ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 英雄復活

2021年08月30日 月曜日

マク・チーシン監督、チウ・マンチェク主演の2018年中国映画の「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 英雄復活(黄飛鴻之怒海雄風)」
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 南北英雄」の続編。

下関条約が結ばれて日本と清との間で停戦となっていたが日本軍が侵攻の気配を見せていた清王朝末期。
清の国内では白蓮教という団体が政府の高官を狙って攻撃を企てようとしたがウォン・フェイフォンの活躍によって白蓮教を撃退。
しかし日本との戦争に備えようとしていた高官が白蓮教によって誘拐され、ウォン・フェイフォンと弟子達が白蓮教を壊滅したが高官はおらず、白蓮教が日本軍と繋がっている事が分かる。
ウォン・フェイフォン達は高官を助け出す為に日本人を追い始めた。

チウ・マンチェクのウォン・フェイフォンとしては四作目になるけれど、どうやら1990年代の二作と2010年代の二作は別物らしく、「南北英雄」で敵側だったのが最終的にウォン・フェイフォンの弟子になった女性が引き続き弟子で登場していたりと「南北英雄」の続編にはなっているこの映画。

続編ではあるものの、前作から監督が変わったからなのか、アクションにめりはりが無くていまいちおもしろくなかった。
始まりの突き刺さった竹の上でウォン・フェイフォンと白蓮教の女性との戦いが後から思い出すとアクションが一番おもしろく、その後もアクションはあるけれどダラッと流れる様に戦いが続くので戦い過ぎてアクションが散漫になってしまっている。
しかも、どのアクションも上手くはやっているけれど迫力がいまいち足らず、前作の縄やでっかい傘や鎖を使ったアクションみたいな印象的な戦いも無くて、アクションの印象が薄いままだった。

話は、当時の中国で自分の国を守ろうとするウォン・フェイフォンは分かるけれど、それを描いているのに最後にわざわざ文字で宣言すると安っぽくなってしまうし、その説教臭さを娯楽で入れる必要があるのかな?と思うも、入れなきゃいけなかったのかな?とも思った。

前作の「南北英雄」を見て一番良かったのが、ウォン・フェイフォンと恋人の不器用なイチャイチャと弟子達も揃ってのほんわかした日常で、アクションがある分このほんわかがほっこりして気持ちいい感じだったけれど、今回はそれが少なめ。
しかも、深刻な話が軸なので、その箸休め的にちょこっとウォン・フェイフォンと恋人のイチャイチャが描かれるので全然物足りない。
ウォン・フェイフォンと皆でどうでもいい事話ながら食事している場面が見たかったのに。

そう言えば、前作では話的には一作目なのに既にウォン・フェイフォンに弟子が三人いる状態から始まっていて、その弟子に関しては特に説明も無く行き成り始まっていたけれど、今回も弟子が三人いるけれど一番弟子と太った弟子は継続なのに、一番強かった首を傾げている弟子がいない事には全く触れず、眼鏡出っ歯の新弟子の経緯についても特に触れずで、この映画までの間に短編映画やミニドラマあったのを見逃した感じで特に説明も無いまま。
このチウ・マンチェクの二作って、気になる所の説明を一切省くよなぁ。

敵が日本人なので日本の屋内や文化が出て来るのだけれど、これがヘンテコ日本。
謎の日本語で描かれた掛け軸や、花街の中にある煎餅屋の看板とか、中国に相撲の道場を作って土俵を組んで稽古している相撲取りとか、2018年の中国でもこんな感じなのか。
ただ、わたしは外国映画のヘンテコ日本が結構好きで、出て来る日本語の文字を一時停止して読んでみて面白がっていた。

日本人のボス役の人が澤田拳也という日本人俳優だと後から調べて知った。
確かにこの強面の顔ってVシネのヤクザモノに出ていても違和感ないよなぁと思ったけれど、中国語の台詞って自分で話しているのだろうか?
中国語はさっぱり分からないけれど、他の俳優の台詞と比べても下手ではないように思えたのだけれど。

この映画、結構おもしろかったチウ・マンチェクのウォン・フェイフォンの続編だったので結構期待したけれど、アクションが多い割にいまいち。
ウォン・フェイフォン一家のほんわか場面がほぼ無しだったのが期待外れ。
ウォン・フェイフォン一家の飯食っている場面が半分位で、アクションは初めと中と最後にで良かったんだけれどなぁ。

☆☆★★★
 
 
関連:ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 南北英雄

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