自然の中に奇跡はあるか – ヴ・ア・メゼンツェフ

2008年08月20日 水曜日

科学解説書的な本は途中で置いてもまた読めるので読もうと思い、ヴ・ア・メゼンツェフ「自然の中に奇跡はあるか(現代教養文庫)」を読んだ。
科学解説書だと思って読んでいた。

前半は、「隕石」、「プラズマ」、「雷」、「風で巻き上げられた物」など、空中での一風変わった自然現象の紹介、それもあまり耳にしない、ロシア、東欧の事例の紹介、そしてその現象の解説なのだが「昔の人々はそれをこう思っていました。」と単に紹介するのではなく、いちいちの事例に対して「それは迷信だ!迷信はバカげている」の一言があり、その妙な優位性が気にかかる。
なぜかと思ったら、原書の初版が1956年で著者のウラジミール・アンドレーヴッチ・メゼンツェフはソビエトの人。
まさにソビエト連邦の真っ只中の本なのだ。
この「迷信を信ずる人を馬鹿にする」のもなるほど。
ちゃんと後半には宗教、信仰批判も出てくるし。
しかし、後半の「テレパシー」に言及した部分になると、急に肯定的になり腰砕け。
「テレパシーを裏付ける確実な事実」と言われてもなぁ…。
これも、ソ連が超能力を真剣に研究していたという話を知れば、それに従って書かれているのだとは納得。
そう見ていくと、これは単なる科学解説書ではなくソ連の科学啓蒙書、ソ連啓蒙書で、歴史を垣間見るという部分ではおもしろい本ではある。
しかし、科学知識という部分では現在の一般知識の確認ぐらいと、ロシアの過去の言われ、迷信ばなしを知る位でしかない。
まあ、「ソ連はそういう方向に持って行っていたのか」と読む本になってしまっている本。

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