クレージーモンキー 笑拳

2022年11月24日 木曜日

ジャッキー・チェン監督・脚本・主演の1979年の香港映画「クレージーモンキー 笑拳(笑拳怪招)」

シンロンは祖父のチェンと二人で暮らしており、チェンはシンロンに武術を教えてはいたがシンロンは何時も真面目に学んではいなかった。
ある日、チェンが男達に襲われている所をシンロンは目撃したので助けようとしたが一人の老人に止められてチェンが殺されるのを何も出来なかった。
その老人はチェンの旧友であり、チェンは行意門派の開祖で、チェンを殺したヤンはチェンを反逆者として行意門一派の武術家達を次々と殺しており長年チェンを追っていたと言う。
シンロンはチェンの復讐の為にヤンを追おうとするがまだヤンを倒せるだけの力がないと老人に止められ、ヤンは老人の下で修業を始めた。

ジャッキー・チェンの初監督映画だそうだけれど、この次の監督・脚本映画「ヤングマスター 師弟出馬」でもそうだったのけれど、序盤は何処を目指しているのか分からない話が長々と続き、それまで結構明るい話だったのが急に殺伐とした戦いになり、ジャッキー・チェンが敵にボコボコにやられながら倒すというどちらも同じ様な内容で、何か既視感。
アクションはおもしろいけれど「ヤングマスター 師弟出馬」と同じで一つのアクションが長く続き、しかも連続で同じ様なアクションが続くので結構飽きてしまった。

話は結局は殺された祖父の復讐譚なのに後から思うと別にいらない様な話で水増ししている感が結構あった。
序盤の道場の用心棒の話はこれが敵に祖父の居場所が知られる引き金になっているのは分かるけれど、この道場破り対決が何度もで、しかも一人一人の対決が長いので、後から思うとこんなに見せる場面でもなかった様に思えてしまった。
ここはジャッキー・チェンのアクションの見せ場なんだろうけれど話的にはここまで引っ張る話でもない。
この道場関係者達をやたらと立たせたから後々何か絡んで来るのかと思いきや、これ以降全く登場せずで結局何だったの?感が一杯。

その後の八本足の麒麟が師匠となっての修業場面が一番おもしろく、二人でおかずを取り合っての箸での攻防とか、壺や鉢の上だけでの移動攻防とか、まあおもしろい事考えて、それを凄い体使いで見せていて物凄く見入ってしまった。

ここが一番だと思ってしまった事もあって、その後の敵との戦いは三人対一人のアクションは結構おもしろかったけれど、一番盛り上がらないといけないヤンとの戦いは長くて結構飽きてしまった。

そして、ジャッキー・チェンの復讐の達成の感想とかも無く急に最後に「子連れ狼」の歌が流れて終わってポカ~ン…。

結局チェンが開祖と言っていたけれど行意門派が何で、どうなって追われる身となったのかとかさっぱり分からないままだし、ヤン一味は十年間もあんな感じでチェンを探していたの?な上に、何故そこまで執拗に追っているのかの因縁話も全く分からないままだし、行意門派はどういう武術なのかもよく分からないままだし、あの喜怒哀楽拳は行意門派とは関係なさそうで八本足のおじいちゃん発案の拳っぽいけれど八本足のおじいちゃんが直接教えている場面も無いので何だかよく分からない拳法だし、何故八本足という異名なのかも分からないままだし、至る所で分からない話ばかり。

ジャッキー・チェンのアクションは発想がおもしろくて凄いのだけれど凄く気になったのがジャッキー・チェンの胸筋。
あれだけバッキバキに体を鍛えていたけれどほとんど胸筋が無いのはどうしてなんだろう?
元々ジャッキー・チェンの胸筋があんな感じなのか、カンフーアクションに振り切った体になるとああいう胸筋になるんだろうか?

この映画、アクションはおもしろかったけれどアクションの連続やどれも長いので段々と面倒臭くなって集中力が続かず、話はやたらと配分が多い前半の道場破りが後から思うといらない気ばかりし、復讐話は何だかよく分からない部分が多くて、まあジャッキー・チェンのアクションを見る映画なんだろうなぁと思った映画でした。

☆☆★★★

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