交渉人

2012年01月22日 日曜日

サミュエル・L・ジャクソンケビン・スペイシーが共演した映画「交渉人(The Negotiator)」。

これ何回か見たけれど、毎回引き込まれて、興奮と爽快感の津波でやっぱりおもしろい。
構図として、今までの仲間は誰も信用出来ず、顔見知りの仲間内だからこそきつく、追い込まれた有能な交渉人と、面と向かう相手は敵でも仲間でも無い、無関係なもう一方の交渉人というのが、非常に上手い関係性で話をおもしろくしている。この二人の会話と行動は、何処までが本気なのか、それとも事件を探る為の、解放の為の作戦なのかが混沌としていて、一言、一行動に目が離せない。二人の演技はもちろんだけれど、どちらも我が我がにならずに話を見せる登場人物の一人として柱になっている。また、主人公二人以外の登場人物も、見せ場もそれぞれにちゃんとあり、気を配られ役が立ちまくり。最終的な幕引きも、撃って終りのアクション映画とは違う一捻り、二捻りありで、納得の所で収まる。
交渉のイロハを上手い事話の展開、人物の描写の為に組み入れたり、交渉術そのモノの魅せっぷりもそうだけれど、その交渉でどう人物の関係性が変わって行くのかを見せる脚本が上手い。論理的に考えて分かるのでサミュエル・L・ジャクソンに協力する部分と、感情的な不信感が入り交ざる人々がどう動くかのおもしろさもある。
サミュエル・L・ジャクソンが追い詰められるのは、警察署の中で主要人物にラテン系はいるけれど黒人は彼一人だけだからもあったり、黙るのは男性で、話してしまうのが女性という構図もあるのが興味深い。

サミュエル・L・ジャクソンとケビン・スペイシーの脇は、CSIのジム・ブラス(こちらも刑事)でお馴染みポール・ギルフォイル24で見かけたネスター・セラーノデヴィッド・モースロン・リフキンジョン・スペンサー等見かけた顔が並び、固めている。

この映画は交渉のおもしろさと、脚本の構成の上手さががっちりはまり、良く出来ているなと感心してしまう。なかなかこういった良く出来た映画って作るの難しいと思うが、監督のF・ゲイリー・グレイや脚本家達がこれ以降、それ程ぱっとしていないのは勿体ない気もするし、そうなのかとも思う所。

この映画邦題が「交渉人」で、原題が「The Negotiator」なので結構ややこしい。エディ・マーフィ主演の「ネゴシエーター」と言う原題が「Metro」で全然邦題と違う映画もあるし、クソ日本映画史上に残るであろう駄作な「交渉人 真下正義」に何故かこんな映画に英題「NEGOTIATOR」まであって、ややこしい。

☆☆☆☆☆

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