パーソン・オブ・インタレスト

2015年01月06日 火曜日

BSフジで新たに始まった「パーソン・オブ・インタレスト」を見てみた。
アメリカでは2011年からCBSで開始したドラマで、現在シーズン4が放送中。

ジョン・リースは戦争から戻ったが自分を戒める様に浮浪者として生きていた。そこへ謎の男ハロルド・フィンチが現れ、自分はこれから起こる犯罪の情報を持っており、被害者か加害者になるのかは分からないがその人物が関係する事件を止める事が出来るので協力して欲しいと頼まれる。怪し過ぎるのでジョン・リースは突っぱねるが、基本的に良い人であったジョン・リースはハロルド・フィンチに協力してたった二人でこれから起こる事件を阻止しようとする。

内容を全く知らずに、ただ「LOST」でベンジャミン・ライナスを演じていたマイケル・エマーソンが主役級で出ているので見てみたのだけれど、話の内容が起こる事が事前に分かっている犯罪予知という題材なので「超能力系?」と思っていたら、マイケル・エマーソン演じるハロルド・フィンチは天才プログラマーで、9.11後のテロリストの動向監視の為ニューヨーク中にある監視カメラを使い犯罪を予知する「マシン」というプログラムを作り出したが、あくまで対象はテロリストであり、その中で関係無いと弾かれてしまう普通の市民が犯罪に巻き込まれる情報があり、それを見捨てらないハロルド・フィンチがジョン・リースと共に、「マシン」から送られて来る社会保障番号からその人が被害者なのか、加害者なのか分からないまま犯罪を未然に防ごうとする話で、ある程度納得出来る設定とは言え、このプログラムが結構魔法なので乗り切れない。プログラムが全ての人の動向を監視し犯罪傾向を分析するとは言っているけれど、プログラムが何を見て、どうやって犯罪に関係しそうかしないかを判断するのかの判断基準が一切出て来ないので、説明不足過ぎでほぼ魔法や超能力と変わらず、やりたい事が先行し過ぎていて設定がお座なり過ぎて白ける。この「マシン」の訳の分からなさは「マイノリティ・リポート」のプレコグと変わりはしないじゃん。まだ予知能力者の方が「そういうモノ」として世界に組み込んでいるフィクションとして納得出来るけれど、一週間以内にその人物が必ず犯罪に巻き込まれるって言われても、それの理由の提示が「マシンがそう弾き出した」からではすっとは納得出来ないでしょ。「これこう、こういった情報があって、犯罪に関係する確率が高い」というならまだ分かるけれど、そこら辺がすっ飛ばされるので話の導入からしてつまづいてしまった。
それに犯罪予知の情報を受け取ってからの捜査もつまらない。ジョン・リースは帰還兵だと分かるけれど、物凄く情報収集が上手く、簡単に相手の詳しい情報を手に入れるけれど、その入手方法はこのドラマ世界の万能魔法「携帯電話のペアリング」で盗聴するか、脅した刑事に関係する調書を持って来てもらう以外出て来ず、これも展開を早める為にすっ飛ばしている感じがして物足りなさ過ぎる。
一方のハロルド・フィンチは天才プログラマーだからとは言うけれど、こちらも物凄く簡単に情報を収集し、それをどうやって集めているのかは見せない。ハロルド・フィンチは「マシン」というプログラムを作ったプログラマーだと思ったら、事件捜査に関する情報を集める能力が高過ぎなハッカー?で、人物設定も便利過ぎ。何でも簡単に情報を持って来るのに、そういう欲しい情報を集めるプログラムを作って半自動的に入手しているのか、自分で一々ハッキングしているのかも分からない。そもそもパソコンいじってハッキングしている様子されほぼ出て来ない。マウスを動かしたり、キーボードを叩く姿さえほぼ無く、モニタ上の字を読んでいるばかり。ここら辺の演出も酷い手抜き。ここら辺の手間を見せないと、見ていても都合の良過ぎる脚本、面倒臭い所を省いて話の展開を優先してしまっている脚本にしか思えず、話のおもしろみが無い。
更に助けられる相手も、行き成り現れたジョン・リースの「今、目の前にある危機と、俺の素性、どっちが重要なんだ!」であっさりジョン・リースを信じてしまう。ここら辺のやり取りをもっと深くしないと登場人物が単なる脚本上の時間の都合のコマにしか思えず、やっぱり都合の良い脚本でしかない。

主役ジョン・リースを演じるジム・カヴィーゼルのこのドラマの容姿って、白髪頭に背広を軽く着た感じが物凄くジョージ・クルーニーっぽい。
そう言えば、今期はハロルド・フィンチの元共同経営者ネイサン・イングラム役のブレット・カレンをやたらと見た。これを始め、「アンダー・ザ・ドーム」の主人公バービー・バーバラの父親役や、「ホワイトカラー」でピーター・バークが左遷された保管庫の上司役で登場していて、週に三回見たりとやたらブレット・カレン。

このドラマ、全てが話を早く進める為に「コンピューター」という魔法でお手軽に情報を集められ、元CIA工作員なので簡単に相手から情報を取集出来てしまう部分がどうにもつまらなくしてしまっている感じがして駄目だった。同じくインターネットやら監視カメラに簡単に接続して情報を引き出す「インテリジェンス」もそこの脚本の為に簡単に済ましてしまう部分がつまらなくしていたけれど、これもそこが駄目だった。SF、特にほぼ現実に近い技術だと、そこで「ん?」と引っ掛かるともう駄目。結構早い段階からおもしろさを感じられず適当に見てしまい、結局中盤の12・13話辺りまで見て、丁度年末年始の特別編成で休みの週が出て来たので、そこで見るのを止めてしまった。
 
 
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