デイライト

2021年08月28日 土曜日

ロブ・コーエン監督、シルヴェスター・スタローン主演の1996年のアメリカ映画「デイライト(Daylight)」

ニューヨークとニュージャージーを繋ぐ海底トンネルで爆発事故が発生。
多くの死傷者を出し、トンネルの両端が瓦礫で塞がれてしまった。
トンネルに入りかけていた元緊急医療班のキット・ラトゥーラはトンネル内に残された人々を救い出す為に単独でトンネルに入った。
トンネル内では数人だけが生き残っており、爆発で発生した有毒ガスが充満し始めただけでなく、トンネルの損傷で海水があふれ出して来る中で脱出路を探し出そうとする。

昔、テレビの地上波で放送されていたのを見た事があるのか無いのか位のおぼろげな記憶だったので、Amazon プライムビデオでの配信が終わりそうだったので見てみた。

事故により限定された場所から逃げ出さなくてはならなくなった人々を描く、「タワーリング・インフェルノ」とか、「ポセイドン・アドベンチャー」の系譜のパニック映画であり、シルヴェスター・スタローンが主役のヒーロー映画でもありと、正にこの時代のハリウッド映画という感じなんだけれど、今見ても非常に王道な展開ではあるけれど早くから畳み掛ける展開で集中力を持って見れたし、ちゃんとハラハラ感もあって結構おもしろく見れた。

始まりはトンネル内で生き残る人々の背景をサラッと描き、その中の一人としてシルヴェスター・スタローンもおり、今後の群像劇の期待感としては結構盛り上がる。
ただ、結局はシルヴェスター・スタローンばかりが活躍するヒーロー映画にはなってしまい、その他の人々はギャーギャー騒いでうるさかったり、自分が死んでしまうかもしれないのにわざわざ単独で助けに来たシルヴェスター・スタローンに文句言うだけの人々になってしまって、人物が立つ様な活躍やその人の背景を掘り下げる事も少ないし、トンネル外の人が活躍する場面も無いしで、シルヴェスター・スタローンを見せるだけの映画になっているのは勿体無い。
他の人々は初めの時点では濃そうな感じなのに、トンネル内で描いた話が脱出してどうこうなる訳でもないので見終わるとどの人物も薄い印象しか残らず仕舞い。

シルヴェスター・スタローンの役も何かしらの過去があって、それが分かるけれど、単にとくにかく人命救助がしたくてたまらないという人物なのは分かるけれど、それ以上に深みが無く、トンネルに入ってもこの手法が駄目だから次はこの手とかではなく、結構場当たり的で、そりゃあ皆は不安になるよなぁという人物。

トンネル内のセットや仕掛けは良く出来ていて、燃え盛るトンネル内の恐怖は良く出ていたし、特に撮影も仕掛けとしても相当大変だったろう大量の水は中々凄かった。
しかし、あれだけの爆発と破壊を発生させる謎の化学物質は一体何?だし、あのトンネルは壁の中に何かの爆発物や引火する物をわざわざ埋め込んでいるのか?と思える位の爆発のしやすさと燃えやすさは盛り上げの為か。

この映画、シルヴェスター・スタローンが主演なのでどうしてもシルヴェスター・スタローンのヒーロー映画になってしまうのは仕方ないけれど、もっと別の人や脇役も活かして人間ドラマの群像劇が見たくはあり、脇役が有名俳優だったら大分違った展開になりそうで、それだったら後世でももう少し話題になるパニック映画になった気がするんだけれどなぁ。

☆☆☆★★

« | »

Trackback URL

Leave a Reply