バック・トゥー・ザ・70’s ライフ~ハイテク創成期を体験~

2011年02月19日 土曜日

地球ドラマチック」は毎回海外ドキュメンタリー、それもお堅いモノではなく、もっと科学的なワクワク、映像的なワクワクを押し出したような海外ドキュメンタリー番組を放送していて、時々偶然にチャンネルを合わせて楽しく見る事がある番組。で、今回やはりたまたまつけたら「バック・トゥー・ザ・70’s ライフ ~ハイテク創成期を体験~(原題:ELECTRIC DREAMS)」というBBCのドキュメンタリー番組をしていたのだが、これが非常におもしろかった。

家一軒を丸々1970年代の家具、内装、家電製品で再現して、21世紀の現代の家族に70年代の時代、暮らしを体験してもらうというリアリティ番組。
家の内装は色つきの花柄や幾何学模様が繰り返される壁紙で、冷蔵庫はあるけれど冷凍庫は無し、電子レンジも無し、家庭内の娯楽は白黒テレビ、自動車は何故かサイドミラー無しの当時の自動車、家族六人の服装、髪型はもちろん70年代風と再現に力が入っている。
時期は1969年から始まり、一日を一年として過ごし、その年にイングランドで起こった出来事が起こり、例えばその当時は産業が不安定でストライキが多く、炭鉱労働者のストにより電力供給が不安定で停電が頻繁にあり、夜家族でTV見ていると突然停電になって慌てるとか、日が経つ(年が経つ)とその年に一般家庭に普及しだした電化製品、巨大な冷凍庫、カセットテープデッキ付きレコードプレーヤー、カラーテレビ等が家にやって来、その新たな物への興奮を親は追体験、子供達は初めて体験する。ここら辺は、わたしは世代的にもっとこちらだけれど、ファミコンがやって来たとか、ビデオデッキが来たとかのあのワクワク感が見ていて思い出され、こちらも同じ様に喜び見ていた。
当時の電化製品は、ちゃんと制作スタッフがオリジナルの物を探し出し、修理し、専門家を家に派遣して使い方の指導までする徹底ぶり。
この再現の仕方が徹底していて笑ったのは、父親の仕事場までに70年代を持ち込んだ事。その日は大雪で本来ならばブロードバンドが整った家のパソコンで仕事が出来るのに、70年代人なので必至こいて出勤したらその日は同僚たちは自宅勤務で独りぼっち。しかもコンピューターは70年代のコンピューターCommodore PET 2001でカチカチカチと寂しく仕事をさせられていたのには笑ってしまった。
あと、息子が自転車乗り回して夜遅く帰宅したので両親がお冠で「今日は夕食抜き!自分の部屋に行きなさい!」と言ったには可笑しかった。21世紀人でも70年代人になるとこんな20世紀の家庭ドラマの王道、ベタベタな事を本当にするんだなぁと可笑しくも妙に関心。

初めは家事に一日丸々取られて仕事に出られない母親は文句を言っていたけれど、最後は娯楽が居間のTVしかないので家族が一つに集まり、食事も皆でとれる事に喜び70年代生活を大分気に入るし、子供達も携帯電話で常に行動を知られ、知らさなくてはならない現代よりも自由で楽しいと言うし、親たちは懐かしさ、子供達は今無くなってしまった自由を楽しんでいて意外と70年代は好感触の様。ただ、息子は楽しいと認めつつも「昔に帰りたくない。」と未来志向。クレヨンしんちゃんでも、懐かしに取り込まれる大人よりも、当然物をまだ知らない、懐かしさの無い息子が未来志向だという共通項に変に心を震わせられた。

BBCだからという訳ではないだろうが、この番組は演出や編集やカメラワークが上手く魅せるモノに感じた。題材自体が目新しく、良く出来ているが、家族のインタビュー挿入から次の日への移り変わりの演出でもニヤッとさせられるし、新型機器の説明と導入の仕方もワクワクするものだし、最後の70年代風のセピアまで行かない写真や、8mmっぽい映像は本当に70年代の家族の物と言っても通用するのじゃなかろうか?それ位、歴史番組、科学番組、バラエティー番組としても良く出来ていた番組。

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