ゴースト・エージェント/R.I.P.D.

2021年08月29日 日曜日

ロベルト・シュヴェンケ監督、ジェフ・ブリッジスライアン・レイノルズ共演の2013年のアメリカ映画「ゴースト・エージェント/R.I.P.D.(R.I.P.D.)」
ダーク・ホース・コミックスから2000年に出版された「R.I.P.D.」が原作。

警察官のニック・ウォーカーは相棒のボビー・ヘイズとの捜査中に見付けた金塊を報告せずに着服してしまった。
罪悪感を感じたニック・ウォーカーは金塊の事を報告しようとしたが犯罪者の逮捕に向かう事になる。
捜査は銃撃戦となり、ニック・ウォーカーを助けていたボビー・ヘイズが二人きりになるとニック・ウォーカーを撃ち殺してしまう。
撃たれたニック・ウォーカーが気付くと取調室の様な所におり、制服を着た女性から「あなたは死んだ。死んだのに人間界に居残って悪霊となった者達の逮捕を手伝えば天国に行けるので悪霊の捜査を手伝って欲しい」と言われ、Rest In Peace Departmentの捜査官として人間界で捜査を始める事になる。
19世紀から捜査官をしているロイシーファス・パルシファーの下について捜査を始めると、ニック・ウォーカーが横領した金塊と似た様な金塊を悪霊達が集めている事が分かる。

元々何かでアメコミ原作なのは知っていて、ジェフ・ブリッジスとライアン・レイノルズが出ているのを知って見てみた。

突然死んでしまって、世界には悪霊が存在している事を知り、その悪霊を捕まえる新人捜査官とベテラン捜査官のドタバタアクションという「メン・イン・ブラック」で「ゴーストバスターズ」をやっている様な映画。
バディモノとしては非常に王道、ベタではあるけれど、主人公二人は既に死んでいるので死にそうな事があっても何ともなく平気だったり、生きている人間には全くの別人に見ているという笑かし要素もあっておもしろいし、ジェフ・ブリッジスの前々々時代の化石の様な西部の保安官とのやり取りも中々おもしろいし、カメラがグルグル回ったり、一瞬で視線の先に寄ってみたりとかの映像演出も中々走っていて良いし、楽しい娯楽映画になっている。

ただ、ジェフ・ブリッジスの個性が強い分、本来主人公であるはずのライアン・レイノルズの方が個性が弱いのがいまいち過ぎる。
残された妻と金塊という設定があるので中々はっちゃけた性格に出来ないのは分かるけれど、怒りっぽいと言っている割に怒って暴走する事もなくジェフ・ブリッジスの方が怒りっぽくて暴走するし、何か特徴的な人物でもある訳でもなしなので、主人公が弱くて脇役が強いのは問題の様な気がした。

あと、敵は悪霊なんだれど、所謂物をすり抜けたりするお化けではなく完全にモンスターで、その見た目や攻撃的に設定が悪霊である必要があんまりない気がした。

この映画の笑かし所である、生きている人間には二人の姿は別人に見えるという部分では、ライアン・レイノルズが中国人のじいちゃんでジェフ・ブリッジスがイケてる女性というので笑かしに来ているけれど、わたしはライアン・レイノルズの方の中国人のじいちゃん役がジェームズ・ホンだったのでそっちの方が笑いと興奮になってしまった。
ジェームズ・ホン、この時84歳で元気に役者やっているのもそうだし、ゴーストモノにジェームズ・ホンが出ているのも興奮材料。

役者ではジェフ・ブリッジスは64歳で、1990年代位までの印象なのでおじいちゃんになったなぁ…と思いつつ、その古い保安官役がピッタリで楽しい。
ただ、あの口の中に常に何か入っている様な喋り方は何なのだろう?
聞き取り辛いし、変な役作りと思ってしまった。

ケヴィン・ベーコンが登場して、今回も悪役なのかな?と思ったら速攻で悪役と分かり、しかも実は悪霊でラスボスって、悪役俳優まっしぐらで笑ってしまった。

R.I.P.D.の管理官役のメアリー=ルイーズ・パーカーも役が立っていて良かったし、皆弾けて楽しいそうに演じていた感じ。

この映画、結構おもしろかったけれど、ジェフ・ブリッジスの役が強過ぎな分ライアン・レイノルズの役が弱く見えてしまって物足りなさを感じたし、死んでいるから何が起こっても大丈夫というアクションや、ジェフ・ブリッジスが他人の死に鈍感になっているとかがもっとあっても良かった様な気がする物足りなさも結構あった。
この出来なら続編もあっても良さそうと思ったら、興行収入が製作費の半分強位という大赤字で続編は無しか。
もっとこのジェフ・ブリッジスを見たかったけれど。

☆☆☆★★

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