ヤングマスター 師弟出馬

2022年09月26日 月曜日

ジャッキー・チェン監督・脚本・主演の1980年の香港映画「ヤングマスター 師弟出馬

孤児だったキョンとロンは道場の師匠に拾われて育てらていた。
その道場と敵対する道場との獅子舞合戦が行わるのだったが、キョンが怪我をして獅子舞い行事に出られなくなった為代わりにロンが獅子舞をする事となった。
行事の当日、敵対する道場の獅子舞と対決するとその獅子舞に入っていたのはキョンだった。
キョンは敵対する道場主から金を受け取って獅子舞に入っており、その事が師匠に知られてしまった為に道場を飛び出し敵対する道場に雇ってもらいに行った。
キョンを兄の様に慕っていたロンはキョンを探そうとするが、キョンは道場主の口車に乗って護送される囚人の逃亡を手伝う事となり、役人から追われる身となっていた。

ジャッキー・チェンの初期の映画で、ゴールデン・ハーベストに移籍後初監督主演作映画。
ボコボコにやられたり、痛がる所も笑いを入れたり、色んな物を使って戦う等これ以降のジャッキー・チェンの映画でよく見る要素が多く入っていて楽しいカンフーアクション映画。
ただ、やっぱりこの時期の香港映画だからなのか話は結構雑で、アクションは多いので楽しめる一方、各場面場面が長くて結構ダレてしまった。

序盤のジャッキー・チェンの大きな扇子やスカートを履いて戦ったりと道具を使ったおもしろいアクションや、敵もユン・ピョウの椅子を使って攻撃して来たり、縄を使う敵や、最後の敵は非常に独特の間を持った足技の達人で殴り攻撃からの腕や手の関節技を出したりとアクションは多種多様でどの場面でも色んな事をしていておもしろい。
ただ、どの場面も戦っている時間が長く、素早いアクションなのに全体の時間が長いので結構間延びを感じてしまい、アクション場面が多いのでちょっと飽きてしまった。
特に最終対決はジャッキー・チェンがボコボコにやれて一息ついて、また敵と戦ってボコボコにされるの繰り返しで、ちょっとしつこく感じてしまった。
多分、近年のアクション映画だとここまで一つのアクション場面に時間を割かないのに慣れてしまっているのがあるのかも。

話もアクション時間が長いのでそこで足踏み状態で先に進まない事が多くて、段々とアクションは分かったから話を進めてよ…と思ったり、その一方で特に終盤は急に話が進んで何だかよく分からないまま丸め込まれた感があって、全体的に進展の緩急が変な感じ。
序盤であれだけジャッキー・チェンと兄弟子の話を見せていたので後で二人の関係性や想いを描くのかと思いきやそれはほぼ無く、結局兄弟子が金に走り犯罪の手助けまでしていた理由は何だか分からないままだし、あれだけ揉めたのに兄弟子が突然帰って来て皆で仲良しとかも意味が分からない。
ジャッキー・チェンが指名手配犯だと思われている展開が長々と続いて一向に話は進まず、そこで登場したユン・ピョウやその親の署長とジャッキー・チェンの関係も特に結末的なモノがある訳でも無く、ユン・ピョウと署長とのアクションを見せる為に入れただけという展開だし。
最終対決では長々と見せるけれど、そこまでのジャッキー・チェンと敵との確執も大して無いので何だかよく分からない戦いだし。

以前から聞く話では昔の香港映画では脚本はその日とか、その場で渡されてドンドン変わって行くらしかったそうで、だからこの時代の香港アクション映画に脚本部分を求めちゃいけないのかもしれないけれど、それにしてももっと脚本が練られていたらアクションはおもしろいのだからもっとおもしろくなった様な気がしてならない。

この映画、話は気にせずジャッキー・チェン対ユン・ピョウとか、最終対決とかだけ見ても全然良さそうな感じ。

☆☆★★★

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