ショウタイム

2012年01月21日 土曜日

ロバート・デ・ニーロエディ・マーフィ共演の映画「ショウタイム(Showtime)」。

テレビの密着番組でベテラン刑事とその相棒に無理やりなった警官を追うという形で、白人と黒人のバディモノを作り物と現実の差でパロディにしているのだけれど、完全コメディでとにかく笑かそうとまで行かず、話もこれまで散々あった、犯罪集団との戦い、撃ち合いになるので、結局刑事の王道モノになってしまっていて、つまらなくはないけれどそんなにおもしろくはない。刑事ドラマ・映画の「そんな事は現実にはない!そんな奴いねえ!」という所をパロディにしているのだけれど、それをエディ・マーフィが乗り乗りでするので、今まで見た様なエディ・マーフィの刑事モノと大差ないと思わせる気になって来て、パロディとしては中途半端、コメディ刑事映画の域を出ていない。
デ・ニーロは真面目な堅物で、マーフィは調子乗りの陽気で向こう見ずな、どちらも良く見るいつものコメディの形で、密着番組でなく普通の刑事モノでも変わりはしない様な人物設定。二人の関係も、初めは嫌っているけれど別れてみると友情を感じるという、まあ予想を裏切らない、在り来たりな関係。
「俺は刑事で役者じゃない。」とデニーロに言わせたり、役者に憧れる警官役という、警察役がやたら多い気がするエディ・マーフィの配役だったり、デ・ニーロの演技に対して「酷い演技。」とウィリアム・シャトナーに言わせてみたり、現実をパロディ、特にエディ・マーフィやウィリアム・シャトナーにとったら悪い冗談、酷い冗談の部分はおもしろいけれど、それ以外の部分は大して…。この映画で一番おもしろいのは、新型の手持ちマシンガンで家を撃ちまくったら、ドリフターズのコントみたいに家がバラバラと崩壊して行く場面。

王道、ベタをパロディ化しているはずなのに、結局はその王道な映画になっていて、勢いは良いのに普通なコメディ刑事映画に落ち着いてしまった感が強い映画。

違和感があるのはそのまんまのエディ・マーフィ。声が下條アトムか、山ちゃんこと山寺宏一じゃあないと何か違和感があって、見ていても「これはエディ・マーフィじゃあないのかもしれない…。」とまで思って来てしまう。

☆☆★★★

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