は続かない。基本的にコメディではあるのだけれど、緊張と緩和が緩いので笑いは特に無い。
中盤で家から出て、舞踏会という派手な場面を見せるけれど、結局は同じ家に戻り、またダラダラと会話劇が始まり、とても締まりが無い。

踊子のマリリン・モンローは、舞台を訪れた大公の前で衣装の肩をずらすという方法で彼に気に入られ、酔っ払い、音楽と雰囲気とちょっとした言葉で彼を惚れてしまうという非常に軽い女性で、彼女自身その事を分かっていないもんだから非常にアホっぽい人物で、いまいち魅力的とは言い難い。しかしこの、軽くてアホっぽいけれど結構攻めるし気が強い感じのする人物をマリリン・モンローが好演していて、役がすんなり入って来る。

マリリン・モンローの映画を初めて見て、これまでの印象とは大分違った。彼女の印象は長く眉毛を描き、真っ赤な口紅で、半目で口半開きのセクシー系だったけれど、この映画を見た限りでは、現代的な正統派美人で、結構少女っぽい無邪気さがあり、大人なセクシー系と言うよりも可愛らしい少女的な人。この時31歳にしては若々しい。特にこの時代の女優にしては若々しさがあるのだけれど、しかし髪を上げた姿はおばはん臭さがあるし、時々物凄く老けて見えたりもする。それに当時の色気の象徴でもある彼女の体は、現代の女性が痩せ過ぎが美の基準になってしまい、今見るとブヨッとした感じは否めず、特に下っ腹のポコッと感は少々キツイ。それとよく言われる彼女の象徴でもあるほくろのある左顔よりも右顔の方が可愛らしい。

大公の故国カルペチアは、現在のルーマニアとブルガリアから西側のセルビアに渡る架空の国家。しかし、大公の家族は基本的に英語で喋り、更に息子はドイツ語、母親はフランス語話して、何だか訳が分からなくなって来る。

普通の女性が上流階級の男性と恋仲になるという昔の恋愛映画の王道で、こっちが押したらそっちは引いての関係という非常にベタな展開で、それを小気味良く見せればおもしろくはなるのに、非常にグダグダと気を引かない会話が続き、笑いの波風がほとんど立たないまま、コメディとしても弾ける感じは無く、おもしろい映画でも無い。主演の二人が非常に良い人物なのに、まとまりの無い脚本とベタッとした演出で、退屈な出来上がりになってしまった感じが強い。

☆★★★★

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