シャドウズ・ゲート

2014年08月01日 金曜日

チャド・アーチボルド監督・脚本、ライアン・バレット主演の2010年のカナダ映画「シャドウズ・ゲート(NEVERLOST)」。2010年のカナダのファンタジア映画祭で観客賞を受賞。

不眠症に悩むジョシュは医者に診てもらい、開発中の睡眠薬をもらう。その薬を飲んでも眠れないジョシュは薬を多く飲むと過去に結婚するつもりだったが死んでしまった女性と結婚生活を送っている自分を見る事に気付く。苦しく、意味を見出せない現実とはかけ離れた幸せな生活を選ぼうとし、多くの薬を飲み始める。

つまらない映画の一要素として「主人公の思いや考えをナレーションで説明台詞として全部語ってしまう」というのがあるけれど、この映画なんか正にそうで、始めから主人公がカメラ目線で自分の思っている事を普通に喋るという演出で始まり、「こりゃ駄目かな…。」と思った通り、90分しかない映画なのに終始まったりと盛り上がりが無いまま。初めの独白も、序盤はやたらと一人で喋りまくっていたのに、中盤以降その独白が全く出て来なくなるという酷い構成。
それに画面に奥行きが無いと言うか、表面的な映像だけしか作っていないと言うか、見えている部分でさえ安い感じがするのも微妙。学生が作った自主映画的な映像の質感や雰囲気。割れた少量のガラスの上に手をついただけで手のひらがグッチャグチャになったりとか、何じゃそりゃな所あるし。
それに音楽の演出も、その場面での如何にもな分かり易い感じの音楽の演出だったり、全然流れと合っていなかったりで、日本のテレビドラマの様な安っぽさ。この監督チャド・アーチボルドは、どうやらミュージック・ビデオ畑の人らしい。
話も、惨めな現実と理想の頭の中という対比は分かるけれど、それの為の持って行き方や展開が酷い。そもそも、通常は一錠の所、二錠飲んだだけで妄想の世界に行ってしまう様な薬が何で町の薬局で買えてしまうのかとか、スーパーで出会った男が突然やって来たりとか、最後の実は身近な人間関係のゴタゴタだったとか、どっちが本当の現実で妄想なのかでもどちらも都合の良い監督の妄想が強過ぎ、もう少し脚本詰めた方がいいんじゃないかしら。あと、エンド・クレジット後の一番最後の一場面は余りにあざと過ぎてげんなりした。

主演のライアン・バレットは、現在の丸坊主顔と過去の髪の毛がある顔とでは別人に見えてしまい、フラッシュバックになると一瞬戸惑ってしまう。演技の差と言えば聞こえはいいけれど、ライアン・バレットの地味さ、印象に残らなさの方かも。

それとこの邦題は一体何?「NEVERLOST」なら最終的に全然「NEVER LOST」じゃないじゃんと突っ込めるけれど、「シャドウズ・ゲート」だと全く意味不明。「シャドウズ・ゲート」というと、何故かクソゲー扱いされているけれど、あのファミコンの名作アドベンチャーゲーム「シャドウゲイト」を思い浮かべてしまう。もちろん「シャドウゲイト」とも全く関連する事も無いし。最近の邦題を付ける映画会社やソフト販売会社がクソだというのが、また…。

この映画、二つの現実?妄想?を描いているのに、全然動きに乏しく、最後ドタバタと話が展開し、結局最後まで捕まれず仕舞い。こんな話だとハリウッドが再映画化しそうだれど、演出や映像がもっとキビキビしてそっちの方がおもしろくなる様な気がする。

☆★★★★

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