ミニミニ大作戦

2015年07月27日 月曜日

F・ゲイリー・グレイ監督、マーク・ウォールバーグ主演の2003年の映画「ミニミニ大作戦(The Italian Job)」。
1969年のイギリス映画「ミニミニ大作戦(The Italian Job)」のリメイク。

ヴェネツィアで金塊を盗み出したチャーリー・クローカー一味だったが、その仲間の一人が裏切り、チャーリー・クローカーが慕っていたジョンを殺して金塊を持ち逃げしてしまった。
一年後、チャーリー・クローカー達は裏切った仲間をアメリカで見つけ出し、ジョンの娘を誘って金塊を奪い返す作戦を計画し始める。

「ミニミニ大作戦」という何とも安っぽい感じがしてしまう邦題でそんなに期待していなかったけれど、結構おもしろい。
始まりの金塊の盗み方がアパートメントの下階の天井をぶち抜いて金庫の床から下に落とすという大胆な方法で、掴みで捕まれ、その後も奪還計画を長く見せるけれど、やっぱり計画はおじゃんになってしまってからの別方法で敵を出し抜く感じまで一気に見せ切る。各登場人物も、6・7人と変に多くしないので一人一人がちゃんと立っているし、編集も小気味良く進んで行くので飽きが来ずに終わりまで行く。
展開としては、掴みの成功した作戦から裏切り者の登場で全てを失い、裏切り者への復讐計画が実行する前に駄目になり、それでも発想で乗り切り、マーク・ウォールバーグとシャーリーズ・セロンが恋に落ちるという非常に王道な展開で、まあ分かり切った大筋ではあるものの、ちゃんと説明場面を含みながらも派手な見せ場が沢山あって、ベタさを感じさせない。

それでも、地下鉄のトンネルから地上の道路までぶち抜いていたけれど、数十mもの地層を爆破出来る爆薬って物凄い量じゃないの?それに、その距離を正確に四角くトラック一台分だけくり抜くなんて無理でしょ?要は、始めに金庫でやった事の大掛かりな繰り返しをしかっただけだろうけれど無理あり過ぎとか、ミニクーパー三台で逃走するのだから追手の目くらましの為に三台とも同じ色にして三方向に別れて逃げた方がいいんじゃないの?とか、その中の一台をヘリコプターで追い駆けていたけれど、どうやって止めるつもりだったの?とか、終盤になって急に展開が荒い感じはあった。

それに、元々の1969年の「ミニミニ大作戦」は見た事ないけれど、粗筋を読んでみると基本的にはイタリアが舞台だから原題の「The Italian Job」だし、ミニが活躍するから「ミニミニ大作戦」なんだろうけれど、このリメイクでは「The Italian Job」なのは初めの掴み場面だけだし、「ミニミニ大作戦」と言う割にミニが活躍するのは最後の少しだけなので、題名が微妙と言うよりは1969年の「ミニミニ大作戦」のリメイク映画としては最早別モノなんだろうと思う。ほとんどが「アメリカで復讐の為に金塊を奪還」だったし。何も知らずに見ても、題名的にも導入からしても、ヨーロッパでミニをすっ飛ばして如何に追手を巻くかのカーチェイス映画かと思っていたし。

軽い感じの怪盗映画だけれど、出ている役者は色んな方向性を見せる人達が連ねる。マーク・ウォールバーグ、シャーリーズ・セロン、エドワード・ノートンジェイソン・ステイサムドナルド・サザーランド等。
始めの展開で「誰かが裏切るんだろうな」と思っていて、それがドナルド・サザーランドだと思っていたのに違ったので結構意外だった。まあ、ドナルド・サザーランドは早い段階であっさり退場してしまうので、ゲスト扱い的な良くある配役かぁ…と納得。
あと意外だったのが、ジェイソン・ステイサムって、てっきり格闘要員としての配役かと思ったのに全く格闘せず、自動車の運転が上手いというだけだったのが意外。映画「トランスポーター」のセルフ・パロディ的な配役なのかしらん?

この映画、邦題から期待をせず見てみると怪盗映画としては中々おもしろかったし、編集や展開の流れも良い。娯楽作としては十分に及第点。
この映画の監督F・ゲイリー・グレイって、映画「交渉人」の監督だった人か。確かに「交渉人」も次々と流れる様に展開して飽きさせなかったし、各人物がちゃんと立ってたしで、この人娯楽アクション映画上手い。

☆☆☆★★

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