スペース・カウボーイ

2012年02月19日 日曜日

ダーティハリー」に続きクリント・イーストウッド主演で、監督もしている映画「スペース・カウボーイ(Space Cowboys)」。

この映画は何と言っても、主演のクリント・イーストウッドと、共演しているトミー・リー・ジョーンズドナルド・サザーランドジェームズ・ガーナージェームズ・クロムウェルウィリアム・ディヴェインといったおじいちゃん俳優が伸び伸び演技している事が楽しい。40年前の思いを引きずりながらも、決して諦める事のない、枯れる事のない、イケイケなじいちゃんを、皆楽しそうに演じているので、まだわたしは老年には遠くても変な共感にも似た憧れを感じワクワクし、楽しく見れる。歳を取ると肉体的にきつくても若者に負けたくない気持ちと口は減らないし、見ていて楽しいじいちゃん達。彼らがこの映画の屋台骨。
前半は宇宙へ行くまでのすったもんだと、軽い笑いで非常に気持ち良く、楽しい映画なのだけれど、実際に宇宙に行った後の後半からは、今まであった陽気なじいちゃん達の夢を諦めない冒険話から毛色が変わり、変にSFモノの匂いが強くなり、やり過ぎな感じがしていまいち乗り切れない。最後の方もドタバタと終わり、皆のその後が全然出て来ないのも良くない。今までしっかりじいちゃん達を描いていたのに駆け足で終わった感じがして、後半からはもう少し抑え気味な展開で、地球へ戻ったじいちゃん達の様子も見たかった所。
ただ、じいちゃん達が宇宙へ行くという、ありそで無い話を、実際の宇宙計画の歴史に混ぜ込み、現代のお伽話にするのは上手い所。娯楽映画として、若者から歳を取った人まで、男性だと特に熱く、頷きと興奮で見れる映画。

この正面から見つめられるだけで縮み上がるベテランの俳優陣が何人もいる中での撮影はどんなモンだったのだろうか。クリント・イーストウッドが製作・監督だからこそ集まったのだし、まとまったのだと思うけれど、若手俳優や制作陣はどんな感じだったのか舞台裏が見てみたい。
このベテラン俳優陣は、歳が行ってからも良く見る顔なので違和感は無かったけれど、ジェームズ・ガーナーが「大脱走」の調達屋だった事を知り、いや~、年取って、全然分からなかった。

これ日本語吹き替え版だと、小林清志がトミー・リー・ジョーンズではなく、クリント・イーストウッドの声を当てていると知り、それこそ有り得ない酷い配役で、頭が混乱するであろうその吹き替えをちょっと見てみたくなった。

☆☆☆★★

« | »

Trackback URL

Leave a Reply