ターミネーター4
2011年02月20日 日曜日かつて白黒の映画時代から長い間、三大モンスターと言えば「狼男・ドラキュラ・フランケンシュタインの怪物」だったけれど、1980年代以降の三大モンスターと言えば「エイリアン・プレデター・ターミネーター」だと勝手に思っている、その「ターミネーター4(Terminator Salvation)」を見た。
これはどの続編でも言える事なのだけれど、「ターミネーター」という大看板での続編なのだから続編らしさがふんだんに欲しい所なのだが、結構物足りず。
今までの1・2で「人類が追い詰められ、ガンドリングガンをぶっ放すT-800が闊歩する未来」の印象が強烈に残り、それを期待するのだが、T-800の配備少し前の時期というのがまず盛り下がる所。T-800は出て来るが、その登場場面ではそのまんまの作り物なので笑ってしまったが。
そしてジョン・コナーは、2ではエドワード・ファーロングが演じた線の細い少年から、3ではまるで「スタートレック ディープ・スペース・ナイン」のドクター・ジュリアン・ベシア演じるアレクサンダー・シディグに見えてしまうニック・スタールになってしまい、その3での情けなかったはずのジョンが、4ではまるで別人、実際クリスチャン・ベールに替って一心不乱に戦うかっこ良い指導者になっているのに、今まで振られてきたそこまでの迷いや葛藤も描かれないのでこの変容に乗って行けず。そして、ジョンは主人公であるはずなのにほとんど脇役と言ってもよく、サム・ワーシントン演じるマーカス・ライトを中心に話が展開して行くので、審判の日以後のターミネーター世界を舞台にした外伝っぽさがいっぱい。
確かに、無人バイクやトム・クルーズ版の「宇宙戦争」で見た様な、聞いた様な巨大集人機械等の機械軍団の新兵器のアクション場面は迫力があって良く出来ているし、面白いのだけれど…と思って、監督を見てみると、McG。なるほど、アクションシーンは楽しいけれど、話は…となるか。
何が足りないって、それはやっぱりサラ・コナー。3の時に強く思ったのだけれど、「ターミネーター」は「未来対サラ・コナー」の話だからこそ、おもしろいし、あの「何をしても未来は変わらないのではないか?」という不安があったからこその話のはず。しかし実際にその未来を描くとなると、その不安が全て実現してしまっているので、今までの「ターミネーター」の様に話を作るのも難く、もう少し時間を掛けてモット話を詰めても良かったんじゃあないかと思った未来編だった。