前期のドラマは「ザ・ラストシップ」シーズン2

2016年07月03日 日曜日

2016年4月から6月までの三ヶ月の間で見たテレビドラマは、

ヒューマン・ターゲット
X-ファイル 678
CSI:NY 12
CSI:科学捜査班 6
エージェント・オブ・シールド 2
ザ・ラストシップ 2

で、新規に見始めたドラマは無し。

「ヒューマン・ターゲット」の様にやたら不定期にしか放送しないとか、「X-ファイル」の様に週五話で3シーズンを一気に放送するという嫌がらせの様なDlifeのファッキンなクソ編成で見るのがしんどくなり、大分飽きてしまった事もあったが、「CSI」「CSI:NY」「ザ・ラストシップ」はやっぱりおもしろかった。
 
以下、感想。
 
 
ヒューマン・ターゲット

始めは依頼人の安全を守る為、クリストファー・チャンスが何者かに成り済まして潜入したりする王道なスパイモノだったのだけれど、中盤辺りからは実はクリストファー・チャンスは子供の時から暗殺者として育てられ、その謎の組織から逃げ出して人助けをしながら、謎の組織の動向を見ている…という何処かで見た展開になる。
これって、テレビドラマの方の「ニキータ」そのままじゃん…と思ったけれど、この「ヒューマン・ターゲット」の製作総指揮に「ニキータ」の製作総指揮だったマックGが入っており、しかも「ヒューマン・ターゲット」も「ニキータ」も2010年からの開始。マックG、使い回してんなぁ…。
「ニキータ」もこの「ヒューマン・ターゲット」も結構おもしろいけれど、いまいちマックGの映画って好きじゃない。「チャーリーズ・エンジェル」や「ターミネーター4」の監督だからなぁ…。

しかし、このドラマは毎回結構おもしろいし、シーズン1の最終話でクリストファー・チャンスがクリストファー・チャンスとなった顛末や、クリストファー・チャンスという名前が代々引き継がれていた、所謂ヒーロー名だった事が判明するとかはしびれた。

ただ、地上波で見ていたのだけれど、この最終話は番組欄では「終」とは記されていなかったので、何で次の回の放送が無いんだろう?とずっと疑問に思ってしまった。あれが最終話だったのか。
始めは普通に毎週1話づつ放送していたのに、急に隔週で2話連続とか、翌週も2話連続とか無茶苦茶な編成だった。
これを放送していた関西テレビって、昔は毎週「新スタートレック」「スタートレック:ディープ・スペース・ナイン」「スタートレック:ヴォイジャー」「スタートレック:エンタープライズ」をちゃんと放送していた素晴らしい放送局だと思っていたのに、編成が酷くなり、最早深夜の穴埋め程度にしか放送しておらず、視聴者の方など向いておらず、やはり大阪のテレビ局は落ちぶれたなぁ。

不思議なのは何故か「X-ファイル」でお馴染みの役者が連続で登場した事。
5話「終わりなき逃走」には肺がん男ことシガレット・スモーキング・マン役だったウィリアム・B・デイヴィスが。
6話「闇の兵器売買」にはウォルター・スキナー副長官役だったミッチ・ピレッジが続けて登場。
「ヒューマン・ターゲット」が「X-ファイル」と同じFoxで放送されたからだからなんだろうか?
 
 
X-ファイル 6

やっぱり「>X-ファイル」のシーズンまたぎのクリフハンガーって、いまいち前シーズンの最終話を憶えていないので「あれ?こんな話だったっけ?」と毎シーズン戸惑うんだよなぁ…。
シーズン5の最終話で、Xファイル係の部屋が燃やされたのは覚えていたけれど、南極の宇宙船とかそんな話あったっけ?これって、もしかして映画?と思って調べてみたら、やっぱりシーズン5と6の間に映画「Xファイル ザ・ムービー」があって、それをそのまま受けてのシーズン6だったか。そりゃあ知らない話があるのは当然。
しかし、この「X-ファイル」を見ていたDlifeって、CSIシリーズとかは新たなスピンオフシリーズの顔見せがある合同捜査の回を放送してからスピンオフを開始していたのに、この「Xファイル」は映画せずにシーズン6していない?Dlife自体は映画も放送しているけれど、「Xファイル ザ・ムービー」は権利関係の問題で放送出来ないのか、単に編成が気にも留めなかったという事なんだろうか?手抜き?

この繋がらない一話目もあったし、その後の数話が続けてつまらないモノばかりだった上、Dlifeの週五話という、毎日追い立てられながら見なくてはならないというのが単に消化しているだけに思えて見るのを止めようかと思った。

3話の「トライアングル」では、タイムスリップモノらしき話をしているだけれど、これがお遊びが過ぎて酷くつまらなかった。
そもそも、バミューダ海峡で見付けた昔の船にモルダーが乗ったら第二次世界大戦下のその船へとタイムスリップし、船から海に落ちたら現代に戻ったというのも相当強引な展開なんだけれど、そこの60年前の過去の人々の中に何故か「Xファイル」シーズン6のレギュラーと準レギュラーが当時の人役で出ている。
スカリースキナー副長官、アルビン・カーシュ副長官、シガレット・スモーキング・マン、ジェフリー・スペンダー等が何故かナチスやその船の乗客や船員等を演じているけれど、それに関しては特に言及されない。最後を見ていると、それの一番しっくり来る説明はモルダーの夢、妄想なんだけれど、だとしたら、それはそれで酷い。
それに、何故かこの回ではやたらと長回しをして一場面をワンカットの様に見せているんだけれど、それの演出意図もよく分からない。まだ、「24」の様にその回の話がリアルタイムで描いているなら全編ワンカットというのなら分かるのに、この回はモルダー側の話とスカリー側の別々の話があるので、別に長回しにする必要もないと思うのだけれど。話自体がお遊び回なので、実験的に長回しにしました感が凄いある。
あと、スカリーがやたらとキスするのも物凄い違和感。モルダーがジリアン・アンダーソン演じる過去のスカリーじゃない人にキスするのも唐突だけど、現代でスカリーがやたらと気持ちが昂ぶって、最後スキナー副長官に思いっ切りブッチュとキスするんだけれど、今までのスカリー見ている限りはスカリーって冷静でそんな人物じゃないでしょ?と思ってしまった。これもお遊びが過ぎ、悪乗りにしか思えなかったし。
お遊びをするのもいいんだけれど、Xファイル課が閉鎖になり、二人はこれからどうなるの?の真っ最中で、しかもまだシーズンの3話目なのに、行き成りお遊び回するのって早くない?と思うし。

この回を見て思い出したのが、「スタートレック:ディープ・スペース・ナイン」のシーズン6にあった137話目「夢、遥かなる地にて」の回。
この「夢、遥かなる地にて」の回もDS9のレギュラー、準レギュラー陣が1950年代の人々を演じるという内容で、この「トライアングル」と似た様な感じだったけれど、同じ様な内容でも「夢、遥かなる地にて」はSFマニアをくすぐる1950年代のSF界のあれやこれが一杯出て来ていた上に、最後はメタフィクションにまで行くので「すげー!」と思ったんだけれど、それを「トライアングル」でも真似しようとしたのかな?と穿ってしまう。
放送的にも「夢、遥かなる地にて」は1998年2月11日で、「トライアングル」は1998年11月22日だから、DS9の方に影響された様な気もするし。

続いての4・5話「ドリームランド Part.1・2」でも、モルダーとエリア51の職員の中身が入れ替わってしまい、陽気でFBI職員の女性を口説く何時ものモルダーではない中身が別のおっさんと、家庭不和の家で四苦八苦する中身がモルダーという非常にコメディ色の強い話を更に続けてしまう。
この話自体も粗くて、入れ替わった人は外見はそのままで中身だけが入れ替わっているはずなのに、モルダー自身とおっさん自身は見た目も入れ替わっていて、しかしそれは本人達にしか見ていないという映像的な都合の良さ。終始、知らないおっさんの事をスカリーが「モルダー」と呼んでいるのだから、そこでコメディしたいだけじゃん。
で、この状況をどうして元に戻すかというのが軸になるのに、元に戻す方法はなく、結局最後は都合良く入れ替わった場所に戻ったら元に戻りました…という、まあ都合の良過ぎる、解決策を放棄しただけの酷い結末にしてしまっている。

更に続いての6話「クリスマス・イブの過ごし方」も、モルダーとスカリーの二人がクリスマス・イブに幽霊屋敷に幽霊調査しに行って、幽霊達に弄ばれるという、これまたコメディ色の強い回で、序盤でこれだけ今までと違う方向に行っていて非常につまらなく、ドンドンと見る気が失せて行った。

7話の「寵児」にはブルース・キャンベルが出演。
ブルース・キャンベルって、もう「死霊のはらわた」のアッシュの時の真面目な演技よりも、連続テレビドラマ「バーン・ノーティス」のチャック・フィンリーことサム・アックスのとぼけたおっさんの方の印象が強く、わたしにとってはコメディアンっぽいおっさんなんだけれど、この回のブルース・キャンベルはまだ真面目なブルース・キャンベル。ただそれも、最後の最後で実は道化だったという話的には結構酷いちゃぶ台返しでブルース・キャンベルがコメディをしていた事を思うと、やっぱりブルース・キャンベルはコメディの人。

14話の「月曜の朝」も、これを見る丁度前日に録画して見ていないままだった「新スタートレック」のシーズン5の18話「恐怖の宇宙時間連続体」という、これも同じ出来事が繰り返すという話だったので、どうしても比較して見てしまったけれど、やっぱり「Xファイル」はSFなら説明する部分をすっ飛ばして展開させるので、結局どうでもいい話になってしまう。
「恐怖の宇宙時間連続体」は全く同じ時間が繰り返している様に思えて実は外の時間は流れているけれど時間の渦にはまってしまっているというので、そこを使って時間の繰り返しから抜け出すSFでおもしろいし上手いと思ったのに対し、「月曜の朝」はモルダーが爆死する事でモルダーの月曜の朝が繰り返されると思わせる演出なのに、実際に繰り返しているのは銀行強盗の彼女の時間。しかし、それも何で繰り返しているのかは全く説明されず、彼女が繰り返していると理解している事も何でなのかも説明は無いし、彼女と触れ合った事によってモルダーも繰り返している事を知り始めるというモルダーへの影響の理由も全く説明されず、何で記憶が持ち越されるのか?も説明は無し。
これでは、脚本で描きたい事ばかりが先行し過ぎて、ただ脚本家に都合が良いだけの酷くお座なりな脚本にしか思えない。

これらの事って、「Xファイル」の主軸となっている異星人とアメリカ政府の陰謀にも影響が出ている。
それまでは事実が何で誰が何をしているのかもよく分からない状況から少しづつ二人が事実を見つけ出して行く状況から、結局有耶無耶にされて本当は何なのか?という展開だったらおもしろく見れるのだけれど、このシーズン6でははっきりと異星人とシンジケートが交渉して異星人の入植を遅らせながらも手助けとなっている状況が出てしまっているのに、重要な部分を有耶無耶にしているので全然話に乗って行けない。
支配欲が強い異星人達は何故さっさと入植せず、気長に数十年も待っているのか?
異星人に対抗する手段が異星人と地球人のハイブリッドを作る事らしいけれど、そのハイブリッドが何故地球人側の切り札になるのか?
反乱軍と地球人が手を結んで戦わない理由は?
等々の疑問でずっとモヤモヤしたまま見続けていたし、そもそもハイブリッドとは言っているけれど、遺伝子工学等で地球人と異星人の両方の特徴を持った新種を生み出す訳ではなく、現存の地球人を改造しているのでハイブリッドって言うのに違和感しか感じないし、恒星系間航行も出来る超技術を持っている異星人がハイブリッドを作るのに数十年かかるという生物学等々の技術力の低さは一体何なんだ?
それを言い出したら、この「Xファイル」の世界では実際に異星人が地球に頻繁に来ていて、結構間抜けにあちらこちらに証拠を残してしまい、それを各国政府や軍等で大規模な人数が関わっているにも関わらず、情報を掴んでいるのが少数で、モルダー位しか事実に近づいていないって、お座なりな設定ではあるんだけれど。

15話の「スイート・ホーム」に「ER」の受付ジェリー・マーコヴィック役でお馴染みアブラハム・ベンルービが出演していたけれど、吹き替えが同じ塩屋浩三だったので物凄い「ER」感が。

最終話は次シーズンに続くクリフハンガーなんだけれど、これがこれまでのシーズンでも最低につまらなかった。
 
 
X-ファイル 7

シーズン6に続き、すぐさま続けてシーズン7をDlifeが放送したのだけれど、特に毎回クリフハンガーで続きを見なくちゃしょうがないドラマでもないのに、これまた週五話放送という編成で、もう追い立てられて見なくちゃならない事に辟易したし、このシーズン7は一話一話が物凄くつまらなくて、中盤辺りからは別の事をしながらの流し見になってしまった。

そのシーズン6から続くシーズン7の初回は、初回だけでなく二話目まで計三話も続く話。なのに、グダグダして展開は遅く、話も常に投げっ放しでお座なりで、まあつまらない。
地球外生命体の遺物だと思われる謎の碑文を見付けた所から始まり、その文字を見たモルダーが精神異常を来たし、何故か人の考えている事が分かるという特殊能力を発現するという、最早ファンタジーな展開にあんぐり。
宇宙船に聖書やアル・クルアーンの文章や人間の遺伝子を書き記したという宣伝カーみたいな宣伝宇宙船も馬鹿馬鹿しいけれど、その宇宙船は何も解決もせぬまま後半は全く関係無くなり、宇宙船の話もどっか行ってしまったし、モルダーの超能力の発現と意味も何だか分からないまま、あれだけ苦しんでいたのにシガレット・スモーキング・マンによってあっさり解決。
しかもあれだけモルダーやXファイルとの因縁があったダイアナ・ファウリー捜査官が、スカリーの「死にました」と言う発言だけで退場。
何より酷いのが、この二話目の「第六の絶滅 Part.2」はデイヴィッド・ドゥカヴニーも脚本を書いており、内容的にもXファイルに関わらない人生を選びかけたモルダーが、やっぱりXファイルを選んだという、モルダーだけでなくデイヴィッド・ドゥカヴニー自身の身の振り方を出した回であるにも関わらず、デイヴィッド・ドゥカヴニーがこの後直ぐのシーズン8で降板してしまう事を知っていると、この時点では良い話かもしらないけれど、最早茶番でしかない事も。

シーズン7の見所の回でもある、4話の「ミレニアム」は「Xファイル」と同じクリス・カーターが製作総指揮したテレビドラマ「ミレニアム」とのクロスオーバーで、「ミレニアム」の主人公フランク・ブラックが登場するんだけれど、わたしは大分昔に地上波で「ミレニアム」を放送していたのを少し見たはずではあったけれど全然覚えていないので「何か分からんなぁ…」という感じで、単にランス・ヘンリクセンが出ているという部分でしか面白味が無かった。
このクロスオーバーも「ミレニアム」が放送中の時に放送した訳ではなく、「ミレニアム」がシーズン3で打ち切られ、話も途中のまま打ち切られた後のクロスオーバーという微妙なモノで、こっちで打ち切りの補足してどうすんだと。
しかも、この回は最終的に「かつて人間だった者が、邪悪な呪いによって何かになって人間を襲い、地下室に閉じ込められている。」という話になり、完全に「死霊のはらわた(Evil Dead)」で、本気のホラーのつもりだろうに、「死霊のはらわた」的なコメディっぽくもあったし。

5話の「ラッシュ」は少年が謎の力を得て、超高速で移動出来るという特殊能力を手に入れる話。
DCコミックスフラッシュと言うか、自分が高速移動の時は周りが止まった様に見えるというのはマーベル・コミックスクイックシルバーじゃん。行き成りスーパーヒーローモノやり始めて「何じゃ、こりゃ?」。末期感と言うか、手詰まり感と言うか…。
それに毎度の何故かは有耶無耶ではあるんだけれど、何時もならモルダーの原因はあーだこーだのうんちくが正解なのに、今回は原因については一切何でかは分からないままという投げっ放しの酷さ。

その次の6話「ゴールドバーグ」はとにかく運が良く、命を狙われて銃で撃たれても運良く死なないラッキーマンの話。
その次の7話「オリソン」は暗示によって人を操る牧師が登場。
何で次々と特殊能力者の話にをするんだ?「X-ファイル」って「HEROES」だったっけ?
「X-ファイル」の方向性迷走していない?
ちなみにこのラッキーマン役、ドラマ「ホワイトカラー」のモジー役でお馴染みウィリー・ガーソンだった。ただウィリー・ガーソンって、シーズン3の7話「歩兵」にも出ているんだよな。何で同じ役者を違う役で使ったのだろう?

8話「偉大なるマリーニ」は奇術師が大金を盗もうと様々な仕掛けをしていた犯罪で、最早「X-ファイル」でもないじゃん。

12話の「X-コップス」は全編外での撮影で、テレビ局のドキュメンタリー番組のカメラが警察の仕事現場に付いて回っている所にモルダーとスカリーが現れ、二人にも付いて行くという話。
これは「X-ファイル」を放送していたFOXで実際に放送している「全米警察24時 コップス」というドキュメンタリー番組を使って、「X-ファイル」内でパロディやモキュメンタリーとして使っている。
これは発想としても、これをしたという事もおもしろいけれど、話がつまらないのでどうしようもない。
毎度のスカリーの話は全部外れていて、モルダーの言った事が全て正解。そして、結局犯人は何なのだったかは有耶無耶と「X-ファイル」の悪い所ばかり出ている。
特に、恐怖が伝染するという謎の敵という設定はおもしろいのに、家の扉に物理的に傷を付けているのに、敵はその人にしか見えておらず、モルダーが言うには霊的な物らしいけれど、それが非常に曖昧過ぎて、見ていても何時も以上に「何なの?」
確かこの回、「モルダーとスカリーが夜の町をうろつくのを、手持ちカメラで撮っている」と言う部分で以前見た事があるはずなんだけれど、地上波で放送していた時ってシーズン3までしか放送していないから一体何処で見たんだろう?

13話の「ファースト・パーソン・シューター」なんか特に酷い。
VRゴーグルらしき物を使ったコンピュータゲーム内で敵キャラクターが暴走して殺人を行うのを調査するんだけれど、これがSFっぽい事はしているけれど、モルダーとスカリーが銃を撃ちまくるというだけをやるための適当なファンタジー。
コンピュータゲーム内のキャラクターが勝手にプログラムに入り込み暴走するというのは随分安っぽいけれど、そこの何故は一切説明が無いという「X-ファイル」の悪い部分が出てしまって、SFっぽいの完全に「魔法でした」という質の悪いファンタジー。
ゲーム内で首を切られた人が現実にも首を跳ねられているというのも理解不能。かけている眼鏡を外して、着ている防護服外せばゲームを抜け出せるかと思いきや誰もそんな事しないし、ゲームを終了させたの人間がどうやってか現場から消えているのなんて意味不明過ぎる。このゲーム会社ホロデッキを作ったという事?
終始酷い展開ばかりで、反吐が出そう。
しかし、この脚本ってウィリアム・ギブスンが書いているとは知らなかった。ウィリアム・ギブスンの小説読んだ事ないけれど、こんな安っぽい、穴だらけのクソみたいな脚本を書いてしまっているけれど、ウィリアム・ギブスンってサイバーパンクの旗手じゃなかったの?

これ以降も「X-ファイル」の本筋である政府と異星人の話が全然出て来ず、終始今までよりもファンタジー的で、ある程度SF的説明があったはずなのにそれさえも無い投げっ放しの手抜きにしか思えない脚本ばかり。
やたらとコメディ的な話も多く、これまで真剣にオカルト話やトンデモ話をやって来た「X-ファイル」が、それさえも馬鹿馬鹿しい嘘話的に否定している様に思えて見るにも耐えなかった。

最終話でやっと異星人の話が出て来て、モルダーの誘拐で幕を閉じるけれど、完全に行き詰まり、これ以上やっていても意味無いだろうと考えたであろうデイヴィッド・ドゥカヴニーが降板しただけに思えたし。

「X-ファイル」は丁度このシーズン6・7が視聴者数的にも分岐点で、シーズン5はシーズン平均視聴者数1980万人とここが絶頂期。
シーズン6になるとシーズン平均視聴者数は1720万人に落ち、シーズン7は1420万人と如実に落ちている。
各話でも、シーズン5のシーズンプレミアは2734万人でシーズン最高だったのが、シーズン6の最高視聴者数は8話の2124万人で、最低は20話の1294万人。
シーズン7の最高視聴者数は1話目の1782万人で、最低は18話の1081万人とドンドン落ちてしまっている。
確かにシーズン6・7は見ていてもつまらない回が多く、本筋であるはずの異星人と政府の陰謀話も少なく、その本筋が足りないのでその他の話でお茶濁している感じもあったし、やたらとコメディ調の話も入れ来るのが今までの「X-ファイル」から雰囲気が変わり始めておもしろくない要因になっていたし。
 
 
X-ファイル 8

シーズン6・7と毎週平日5話放送という無茶な編成のDlifeが、シーズン7終了から続けてシーズン8を、同じく毎週平日5話放送という編成で放送。ここまで来ると嫌がらせか、視聴率悪いのでさっさと終わらす為の在庫処分かと思えて来る。

もうシーズン7が余りにつまらなくなってしまっていたので、シーズン8も別の事しながらの流し見。

シーズン7の最終話からシーズン8の最初の2話も使ってモルダーの失踪を描くけれど、結局だから何?な話でしかなく、結果としてスカリーの新たな相棒としてジョン・ドゲット捜査官になるけれど、ここでモルダーがいなくなって新相棒って、テコ入れにしては遅過ぎだし、ここまでモルダーとスカリーでやって来たのに今更新相棒って、デイヴィッド・ドゥカヴニーの降板をとにかく穴埋めした感しかしないよなぁ。
これまでの何でも超常現象に結論付けてしまうモルダーの役回りだった事をスカリーがし、これまでの常に超常現象は信じず合理的に考えるスカリーの役回りをジョン・ドゲットに変えただけで、何でここまで来てスカリーの役回りを変えなくちゃならんのだと思ったし、さっさと打ち切りにすべきだったんだと思う。

11話の「ギフト」なんて、ジョン・ドゲットが主役で、相棒はスキナー副長官。スカリーは出て来ないし、その一方で回想でモルダーが出て来るし、もう「X-ファイル」を無理矢理続けている感一杯で、グダグダ。

結局何だか分からない理由でモルダーが誘拐され、帰って来たと思ったら死んでいて、でも復活して再びXファイルに戻ったけれど自ら身を隠す…という展開も、ジョン・ドゲットを登場させておいての今更でだから何がしたいの?な展開で、ドラマの盛り上げというよりもモルダー役のデイヴィッド・ドゥカヴニーのわがままに振り回され、制作側が必死に取り繕っている感じしかしない。

あと、ジョン・ドゲット役のロバート・パトリックの吹き替えがいまいち合っていない。吹き替えは大塚芳忠なんだけれど、物凄いとげのある話し方で、本当のロバート・パトリックはもっと抑えた喋り方と全然印象が違うし。

それとロバート・パトリックにT-1000っぽい事を結構させているのは笑った。
真顔で正面に向かって全速力で走らせるとかなんて、完全に狙っていたし、最終話ではロバート・パトリックはいない場面ではあったけれど、スキナーが敵に追われてエレベーターに乗り込んで扉が閉まって安全…と思ったら、扉を突き破って手を差し込んで来る所なんて、映画「ターミネーター2」の有名な場面のパロディじゃん。

ジョン・ドゲットの旧友のノエル・ローラー役は「ザ・ラストシップ」のマイク・スラッタリー中佐役でお馴染みアダム・ボールドウィンだったけれど、若い。

ここまで「X-ファイル」見て来たけれど、シーズン6で大して詳しい説明も無いままシンジケートの陰謀を壊滅させたらしく、その後は「X-ファイル」の大きな主軸であった異星人と陰謀話が全然出て来なくなり、最早惰性で引っ張り続けている感じしかしなくなり、見るのを打ち切ろうかと思う位つまんなかった。
何よりもDlifeの週五話を続けるという追い立てられる感じにも見る事が疲れてしまっていたし。
最終シーズンであるシーズン9を何時放送するのかは知らないけれど、義務で見るしかないか…。
 
 
CSI:NY 1

やっぱり「CSI:NY」は、ちゃんとニューヨークと言う土地柄を活かした話や、科学捜査のおもしろさや展開の妙等、推理モノのドラマであり、「CSI」の正統スピンオフで楽しい。

それに「CSI:NY」では現場捜査官がマック・テイラーステラ・ボナセーラの年長組とダニー・メッサーエイデン・バーンの若者組で組んで捜査をする事が多いけれど、どちらも男女コンビでこの関係性もおもしろい。
「CSI」のギル・グリッソムとキャサリン・ウィロウズの愉快な父ちゃん母ちゃんコンビともまた違う都会の男女の親友的なそれぞれの関係性が人間ドラマとして、他のシリーズよりも濃い目に押し出している。
「CSI」では徐々に登場人物達の背景や深い関係性を出して行ったし、「CSI:マイアミ」のホレイショ・ケインは他の部下との普段の付き合いがほとんど描かれず、仕事終わりに皆飲んでいる所にホレイショが現れたら違和感しかなかった位だったし、それを思うと「CSI:NY」はシーズン1から登場人物達も描こうとして、このシリーズの特徴付けをしている感があり、そこも楽しい部分。
ただ、検死官のシェルドン・ホークスはレギュラーなのに他の捜査官との関係がモルグ位しか出て来ず、広がりが無いと思ったのか、最終話で検死官から現場捜査官へと移動願いを出して、シーズン2からは現場捜査官になるというフランチャイズの中でも珍しい移動をする。

16話の「口止め」にニューヨークの刑事役でキム・コーツが出ていたけれど、このキム・コーツって、「CSI:マイアミ」でホレイショ・ケインの元恋人で息子のカイルを生んだジュリア・ウィンストンの仲間ロン・サリス役で度々出ていたし、確か「CSI」のシーズン4の15話「盛者必衰」にも出ていたし、三つのシリーズに別役で出るなんてありなの?同じ世界でのドラマなのに、そこは製作側は気にしないなんだ。

17話「転落」に「エージェント・オブ・シールド」のフィル・コールソン役でお馴染みクラーク・グレッグが検事役で登場。
もっと出て来るのかと思ったら、この一話だけだった。
 
 
CSI:NY 2

続けてシーズン2も放送されたので、続けて見る。

シーズン1は非常におもしろかったし、このまま行くのかと思いきや、シーズン2になると初めから大きくテコ入れをしている。

シェルドン・ホークスはシーズン1の最終話で振りが入っていたとは言え、検死官から現場捜査官になり、エイデン・バーンは2話でマック・テイラーから首を言い渡されて退場。ある程度納得しての首による降板って珍しいよな。
その替わりにリンジー・モンローがやって来る。
リンジー・モンローって、モンタナから来たと言っている様にアメリカの田舎娘感が物凄い。シーズンを重ねる毎にブチャイクになって行っている気がしてならないんだけどなぁ。
それに車椅子のレオナード・ガイルズや、分析官のジェーン・パーソンズ、分析官のチャド等も皆一気に首。
新しい検死官のエヴァンも4話で出て来なくなり、シド・ハマーバックに交代。

ラボも今までのニューヨーク的な古い建物を改築して使っているのから、完全に新しいラボになり、ちょっと「CSI:マイアミ」っぽい感じに変更。
モルグも古いレンガ造りではなく、完全に最新鋭の部屋になっている。
シーズン1の古さの中に新しい機器があるが結構好きだったので、いまいち個性が没した感じの雰囲気にしたのは勿体無い気がした。

ここら辺はシーズン2の序盤で一気に変えて来たな。
なので、「CSI:NY」って、シーズン1が特殊な感じなってしまっている。
 
 
CSI 6

序盤からシーズン5のクエンティン・タランティーノが監督した最終話の「CSI“12時間”の死闘」の悪影響だと思われる、これまでの次々と展開して行くCSIらしらや同時並行に別の事件を描くというCSIらしさが無く、はっきり言ってつまんない。
じっくり描くと言えば良いけれど、間延びしてダラダラとしている印象が強い。
しかし、暫くすると小気味の良い展開と登場人物達も活き活きとして来て、何時もの「CSI」に戻り安心して楽しめた。

6話の「神の子」になってこれまでのラボの分析官ミア・ディッカーソンに替わり、ウェンディ・シムズが登場。
「CSI」の一つの面白さとして、ラボの人達がドンドンと役が立って行くという事があり、このシーズン6でもラボの準レギュラー達の出番が多くなり、良いんだよなぁ。特にこのウェンディが物凄く可愛い。

7・8話の前後編「銃弾のカオス」はシーズン5の最終話「CSI“12時間”の死闘」以来の前後編だけれど、「CSI“12時間”の死闘」の「これ、CSIじゃない感」が一杯で違和感しかなかった事に対する、これまでの本来のドラマ制作班が作った「これが本来のCSI」としての回答の前後編の様な回だった。
派手な銃撃戦があっても、それが一体どうして起こったのか?実際何が行なわれたのか?を証拠収集からの分析で導き出すという、正にこれぞ「CSI」といった展開。しかも、脚本家の手の内で弄ぶ様な猟奇的で全てがご都合主義的な展開でもない、何時も以上に科学捜査を丁寧に見せ、非常に硬くて哀しい話で、見たい「CSI」はこれ。
レギュラー陣の見せ場ももちろんあるし、ラボの準レギュラーの個性も際立たせているし、これまで何度も登場している刑事達も総登場で、群像劇としても抜群に見せていたしなぁ。

謎なのは、前シーズンの最終回からニック・ストークスを中心人物としてその後を描き続けており、これだけニック・ストークスを取り上げているにも関わらず、ニック・ストークスが髪の毛を伸ばし、髭を生やして急に登場しても、その事に関して誰も触れないままだし、髭をやめて元に戻しても誰も触れないって、一体何?ニック・ストークスが意外と誰も注目していないって事なの?

12話の「哀しいライバル」には「X-ファイル」のウォルター・スキナー副長官役でお馴染みミッチ・ピレッジが登場していたけれど、「X-ファイル」で毎回の様に見たし、「ヒューマン・ターゲット」でも見たしでミッチ・ピレッジばかり。

13話「ラストショー」には、あのフェイ・ダナウェイが登場。
フェイ・ダナウェイの登場で、「CSI」なのに見るべき所は科学捜査よりもフェイ・ダナウェイで、フェイ・ダナウェイの為の回。
わたしは映画「華麗なる賭け」とか映画「ネットワーク」とかを見て、好きになったのがフェイ・ダナウェイ。
もうこの時65歳でおばあちゃんになり、かつてのフェイ・ダナウェイとは違ってはいるけれど、フェイ・ダナウェイが登場するだけで「CSI」がフェイ・ダナウェイの為のドラマかの様に思えたし、フェイ・ダナウェイがこの役を演じるだけで多くの説明はいらない理由感あったし、「CSI」の中でも珍しい展開を迎え、更にフェイ・ダナウェイの為に用意した製作スタッフの敬意が見える幕切れだし、フェイ・ダナウェイが活き活きしまくった演技を見せまくり、見ていて非常に楽しく心地良い回だった。

17話の「ウォッチャー」は相当自虐。
CSIの捜査にテレビ番組の撮影班が同行するのだけれど、その中で登場人物達に「科学捜査も紹介しています。」「そういった番組が多過ぎる」とか、「本当は六時間かかる検査も編集で30秒」とか、「ちょっと撮影しただけで刑事の何が分かるんだ!」とか、それって「CSI」でしている事じゃんって事を言わせているんだから、この笑いの取り方は凄いよな。

シーズン6は初めは大丈夫かな?と思ったけれど、回が進む毎にやっぱりおもしろくなった。
ただ、この次のシーズン7辺りから模型殺人という、全然解決しないままで引っ張る割におもしろくない展開を続けたり、レギュラー陣の登場が減り始め、ドンドンと抜けてしまって行くから、このシーズン辺りが頂点になるんだろうか?
 
 
エージェント・オブ・シールド 2

シーズン1終盤でS.H.I.E.L.D.崩壊からフィル・コールソンが長官となりS.H.I.E.L.D.の再建へ…という展開なんだけれど、これがあんまりおもしろくない。と言うか、格段につまらなくなってしまっている。
ただただ、メリンダ・メイ役のミン・ナ・ウェン姉さんのエロさと、髪型が変わったからなのか、シーズン2になり抜群に可愛過ぎるスカイ役のクロエ・ベネットの二人の魅力だけで見てしまっていた。

ずっと、フィル・コールソンの個人的な想いで対ヒドラ作戦と謎の記号解明ばかりで、本気でS.H.I.E.L.D.再建を目指している様に思えないし、これ等の話がグダグダしていておもしろくない。
特に延々と引っ張るレオ・フィッツの後遺症の話がつまんない。

それにS.H.I.E.L.D.の崩壊と再建の都合の良さも白ける要因。
シーズン1の終盤辺りから感じていたけれど、序盤ではS.H.I.E.L.D.という組織は非常に巨大で統制の取れていた組織という描かれ方だったのに、ヒドラがS.H.I.E.L.D.に潜入していたという理由だけでこの巨大組織が簡単に一気に壊滅。
しかも、それまで世界中で活動し、活躍もしていたはずのS.H.I.E.L.D.がこの崩壊で一気に解体され、全く無くなり、どれだけいたかも分からない程の職員達は一切いなくなり、S.H.I.E.L.D.を再建しようとしているのはフィル・コールソンの一味だけという、制作費を莫大にかけられないので一部分でやる事しか出来ないというテレビドラマの限界をまざまざと見せてしまっている様な有様。
情報戦やスパイ戦に相当強かったS.H.I.E.L.D.がヒドラの進攻を全く知らず、巨大で相当な人数がいるS.H.I.E.L.D.を崩壊させるのだから相当な人数のヒドラが潜入していただろうに一切情報が洩れず、それだけ人がいたのに他のS.H.I.E.L.D.の部隊や関係者が一切登場せず、フィル・コールソンの一味だけがS.H.I.E.L.D.の再建に動いているって、相当無理しかない。
一方でフィル・コールソンに知らせず、他にもS.H.I.E.L.D.を再建しようとしている一味も中盤になって出て来るけれど、展開としては遅いし、何でまず話し合いをしないで同じS.H.I.E.L.D.なのにスパイとか送り込んでわざわざ自分達でややこしい状況を作り出しているの?とか思うし。
シーズン1であれだけ大風呂敷を広げておきながら、シーズン2になると突如こじんまりしてしまったのが何とも。

ヒドラの存在が明らかになっているのにも関わらず、何故かアメリカ軍はヒドラよりもS.H.I.E.L.D.が悪者として元S.H.I.E.L.D.のエージェントを探しまくっている様で、全然各国の様々な組織がヒドラ壊滅に向けての作戦を実行している様子は描かれていないし、対ヒドラに関しての行動はS.H.I.E.L.D.もS.H.I.E.L.D.以外も全然ピンと来ず、皆ヒドラは大した脅威じゃないと思っているという事なの?
ヒドラも相当大きな規模の組織らしく、世界中で結構表沙汰にして色んな事をしているにも関わらず、各国政府機関が全然手出しもしていないのって何?
なのに、延々とヒドラは凄い!で引っ張っておきながら、特に前振りも無かったヒドラ上層部を突然出して来たと思ったら、その回で上層部全滅なのでヒドラ壊滅です!…って、この展開酷過ぎるだろ。

今まで世界各国でその国の政府関係組織と協力して活動していたはずのS.H.I.E.L.D.がヒドラの侵入によって壊滅したら、途端にS.H.I.E.L.D.を悪の組織として掃討しようとする意味も分かんない。
例えば、国連やCIAの様な組織にテロリストが潜んでいて、そのテロリストが何か事件を起こしたら、普通は非難されるのはその組織の情報収集能力や管理・警備体制で、その組織が悪の組織だ!って飛躍し過ぎでしょ。

それにもう一つの話の軸である謎の記号の方も、シーズン1で青い異星人らしき遺体が出て来た時点でクリーだと分かっているのに、それを延々と引っ張って中々話が進まない前半が物凄くつまらない。
延々とオベリスクを巡る話で、それが目まぐるしい攻防なら楽しいのに、グダグダと引っ張っているだけ。
で、それだけ引っ張っておいてその結末と言うのが、クリー人が来て全部解説してくれるという引っ張りが身も蓋も無くなってしまうお手軽な展開で、まあ白けた。

そのオベリスクが実は鍵と言う展開も何だかなぁ…ではあるけれど、それによってスカイが覚醒してからもつまんない。
インヒューマンズの話が軸になって行くのだけれど、これまでシーズン1でも謎の超能力を発揮する人物はいた訳だし、スカイが能力を持って悩むって今更感しかない。
ここまでの引っ張りにしても、このドラマがまだ映画「アベンジャーズ」前の話なら、特殊な能力をもった人間がいるのか?で引っ張りも出来たけれど、既に神の様な力を持った種族や宇宙からの侵略まであるマーベル・シネマティック・ユニバースの中で、特殊な能力者や宇宙人がいるのか的な引っ張りでは今更感しか無く、白けまくり。
それにインヒューマンズと言えば、コミックスの印象だとブラックボルトとかの地球のヒーローとそっくりな珍奇なコスチュームの超人という印象だけれど、それまで人間だったレイナが突如ハリネズミみたいな姿になるとか、目の無いゴードンとか、これって最早ミュータントだし、突如発現した能力で悩むとか、これじゃあX-MENじゃんと思ってしまった。
20世紀フォックスがX-MENやミュータント関連の映画化権を持っているので、マーベル・シネマティック・ユニバースの中では特殊能力者を出し難いから、インヒューマンズにミュータントの替わりをさせようという思惑なんだと思う。

それに、シーズン1では正義の組織だったS.H.I.E.L.D.が、シーズン2では悪の組織っぽくなってしまうのも何だか…。
S.H.I.E.L.D.は以前からも特殊な能力を持つ人間や危険な兵器らしき物は全部保管していたけれど、人間であっても危険だから一生閉じ込めておけ!という方針がはっきり出て来て、それって良いの?と思うのに、フィル・コールソン達は賛同しているらしく、その一方でスカイが能力発現すると必死に守るという自分勝手さばかりで、ドンドンと正義の組織として胡散臭い話ばかりになってしまう。
特に全てがニック・フューリーの指示で行なわれ、それが非常に秘密主義で進められ、情報の共有がなされていないので結局それが問題になってしまい、ニック・フューリーの独裁的で酷いやり方も平気なS.H.I.E.L.D.って危険だろ?という描かれ方をして行き、ドンドンとフィル・コールソン側が正しく思えなくなってしまう。
逆にもう一方のS.H.I.E.L.D.復興組の方が真面にしか思えなくなって来るし。

この危ない能力者は閉じ込めて一生出すな!って、コミックスのマーベル世界だと完全にS.H.I.E.L.D.は悪役だよなぁ。
S.H.I.E.L.D.の施設からX-MEN達が能力者を解放して自分達の学園で自由に生活させ、教育して行くだろうし、アベンジャーズも特にキャプテン・アメリカなんてX-MEN達と同じ様に自分達で保護するだろうし、マーベル・シネマティック・ユニバースのニック・フューリーってどう考えても悪役だよなぁ。

あと、つまらなくしているのは登場人物の多さ。
シーズン1ではちゃんとコールソンの部隊として各エージェントに見せ場があり、活躍も見せたけれど、シーズン2になり、ジョン・ギャレットの部隊にいたアントニー・トリプレットがそのまま残り、傭兵のランス・ハンターやその元妻でエージェントのバーバラ・モース、メカニックのアルフォンソ・マック・マッケンジーと新しい仲間が増えた事によって、そこの新人達の事を描く時間が時間が増え、その一方で今までの人達の活躍がほとんど無くなり、特にメリンダ・メイなんて飛行機を操縦している位しか仕事していないという大幅な出演自体の減。

まだ新人達が魅力的なら良いけれど、それもそうではなく、新人全員が皆地味。
ランス・ハンターとバーバラ・モースの元夫婦話なんてどうでもいいつまらなさだし、マック・マッケンジーは機械をあれこれして部隊を救うとかの活躍は無く、レオ・フィッツと駄弁っているだけ。

レオ・フィッツはシーズン1のジェマ・シモンズとのお喋りもうっとおしかったけれど、シーズン1終盤での事件の後遺症でウジウジしまくって、そこから立ち直って活躍するのかと思いきや延々とウジウジと悩み続けて、まあシーズン1よりうっとおしい。

日本語吹き替えの宮下ともみが下手な事もあって、シーズン1から「さっさと死んで二度と出て来るな」と思っている、わたしが嫌いなジェマ・シモンズが出て行ってもう出て来ず、見ないで済むかと思ったらレオ・フィッツの妄想として毎回出て来るし、やっぱり本隊に戻って来るし。

グラント・ウォードの兄弟話も、シーズン1でそれを少し描いてしまったので、その結末を描くためだけに兄を出して、結局「だから何?」しかならない話も本当につまらない。

トリプレットはシーズン1では男性のエージェントが少なかった事もあってそれなりに人物は立っていたのに、シーズン2になり、新加入のランス・ハンターが現場で活躍する様になり、微妙に同じ黒人男性で被るマック・マッケンジーよりも存在感は薄くなり、結果持て余したのか、在庫処理なのかで目立った活躍もないまま、特に意味も無いまま結構強引に退場…って、全く感動もしなかったしなぁ。

こんな事していれば視聴者数も落ちて行くのも当然。
シーズン1ではシーズン・プレミアが1212万人もいたのに、前半で早くも700万人を切り、終盤は500万人台と結構落ちてはいたけれど、シーズン2は更に落ち、シーズン・プレミアでさえ598万人とシーズン1の終盤並み。その後は3話では早くも400万人台まで落ち、その後も450万人以下を行ったり来たり。最低は12話目の380万人まで落ちている。
わたしも段々と適当に見始めて来ているし。

ちなみにシーズン2でのわたしが感じた一番の見せ場は4話目の「仮面の敵」。
メリンダ・メイが物凄い胸元ザックリ、スリットの入ったキラキラなドレスで登場し、その後下着姿に身ぐるみ剥がされ、椅子に縛り付けられて拷問されるって、シーズン1でも水攻めがあったけれど、相当ミン・ナ姉さんファンが製作陣にいるんだろうな。
もっと、こういう場面を頂戴。
それにスカイのこういう場面を頂戴。
 
 
ザ・ラストシップ 2

で、前期では一番おもしろかったのが、「ザ・ラストシップ」のシーズン2。

前シーズンがネイサン・ジェイムス号が陸上に無事な人々を発見し、しかしそこは生き残る人を選別して成り立っていた社会だと知り、それを阻止しようとしていたという物凄く中途半端なクリフハンガーで終わってしまったけれど、そこからの結末となるシーズン始めの2話は登場人物が彼方此方に散らばる群像劇が非常におもしろく、既にワクチンが出来た後でもちゃんとおもしろい始まり。

その後はワクチン配布と世界中でのワクチン製作と非常に気持ち良い流れだけれど、シーズンは続くので当然問題は発生。
実は免疫がある人々は多く生き残っており、その人々の中にキリスト教的選民思想からワクチン配布を阻止し、自分達が支配する世界を目指す一団が現れ、その敵が操る潜水艦対ネイサン・ジェイムス号という映像的にも非常におもしろい戦闘がありと、シーズン序盤からガンガン攻めているのは変わらず。
ちゃんと毎回情報収集の心理戦や情報戦のサスペンスもありながら、派手な銃撃戦や戦艦戦や戦艦からの援護攻撃とか、この緩急の付け方、緊迫と弾ける場面の散りばめ方とかも非常に上手い。

それに不気味で常にネイサン・ジェイムス号の先を行き、ネイサン・ジェイムス号の人々を窮地に追いやる敵という展開も抜群におもしろい上に、新たな登場人物達も物凄く役が立っており、そこも楽しめる。
地味だったネイサン・ジェイムス号の乗組員達がシーズン1で役が立っている所に、新たに乗組員となったオーストラリアから来たウルフ・タイラーや、イスラエル国防軍のラビット・ビヴァスとかは初登場回のその回でちゃんと役を立たせるし、あれだけ頼りなかったジェフリー・ミッチェナーが大統領として立ち上がって行く様なんて、見ていても気持ち良かった。
特に始めは拒否しかしなかった大統領が、トム・チャンドラー艦長に説得され、自分の過去を話し、決意して行く回なんて、今まで目まぐるしく展開させていた中で、ほぼこの二人の会話だけという回にするとか、挑戦的に作ってもいる事に感心。

シーズン1が終わった所で調べてみたら、シーズン2の視聴者数が結構落ちていた事を知って結構不安を感じていたけれど、シーズン2もシーズン1並みにおもしろかったじゃん。
これから他におもしろいドラマを見る事が無ければ、今年一番おもしろかったテレビドラマは間違いなくこの「ザ・ラストシップ」のシーズン2。

シーズン3がアメリカでは既に放送されているけれど、続きが楽しみ。
しかし、シーズン3の視聴者数は更に落ちているみたいなんだよなぁ。そこが心配。

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