今期のドラマはニキータ 2 Lostは終わったけれど…
2014年07月13日 日曜日今期のテレビドラマで見続けていたのは、
CSI:科学捜査班 3
CSI:マイアミ 1・6
ホームランド 2
ニキータ 2
Lost 6
で、「CSI:マイアミ」は地上波で放送されていたのを見ていたけれど、Dlifeでシーズン1から始まり、シーズン1から見た事がなかったので見てみた。
CSI 3
このシーズンから同時期に「CSI:マイアミ」が始まり、フランチャイズの大元としてやっぱりおもしろい。
子供の殺害、小人症等、日本のドラマだと色々言われる事自体を避けて、まずやらないネタをちゃんと一つの事件として扱い、事件の証拠の収集方法や扱い方に関して裁判でそれをどう証言するか、裁判で使えるかまでを描いてもいて、非常に真面目ではあるけれど推理ドラマとして娯楽もしていて凄い。毎週これだけの番組を放送する、放送出来る制作側のネタ集めに驚嘆。
それに三年目ともなり、今までとは少し変わった事も試してみようとする気概も見える。何時もは全員一丸となって一つの事件を捜査したり、複数の事件を同時に捜査したりするけれど、男性のみで女性レギュラー陣が一切出て来ない回があったり、会議に行っていたとかで中盤から急に出て来たりする人がいる回もあり、別にレギュラー陣が死んでしまうとかの意外性は無い分、これがマンネリ化を防いでいるし、変則的な分楽しい。
このシリーズでデヴィッド・ホッジスが初登場。わたしは中盤以降でしか知らなかったけれど、ホッジスと言えば偏屈な冗談を言っている様な人という印象だけれど、初登場は「尊大な態度でロサンゼルスから追い出された」と言っていた様に、自信家過ぎて態度がデカい嫌な奴で、現在とはちょっと違う感じ。シリーズが長い分各人物の成長があるんだなぁ。
また、アーチーが実は「スタートレック」マニアという話が出て来たけれど、シーズン9の20話「宇宙船CSI」がほとんど「スタートレック」のパロディだったけれど、その時はホッジスが「スタートレック」マニアで話が進んでたのに、アーチーはどうだったけ?
CSI:マイアミ 1
Dlifeは放送での字幕関係がクソだけれど、番組編成は物凄く分かっていて、「CSI」のシーズン2で「ベガス~マイアミ 合同捜査」でマイアミのCSIの面々が登場し、Dlifeでの「CSI」のシーズン2が終わった後にアメリカの放送と同じく「CSI:マイアミ」のシーズン1の放送を開始して、見やすいし楽しい編成。ここら辺はBSだから出来る編成。地上波だと、CSIシリーズは放送しているけれど、「このシリーズのシーズンが終わったから別シリーズの次のシーズン」とか飛び飛びの放送で、それこそ「CSI:マイアミ」のシーズン6はシーズン5から三年以上経ってからの放送だし…。
「ベガス~マイアミ 合同捜査」で現在と同じホレイショ・ケインが指揮して他の捜査官が証拠の収集と分析を行うという形になっていたけれど、実際のレギュラー放送になると少々変化があった。全然見た事無い顔のメーガン・ドナーが戻って来たという第一話で、「CSI」ではギル・グリッソムとキャサリン・ウィロウズがお互いを理解し合いながら若手を指導もしたりという関係性だったのが、「CSI:マイアミ」ではホレイショ・ケインとメーガン・ドナーが結構言い合いながら捜査を進めるという「CSI」とは違う対立構造になっている。「CSI:マイアミ」後期になるとホレイショ・ケインが常に正しく、まだ事件がよく分かっていない状況でも彼が脅す相手は常に悪人という事ばかりでつまらないけれど、この初めの頃のホレイショ・ケインは自分の感情が先走り間違ってしまう事もあり、それを叱ったりなだめたりするメーガン・ドナーって結構重要な位置にある。そんな重要人物だったのにメーガン・ドナーは10話まで普通に出ていたけれど、11話目で突然の降板。登場すらなく辞表だけでの降板って酷い。どうやらメーガン・ドナー役のキム・デラニーとデヴィッド・カルーソと上手く行かなかったらしいけれど、それにしてもな扱い。確かに初めはホレイショ・ケインとメーガン・ドナーは喧嘩もするけれどパートナー的な同列の立場での描かれ方だったのに、徐々にメーガン・ドナーの出演が減って行き、最後の方は初動捜査に立ち会わず、番組が暫く進んでから忘れた頃にラボだけに登場してホレイショ・ケインと同じ画面に映る事がなかったりとか、10話なんか二場面位にしか登場せず、そのはみご感が凄かった。あからさまな排除感がちょっと怖かった。デヴィッド・カルーソが主役を演じていてシーズン2の数話で辞めてしまった「NYPDブルー」のその何話か後にキム・デラニーが入り、長年レギュラーを続けていたりと、この二人の因縁は何だろうな?
で、ホレイショ・ケインの完全支配下になると徐々にシリーズ後期の、「自分は指示だけしてラボで検証はほぼせず、尋問で無表情で脅して証言を引き出すホレイショ無双」が始まり出している。ただ、この頃はホレイショ・ケインもラボで証拠分析を行い、みんなで会議して犯人に近づいて行くという科学捜査をしていてやっぱりおもしろい。後期になると、ホレイショ・ケインが「お前はあれやれ。」の捜査の指揮と容疑者の尋問ばかりでラボで分析する事もほぼ無く科学捜査は部下に任せきりで、話的にもちょっと証拠が出ると関連する人物を読んで話を聞くの繰り返しておもしろさが無いし。
一話からして、飛行機墜落。そこに風力で進むボートに乗って颯爽と現れるホレイショ・ケインと派手さを演出。一話目もホレイショ・ケインがサングラスをかけて、何か一言しゃべってザ・フーの「Won’t Get Fooled Again」の「♪イェ~~イ!」はしっかりあるし。
それにホレイショ・ケインが結構ニコッと笑ったり、冗談も言ったりしていたのには驚いた。だって後期のホレイショ・ケインはカッコ付けばっかりだし。
CSI:マイアミ 6
CSIシリーズは2007年から2008年に書けてのシーズンがおもしろくない。「CSI」もシーズン8が「あれ?CSIって、こんなにつまらなかったっけ…?」と思える位低調で、この「CSI:マイアミ」もシーズン6がつまらなかった。この時期って見事に「全米脚本家組合ストライキ」で、そういう事なのかと納得。
一応CSIなんだから、科学捜査で証拠集めて裁判まで持って行くのが基本なのに、ちょっとした証拠が出たらホレイショ・ケインの尋問で話が展開して行くという展開ばかりで、正直おもしろくない。ホレイショが疑った相手は必ず何かを隠しているし、ホレイショは間違えないしで、徐々に事実を暴き出す感じが無く、推理ドラマとしての楽しみがない。
それにCSIなので余りに都合の良過ぎる嘘っぽい技術だったり、SF的になると白けてしまうけれど、このシーズンからラボのコンピューターが無線でパソコン内のデータを読み取れたり、モニタは背景が透けて見えて、OSなのか壁紙なのか分からないけれど、モニタ上に常に何かの幾何学模様が動き回っていて、そのモニタで証拠を見聞するのに見難いったらありゃしない。変に見映えの効果が先行し過ぎて、嘘っぽくなってしまっている。ラボも黄色や緑の光で照らし過ぎていて、ここ何処だよ。
シーズンを通しての話としてはホレイショの家族の話に急になり、実は息子がいた…という、まあポッと湧いて出た話が重要になってはいるけれど、毎度毎度解決せずに先延ばしだし、息子は何がしたいのか、何を思っているのか分かり辛く、ホレイショ役のデヴィッド・カルーソは何時もの演技なので息子と対面しても表情の変化がなく、何を思っているのか分かり難いしで、この話もあんまりおもしろくない。
アレックス・ウッズが急に辞めて行ったけれど、理由が「家族との時間」って、これまで彼女の家族との関係性が少ししか出てこなかっただけに取って付けた理由にしか感じられない。それに何時も犯罪現場に綺麗な格好で来て、検死の時も高いヒールの靴履いて検死しているし、どうにも母親らしく見えないし。アレックスの最終回なんだから検死官としての活躍が見たいのに、検死官としての活躍がほとんどないまま、急に母親の面ばかりを出して来て何だかいまいちな最後。
最終話前にアレックス・ウッズがいなくなって暫くは検死官がおらず、検死の無い話で進んでいたのに、最終話で新しい検死官が登場して、その彼女がレギュラーになるのか…と思っていたら、登場から1分もしない内に殺されてしまい、おもしろい展開だし、その意外性にちょっと笑ってしまった。
で、この最終話の最後でホレイショが撃たれて倒れてどうなるか…の次シーズンへ引っ張るクリフハンガーなんだけれど、ホレイショが死亡で次シーズンが続いて行く事なんてある訳ないのに、こんな見え透いた引っ張りなんて必要だったのかしら?本当に最後まで出来が悪かった。
ホームランド 2
シーズン1が中々話が進まず、話もつまらなく退屈して、見終わって結局ニコラス・ブロディ側は何も変わらないままという肩透かしで終わって、シーズン2は見るべきがどうかな…?の所だったのだけれど、結果見てみた。
キャリー・マティソンは病気の治療でCIAを離れたにも関わらず再び呼び戻される事になり、ニコラス・ブロディがテロリストだという事も結構早い段階で分かってしまい、その分かった後のニコラス・ブロディがCIAに協力する展開となって、シーズン1のニコラス・ブロディがテロリストなのかどうかで引っ張りまくる展開を捨てた事によって相当おもしろくなっていた。
1話目から中東での情報収集と現場の作戦行動はスパイ映画顔負けのワクワク感があるし、それからあっさりとニコラス・ブロディがテロリストと判明し逮捕までの急展開、その後のニコラス・ブロディがCIAに協力するも本当に協力しているのかがまだはっきりしない捜査は非常におもしろい。ただ、シーズン1であれだけ引っ張って引っ張って、結局何も何も変わらなかった事を考えると、次々と敵が味方になったりの展開の方向性をガラッと変え過ぎ。変えたのはシーズン1のつまらなさの反省なんだろうか?
それに終盤に来て、アブ・ナジールの問題もあっさり解決したかに見え、副大統領とCIAの過去を突き止めたソール・ベレンソンの話が大きく取り上げて、この話が次のシーズンの序盤の主題になるのか?と思っていたら、最終話で文字通りに吹っ飛ばしてしまい、わざわざ出さなくてもよかったのでは?と思える扱い。このシーズン2の最終話、全体的に「ホームランド」お得意の間延びする展開で進んでいたのに、今までから急展開して違う方向性を出して来たのも微妙。
一方で、ブロディ家の話になるとやっぱり間延びしつまらない。CIA側の展開が早いだけに、特に何かを見せずダラダラ続く展開がうっとおしい。シーズン1では息子との関係性でブロディの変化を見せていたけれど、シーズン2になってからは娘との関係性に絞って見せ始め、シーズン1のダラダラした展開よりまだましだけれど、息子から娘への急な方向転換にはやっぱり「あれっ?」とは思う。しかも、この娘の話、色々と描く割りにそれがニコラス・ブロディの方へと繋がっても大した展開を見せず、最後の方はもうどうでもいい過去の話で捨て去るんだったら時間の水増しの為の一出来事を引っ張り過ぎだし。
それにどうもニコラス・ブロディに身が入らないまま。テロリストに洗脳されたという事はあるにはあるけれど、全ての人に対して嘘をついて本心が見えず、浮気をよくするし、自分の妻や子供がいるのに敵だったテロリストの息子の為に何で自爆テロまでしようとしているのかが分かり難い。ニコラス・ブロディ役のダミアン・ルイスの中空を見つめて放心的な上の空な目線や表情の演技もあって、何を思っているのか分からない感じで、ニコラス・ブロディを見ても思うのは「こいつクソ野郎だな…」となってしまい、どうしても悪役にしか見えず、「がんばれ!」には一切ならないので、制作側の意図と見ているわたしの方向性が乖離している感がある。結局キャリー・マティソンが彼に振り回されて問題と不幸しか訪れない話だし。
つまらなかったシーズン1を我慢して見た分だけシーズン2は展開も早く、CIAの対テロリストモノとしては結構おもしろくなっているけれど、シーズン1と比べてしまうとシーズン2の展開の急激な変化や話自体の舵きりには違和感はあって、シーズン1の反省点を即座に修正して来た好印象はあるけれど、だったら逆にシーズン1は何だったんだ?という疑問も大きい。
で、シーズン2もやっぱり12話で終わり、十分このシーズンの12話で終わりでいいのに、最終話で行き成りの次シーズンに向けての急展開で、このドラマは話は結構間延びするけれど、色んなモノを途中でポイッと捨てるし、強引に展開を変えるので、真剣な雰囲気でまとまったシリーズにしている感はあるけれど、非常に娯楽的に舵を切るし、結構散漫なドラマ。
シーズン1が終わった時にも思ったけれど、最終話見終わると「次のシーズン見るのどうしようかな?」という気持ちは強くなる。でも、多分次シーズンもみるんだろうけれど。
ニキータ 2
今期ではCSIのシリーズ3と並んでおもしろかったのがこの「ニキータ」のシーズン2。
シーズン1の序盤が「ディヴィジョン内部に潜入したアレックスが、外にいるニキータに情報を伝えてディヴィジョンの作戦を阻止する」という一話完結型に近い流れだったので、「このままで大丈夫?」と思っていたら、中盤以降はアレックスが仲間を犠牲にしたり、徐々に怪しまれて疑われたり、エージェントになり外に出て行ったり、彼女の過去が出て来てアレックス中心の話になり、「ニキータ」よりも「アレックス」になっていた。一方のニキータの方もディヴィジョン阻止の話も中々おもしろくなり、やっぱりシーズンまたぎのニキータと別れたアレックスが再びディヴィジョンと手を組むという展開で、結構期待高めのシーズン2。
ニキータをかばっていたマイケルはやっぱりニキータとくっ付き、何でかバーコフまでニキータ側に付いてしまい仲間の増強。パーシーはシーズン1の後半で出て来たディヴィジョンを作った政界の大物達のオーバーサイトに楯突いたので拘束され、ディヴィジョンはアマンダが支配する事になり、シーズン1から見事に今までのレギュラー陣で綺麗に配置換えしただけなんだけれど、その関係性の変化で話を展開させるので中々おもしろい。以前のテレビドラマの展開ならシーズン2も、シーズン1の様に毎回ニキータがアレックスと協力して敵の作戦を阻止するのを一話で描くのだろうけれど、シーズン2ではオーバーサイトとディヴィジョンの関係や、囚われたけれど策を練っている様なパーシーとアマンダの関係。ニキータの元を離れたアレックスとニキータの関係。アレックスの復讐相手のロシアの大企業ゼトロフと、その配下の秘密組織ゴーゴリとディヴィジョンの敵対。マイケルの隠し子騒動で揺れるニキータ等々、各登場人物と各組織の関係性で話を続けて行くので、シーズン1の分かり易い展開よりもよりも複雑化しておもしろくなっている。各話も連続していて、常にニキータが中心にあるという訳でもなくなり、色んな事が色んな場所で起こる目まぐるしい展開にしたのも良い。その分、アメリカにいたはずなのに次の場面では直ぐにロシアにいたり、イギリスの話が出て来たり、見ていてそのすっ飛ばしに「ん?」となる部分はあるけれど。
それにシーズン1で登場して「この回だけの人物なんだろうなぁ」と思っていた元ガーディアンのオーウェンや元CIAのライアン・フレッチャーや、敵方のゴーゴリのアリ・タサロフやセルゲイ・セマクが重要人物となり、準レギュラーとして活躍するのも楽しい。レギュラーが行き成り死んで退場というのはよくあって意外性や緊張感が出るけれど、ゲストが準レギュラーになったり、ほぼレギュラー化して行くのは徐々に楽しくなって行き、それが好き。
ただバーコフの転身は何かしっくり来ない。「天才ハッカー」という設定を免罪符にコンピューターで全てを簡単に何でもしてしまう都合の良さもあるけれど、悪い奴は上の方で、今まで無実の人の人殺しの手伝いをしていた現場の人間は本当は良い人というのがすんなり納得出来ない。マイケルみたいに何らかの理由があれば納得もする所なのに。
それにパーシーが透明な檻に幽閉されてハンニバル・レクターみたいな人物と舞台になってしまったのは笑ってしまった。やり過ぎ。
シーズン1の序盤辺りから方向性が変わって一気におもしろくなったシーズン2。ただシーズン4まであるから、ここからどうするのだろう…という不安はある。
Lost 6
シーズン1からネタを振るだけ振っての不安もあったし、シーズン2で全然進まないので一旦見るのを止めてしまい、再びシーズン1から見始めた「Lost」だけれど、この最終シーズンで駄作と化してしまった…。
シーズン5はSF展開で、これまでの謎の部分を一気に見せ始めたけれど、シーズン6は一転、死んだはずのジョン・ロックが生きていて別人らしい、死人が生き返る池、さっき死んだジェイコブが頻繁に現れる、過去が見える灯台の鏡等、非常にファンタジー染みたガジェットが増え、「あれっ?」感が徐々に膨れ上がって行く。更に最終シーズンだからまとめにかかると思いきや、新しいジェイコブの対立の話を持ち出して風呂敷を広げ始めて「ダイジョブ?」な雰囲気が一杯。
「Lost」は謎で引っ張り、それがおもしろさの一要素であり、これまではその謎の理由を小出しにしながらも、また謎を呼んでおもしろかったのに、このシーズンでは謎が徐々に明らかになって行くとみるみるつまんなくなってしまった。決してネタばらしする事が悪い訳ではなく、これまでも死んだ人々が目の前に現れる事はよくあったけれど、それが島の異常な電磁気によって影響された登場人物達の幻影や、自分が見たいと思った自分の想いの現れなのか、それとも時空間が歪んでの出現なのか、それとも本当に幽霊なのかとかがはっきりせず、見る方が考える様な仕掛けが良かったのに、死んだはずのジョン・ロックはジェイコブの兄弟の変身だったり、以前に登場した死んだのに現れた人もジェイコブの兄弟が変身していたり、あの煙の化け物も機械音や鎖の様な音がするから誰かが作った機械だと思ったらジェイコブの兄弟の変身。年を取らないリチャード・アルパートはタイムトラベルが出て来たからそれに関係して年を取らないのかと思ったらジェイコブに触られたからとか、もうどれもこれもジェイコブのファンタジーに持って行って理由を付けてしまってがっかり。それまでSF的なある程度合理的な説明をしていたのが、最終シーズンになって行き成り強引な弩ファンタジーにしてしまい、これまでの流れはぶち壊しだわ、今までの感じではまとめ切れないから放棄してしまい、制作側として安易過ぎるファンタジーで何とか継ぎ接ぎしてまとめた感じが一杯で、脚本の駄目さが急に爆発。
結局何の意味があったのか、出す必要性も無かったとしか思えないテンプルの一連の話とか、今まで見せて来たダーマや他の者達の対立、そこに島を狙うチャールズ・ウィドモア達の対立とかをすべて放棄した展開ともかも、グダグダ過ぎる。
ヒューゴがジェイコブの事を「オビ=ワン・ケノービみたいに、好きな時に現れる」と言っていたけれど、言い得て妙。今までは死んだ人はヒューゴがだけが見えていたのに、何時の間にか誰にでも見えるし、ジェイコブに限らず他の事物や現象も、結局制作者側の出したい時に出しているだけ、あさりちゃんじゃないけれど「理由も理屈もいらない子」にしてしまったので、もうどうでもよくなってしまった。
それに今までの登場人物達の活躍よりも別の新たな話に割く時間が多くなってしまったのも脚本の駄目さを隠し切れない。今までは各登場人物達の白黒つかない行動に対する反応や関係性も見せる大事な要素だったはずが、その対立や融和の重要な軸だったジョン・ロックがもうジョン・ロックではない時点で、ジャック・シェパードとの関係性の意味はなくなるし、終始ジェイコブ兄弟の兄弟喧嘩に巻き込まれているのでこれまでの様な各登場人物達の微妙な関係性も見せないのでつまらない。
何で今で話を引っ張って来た登場人物達を脇役扱いにしてまでジェイコブの話を広げたのかが分からない。このジェイコブと彼の兄弟の話も分かり易い善悪二元論というつまらないモノで、曖昧さが売りだった「LOST」でこれで最終シーズンかと思うとしょうもなさが倍増。
各登場人物達の行動も最終シーズンになってからは変で、これまでは「これは、一体何なんだ!」という疑問に対して、誰も答えを持ち合わせていなかったり、ベンジャミン・ライナスの様にあえて話を逸らして答えない事が多く、その答えを求めようとしていたのに、このシーズンは答えを知っている相手が目の前にいるのに、誰もが深く答えを追求せずに、曖昧な答えらしきモノをすんなり受け入れてしまう場面が多く、見ている方は「?」が多くて置いてけ堀感が強い。
更にレギュラーの登場人物でも行き成り死亡したかと思ったら突然生き返ったり、突然生き返ったと思ったら特に何も見せる事なく死亡したり、死にそうな感じで引っ張っておいて結局特に何も無くそのまま死んでしまったり、人物の盛り上げがグッダグダ。物凄く場当たり的な退場にしか見えない。それまで全ての黒幕で全てを操っていたベンジャミン・ライナスは完全に小者の脇役に落ちていらない子状態だし、意味も無く死んだと思ったら何故か生き返り、それも意味不明のまま悪役に落ちてしまうサイード・ジャラーとかの扱いは酷く、シリーズの中でも登場人物の生き死には特にこのシーズンが酷い。
これまでのフラッシュバック、フラッシュフォワード、未来のフラッシュバックとシーズンが進むにつれ、主の時間外の話が複雑になって行ったけれど、今回はもしもの平行世界のフラッシュバックと更にややこしい事に。…と思っていたら、これが実はのミスリードで、そこはおもしろい部分ではあった。ただ、これを使って上手くまとめた感じにはしているけれど、他の色んな事を投げっ放しにしてしまったので、この路線に持って行った為にその他の部分がグダグダになってしまい、これが駄目になった原因でもあると思うとこれだけに集中し過ぎて後は知らんぷり感ばかり。
真田広之が「Lost」に出てたと聞いたけれど、これか。真田広之が原語でも日本語で話しているので、日本語吹き替えで見ていると皆日本語で話しているのに通じていないという訳が分からない事になっている。しかし、真田広之が主になるテンプルでの話って全く必要無い話に思え、何の為にテンプルを出して、何で真田広之が必要だったかは有耶無耶だし、見終わると「真田広之って出てたよね…」という程どうでもいい印象しか残っていない。
「LOST」はシーズン5までは「どうなるの?」で楽しく見られたのに、よりにもよってまとめるはずの最終シーズンで新展開を見せてしまい、それが今までの流れとは違う完全なファンタジーで、もうどうでもよくなって来る。更にSFやミステリーを放棄してしまい宗教に行ってしまったので、見ている方の疑問は無視し、登場人物達が勝手に納得し、理由を聞く事よりも信じる事が大事になって、ミステリードラマとしては終わってしまった。この最終シーズンが出来が酷いので、折角おもしろかった「LOST」も台無し。この最終シーズンのせいで「LOST」は駄作になってしまった。