マッドマックス 怒りのデス・ロード

2019年04月02日 火曜日

ジョージ・ミラー製作・監督・脚本、トム・ハーディ主演の2015年のオーストラリアの映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード(Mad Max: Fury Road)」。
マッドマックスシリーズ四作目で、三作目「マッドマックス/サンダードーム」から30年経っての公開。

シタデルという砦に捕らわれたマックスは病気の為に輸血しなくてはならないシタデルの戦闘員ウォーボーイズの輸血要員とされてしまう。
シタデルの隊長フュリオサ・ジョ・バッサは取り引きの為に部隊を率いて出掛けるが途中で道を変える。
フュリオサは身籠った女性達を連れて安全な地へと逃亡を図った。
フュリオサの逃亡を知ったシタデルの支配者イモータン・ジョーは女性達を取り戻そうと大部隊を引き連れて出陣。
その中には輸血を続けながら自動車に乗るウォーボーイズがおり、マックスは彼の輸血要員として自動車に貼り付けにされて否応なしにフュリオサ・ジョ・バッサの追跡に駆り出された。
マックスはシタデルの戦闘員から逃げ出し、フュリオサ・ジョ・バッサ達の逃亡を手助けする事になる。

わたしはこれまでの三作を全部見たけれど全然はまらず、言ってしまえばつまらない映画シリーズではあったけれど、この映画が日本でも公開された後はやたらと評判が良かった事を覚えていたので見てみた。
ただ、これまでのシリーズから比べると少しはおもしくはあったけれど、シリーズの他の映画と同じく、やっぱりおもしろくない映画だった。

おもしろくないと思ったのはマックスの弱さと延々と続くカーアクション。

この映画はシリーズ四作目と言うけれど、30年後の続編でマックスがメル・ギブソンでない時点でリブートされた新シリーズ一作目にしか思えず、そう思って見たら主役のはずのマックスの存在感が薄く、話的に主役はシャーリーズ・セロン演じるフュリオサで、何でマックスが中心で活躍しないの?とずっと疑問ばかり。
始まってから行き成りマックスが捕まってしまう場面を見せたのでマックスの反撃が話の主軸になるのかな?と思ったら、シタデルの馬鹿みたい格好をした馬鹿達の内輪揉めが始まって、馬鹿みたいな自動車を乗り回しての殺し合いが続き、やっとマックスが活躍し始めるのが映画が始まって30分位経ってからで、「ずっと何見せられているの?」とこの映画を見ている事の疑問が出て早い段階で興味が失せていた。
フュリオサの過去や行動の理由は結構見せるのに、マックスは過去に誰かを救えなかったという悪夢を見はしているけれど、それがフュリオサ達と行動する理由にはなっていないし、その救えなかった子供に関しては最後まで特に何かが分かったりもせず決着する事もないままで、ただ出しただけの投げっ放しで終わってしまい、マックスがフュリオサの行動に偶然巻き込まれたので付いて行っただけで主人公としての意思や行動原理が見えて来ないので主人公として話を引っ張って行けていない。
これが新シリーズの数作目とか、スピンオフ映画としてなら、これだけ女性を集めてフュリオサを主人公にしてやっているのは分かるけれど、トム・ハーディがマックスになってからの一作目で、これだけマックスが目立たない、脇役の一人位の扱いって何なの?これって「マッドマックス」じゃあないの?と思ってしまった。
それにマックスの声って、演じているトム・ハーディの声質なのか演技なのかは分からないけれど、終始喋る度にアフレコ?と思ってしまう籠り方と言うか響き方に違和感を感じてしまった。

それに、わたしは昔から自動車でのアクション場面になると何でか冷めてしまい、カーチェイスとか自動車がぶつかり合うカーアクションとかおもしろいとは思わないので、この延々と続くカーアクションは見ていても盛り上がらず。

あと、設定も緩いと言うか、これがマッドマックスシリーズなので敵がヘンテコな格好だったり、ヘンテコな自動車しかないというのはそういうモンだ…とは分かるけれど、イモータン・ジョーも見た目が悪そうだというだけで、水を支配しているから飢えて乾いた人々を統制出来るという社会がいまいちピンと来ないし、人々がトンデモなく酷く扱われて強制労働させられているとかの描写がないので最後で一気にフュリオサになびく人々もピンと来ないままだったし、残ったウォーボーイズも谷の岩をどかせば直ぐ砦に戻って来るはずで、それに対抗出来るだけの人員や戦力がフュリオサ側には残ってないのにめでたしめでたし…って、全然納得行かないし。
まあ、製作・監督・脚本をしているジョージ・ミラーの映画って、初めからの「マッドマックス」三作もそうだし、「ハッピー フィート」もつまらなかったし、特に一作目「ベイブ」が結構おもしろかったのにジョージ・ミラーが監督をした二作目の「ベイブ/都会へ行く」がクソみたいな映画になった事を思えば、何時も通りのジョージ・ミラーの映画って事なんだとは思う。

この映画、主人公のマックスを描くよりもフュリオサを描き、ストーリーを描くよりもカーアクションを見せたい!という意図なので、カーアクションが始まると「ふぅ…」とため息をついて盛り下がってしまい、それでは全然はまらず楽しめなかった映画。
「マッドマックス」シリーズにはまらなかったわたしでも知っているマックスの愛車V8インターセプターは出て来はしたけれど、破壊後修理されていたのでてっきりマックスが乗って戦うのかと期待したのに、結局最後までマックスが乗る事なく終わって肩透かしだったのもつまらなかった要員の一つ。
やっぱり「マッドマックス」のスピンオフ映画感がして、トム・ハーディ版マックスの一作目なんだから、真っ直ぐマックスがV8インターセプターに乗って暴れまくる映画で良かったんじゃないの?と強く思ってしまった。

☆☆★★★

関連:マッドマックス
   マッドマックス2
   マッドマックス/サンダードーム

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