幽幻道士2

2012年10月27日 土曜日

前作のヒットを受けて1年後の1987年に作られた「幽幻道士2(哈囉殭屍)」。

話は前作からの直接の続編で、前回の終りの師匠のキョンシーを運んでいる所から話は始まる。で、前作と同じく、師匠のキョンシーとの対決になって来る。何かわざわざ続編で同じ事を繰り返している感じで、もっと別の展開でもいいじゃないかとは思う。
行き成り映画の始まりからナレーションでキョンシーの説明を延々とし、まるで漫画で、今回も子供向けだけれど、あんまりしょうもない感じで笑わす訳でもなく、前作よりは暗い雰囲気で大人向けになっている。ただ、直接的続編の割に登場人物をより展開させるという事も無く、子供達も前作では哀しい背景を見せていたのに、今回はワチャワチャしているだけだし、活躍するのはチビクロとスイカ頭位で、他の二人、デッパとチビトラは台詞さえほとんど無いしで、折角前作で作り上げた登場人物達を活かす感じでもない。
多分、前回の道士の無駄に動きが多い儀式や攻撃が受けたのか、今回はそこをやたらと見せる部分が増えていて、キョンシーモノとしては新たな展開をさせている。ただ、空中に浮いたり、遠く離れた場所に攻撃出来る謎の遠隔格闘とか、見た目ばかり優先して意味不明な事は多いけれど。それに気になるのは、キョンシーの設定が微妙に前作とは異なっている事。今までは動く死者で、お札を取れば凶暴になったけれど、今回は生き血を吸い、吸われて殺された相手もキョンシーにと、何で吸血鬼を足したのかさっぱり不明な付け足し。
あと何でか分からないけれど、音楽が結構プログレ風味。そこはノリノリ。

出ている人達も前作に引き続き登場。あのタフガイこと矢野・兵動兵動大樹そっくりの警察署長も、前作で死亡した兄ではなく、弟として登場。ただ子供達は、チビクロは別人になってしまっているけれど。
テンテンは前作で人気が出たからか、途中で特に意味の無いテンテンのお遊戯場面が結構長く取られている。この場面「何じゃこりゃ?」で、子供でさえ見て何て思うのだろうか?

これが酷いのは元のフィルムからのTV放送ではなく、過去の4:3のテレビサイズに横を切り取ったビデオで放送している事。

話としては前作の方がまだそれなりに筋があったのに、今回は前作の師匠のキョンシーとの対決部分の焼き直しで、キョンシーモノアクションとしてはこちらの方が良いのかもしれないけれど、映画的にはいまいち。前作は子供向けキョンシーコメディアクションとして、したい事が明確でまとまってはいたけれど、今回は前の設定を引き継いで更に良いとこ取りをしようとし色々詰め込んで、結局何がしたいのか分からずまとまりがない感じ。子供向けから中途半端な大人向けになり、その分しょうもない映画になってしまっている感じもで、いまいち感は強い。でも、最後のスイカ頭の、本当は爆竹だけれどダイナマイト巻いて子供が自爆特攻で終劇は、シリーズ一番の見所かもしれない。

☆☆★★★
 
 
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