Deadlight

2014年05月17日 土曜日

以前、たまたま体験版を見つけたのでしてみたら結構おもしろく、その後セールで安くなっていて「買おうか…どうか…」で悩み、「多分、もっと割引されるセールもあるはず」と買わず仕舞いだったら、Xbox Live ゴールドメンバーシップなら毎月二作のゲームが無料でもらえる「Games with Goldで、2014年4月の後半の無料ゲームだったXbox Live アーケードのゲーム「Deadlight」を終えたので御紹介。

話的には、何かによって引き起こされたバイオハザードによって感染すると凶暴な「影」になってしまう1980年代のアメリカ。妻と娘とはぐれたランダル・ウェインは、途中で出会った人々と共に家族が逃げているであろう軍のセーフポイントへ向かっていた…というモノ。
場所はシアトルだけれど、妻と娘を探して都市にやって来た主人公だったり、謎のバイオハザードで人々がゾンビ化するけれど「ゾンビ」とは呼ばず、独自に「ウォーカー」ならぬ「影」と呼んだりとか、どうにも「ザ・ウォーキング・デッド」に影響を受けまくったと思える設定や展開。実際、各面の途中途中に挟まれるドラマ部分は紙芝居の様に画の連続で見せるモーション・コミックスで、「ザ・ウォーキング・デッド」を意識したんだろうなぁ。でも、このモーション・コミックス自体は中々良い。

ゲーム自体は、ゲーム内の年代よりも少し後に出て来た「プリンス・オブ・ペルシャ」や「アウターワールド」等の罠を回避しながら進んで行く、横スクロールアクションアドベンチャー。それらに倣い、必死に段差を越えたり、必死に飛び越えたり、一発即死の罠だったりと懐かしい感じもあるし、3Dで表現されているので現代的でもある。
そして、このゲームの一番の特徴であるのが奥行。主人公は縦横しか移動しないけれど、影達は画面奥から何時の間にかワラワラと湧いてき、迫って来る。奥に見える町並みや、そこで起こっている事にも見ているこちら側の想いの奥行きが出て来て、この演出は中々良いけれど逆に仇にもなってしまっている。

 
 
deadlight.png
©Tequila works
 
 

画像を見てもらえればよく分かるだろうけれど、ゲームでは主人公は縦横しか移動しないので、奥には広々とした空間があるのに何故そこを通らず、何でわざわざ影達が溢れ、迫って来る場所に突っ込むのか?という疑問になってしまう。画面の上の様な道が途切れている場合も、普通なら奥の方へ回ってから先に進むのに、この主人公は手すりに詰まって反対側へ飛び付いたり、街中でも奥の道や路地に行かず建物の中を飛び付いて回って先に進む。それに奥に行く様な扉が彼方此方にあるけれど特に入れる訳でもないし、左右にも行けそうな場所があっても行けなかったりして、奥行きを活かした謎解きも多くなく、進行もほぼ一本道で迷う事もない。ゲームとしてのアクション部分でしかないけれど、奥行きを持たせた事によって、逆に奥に行けない事への不満が大きくなってしまうのは結構痛い。

それともう一つの問題は、長さが短い事。わたしは、初見ではまず回避出来ない罠にはまって何度も死んでしまい、何度もやり直しながら進むと言うこのゲームの指針通りに進めても、三つの章全部を終えても四時間弱で終えてしまった。何とも短い。話的には、始めから行き成り主人公と数人がすでに行動していて、彼らと別れる所から始まる結構急な導入だったり、最後もどうなるの?で振ったままで終わってしまう所があるのに短いってどうなのよ?一方で、第二章のラットマンの地下下水道の部分は第一章と最終章と雰囲気が違い過ぎて水増し感はあるし。だったら、主人公と仲間が出会う部分や、都市での出来事とかをもっと描いた方が良いんじゃないの?と思ってしまった。主人公の日記を読んでいると、自分しか信じられず、とにかく家族が優先される様な人物の感じなのに、何で途中で出会った仲間に執着するのかがいまいちピンと来なかったし。
ただ話自体は「ザ・ウォーキング・デッド」以上に鬱々としていて救いは無く、引き込まれる。途中途中の主人公の記憶を思い出す演出とかも良いじゃん。

このゲーム、アクションゲームとしては奥行きで特徴を出して長所となっているのに、逆に欠点にもなってしまったりと不満の残る部分はあるし、ミニゲームとしてゲーム内で発見したゲームウォッチを遊べたりもするけれど、それでもこの全体の短さで1543円という値段は、購入の結構高い障害になっていると思う。だから、「Games with Gold」様様。

« | »

Trackback URL

Leave a Reply