ドクター・フー シリーズ1
2021年04月17日 土曜日「ドクター・フー」のシリーズ1の全13話を見終えた。
わたしは「ドクター・フー」は地上波で放送していた時に何話かだけ見た覚えがあり、それでもおもしろかった印象として残っていて、「24」のシーズン1を見終えて直ぐにシーズン2を見る前に何か見たいなと思って Amazonプライム・ビデオで検索したら「ドクター・フー」が出て来たので見る事にしてみた。
「ドクター・フー」はイギリスのBBCで、一番初めの放送が1963年に始まり、1990年代には一時休止しながらも2005年から放送が再開され、60年近く続いているSF連続ドラマ。
主人公のドクターは人間と同じ見た目だがタイムロードという宇宙種族で、ダーレクという種族との戦争でドクター以外は絶滅してしまい、ドクターはターディスという宇宙船兼タイムマシンで時空間を旅している。
2005年から再開され、新シリーズとなった九代目のドクターはローズ・タイラーと共に旅をし始めた。
このシリーズ1は、わたしはこれ以前の「ドクター・フー」を見た事は無いけれど、これまでの「ドクター・フー」の要素を散りばめている感じで、かつ新規視聴者も入り易い様にローズ目線で謎の人物ドクターと出会い、ドクター共に冒険に出かけるような感じに作ってあって非常にすんなりと入り込んで行けた。
徐々にドクターがどんな人物かを描き、ドクターが意外とお茶目だったり、ローズとのやり取りもおもしろいくコメディ的な要素もあり、チャールズ・ディケンズが登場する過去や、地球が終わる50億年後の未来までに行き、SFモノとしてもタイムトラベルモノとしても中々おもしろい。
それに何でか「ドクター・フー」をほとんど見た事がないわたしでも知っていたダーレクの登場で「おおっ!」となり、一話を使ってダーレクを丁寧に説明して実はそのダーレクが最後の一体かと思いきや、最後にダーレクが生き延びていて総攻撃を開始する展開とか、最終話までの他の世界との繋がりや「バッド・ウルフ(Bad Wolf)」の仕込んでた振りとか、シーズンを通しての展開も非常に上手かったしおもしろかった。
ただ、最終話の「わかれ道」で、これまでのシーズン全体を通してのまとめであり、ダーレクの攻撃に対するどうなるの?の結末が、ローズのデウス・エクス・マキナにはがっかりだった。
突然ローズがフェニックス・フォースを吸収したジーン・グレイのダークフェニックスの如く生死を操る無敵の力を手に入れ、それでダーレクもキャプテン・ジャック・ハークネスも問題解決って、お手軽過ぎ。
何で欧米人ってSFでデウス・エクス・マキナを使いたがるんだろう?
それに実は今まで登場していて上手い事仕込んで来た「バッド・ウルフ」が最後に繋がってワクワクしたのに、結局説明もよく分からないままでグダッとしてしまったのもがっかり。
「バッド・ウルフ」って仕込んだは良いし、仕込みが上手かったのに回収が下手くそ過ぎた。
でも、その後の九代目ドクターのクリストファー・エクルストンから十代目ドクターのデイヴィッド・テナントに再生してクリフハンガーなのには笑ってしまった。
見る前までクリストファー・エクルストンのドクターって強面なので真面目なのかと思っていたけれど結構お茶目で冗談も好きで、革ジャンで非常に良かったのに、結局クリストファー・エクルストンの九代目ドクターって、このシリーズ1だけなのは勿体無い。
日本では地上波で放送したので日本語吹き替え版はあるはずだけれど、契約の問題なのか吹き替え版の配信が見当たらなったので日本語字幕版で見たけれど、イギリス英語って発音が結構独特で聞いていてもおもしろい。
もっと英語の理解能力があればドクターの北部訛りとかも分かるんだろうなぁと思って見ていた。
それに日本語字幕でもジョークとかは全く訳していないとか別になっているのもあって、ジョークやコメディ要素もある「ドクター・フー」は字幕版の方が良いかもしれない。
と言うか、この新シリーズの方は元々吹き替え版が全部は作られていないみたいだし。
それに、ダーレクが登場すると「Exterminate!」って言いたくなったし、「Exterminate!」って聞きたいし。
イギリスと言えば、わたしの中では音楽(ロック、プログレッシブ・ロック、パンク)とコメディ(モンティ・パイソン、宇宙船レッド・ドワーフ号、Mr.ビーン)とSF(H・G・ウエルズ、アーサー・C・クラーク、ジョージ・オーウェル、ジェイムズ・P・ホーガン、ブライアン・オールディス、J・G・バラード等々)の印象で、そんな中で「ドクター・フー」はそれらに影響しただろうし、影響も受けている様なSFドラマで非常におもしろく見れた。
新シリーズはシリーズ12まであり、今年にはシリーズ13も放送予定らしいので楽しみが増えた。
関連:ドクター・フー シリーズ2