グリマーマン

2013年12月07日 土曜日

スティーヴン・セガール主演の1996年の映画「グリマーマン(The Glimmer Man)」。
最近のスティーヴン・セガール主演映画は、やたらと「沈黙の~」と付くけれど、初期の頃は原題そのままの邦題だったのね。

新しく赴任して来た刑事スティーヴン・セガールが連続猟奇殺人事件を追いかける。

スティーヴン・セガールの何時ものアクションモノだけれど、彼はこの署では新入りで、黒人の相棒がいるバディ・ムービー。それに、この時期流行った連続猟奇殺人、サイコサスペンスを織り込んだ、もう時代の寵児な映画。しかし、ロシアや宗教等色んな事を詰めている割に、見終わればそれらは彩りでしかなく、サイコサスペンスもサイコサスペンス風で特にそこに踏み込む訳でもなく、話はどんどんちんまくなり、結局「スティーヴン・セガール映画」としか思わない映画でしかない。
スティーヴン・セガールは東洋思想を前面に押し出し、過去は謎が多く、情報を得るのはとにかく相手を痛めつける等、これ以降で良く見る、と言うかこんな感じの人物以外は演じていないんじゃないかと思える典型的なスティーヴン・セガールの映画。
それに、やっぱりスティーヴン・セガール映画なのは、何か意味有り気に出て来る事物が何かに繋がる伏線でもないとか、雰囲気はあるのに中身が無いとかが結構ある事。途中、相棒が「カサブランカ」の映画を見ると泣いてしまうというのが何度か出て来るけれど、これが何かのフリかと思いきや、全く関係ない。わざわざ出して来る意味がよく分からない。それに何がかすかな光「Glimmer」の男なのか、題名の意味が分からない。

スティーヴン・セガールのアクションは激しく手を動かすけれど、体の動き自体はそんなに無い何時もの体力消耗アクション。ただ最近だと蹴りさえ少なくなっているけれど、これでは結構キックする。ただ、そのアクションも初っ端から現実味は無い。人質犯に突撃し、諸共窓を突き破り、5m以上離れた隣の建物の窓から突き破って入り助かるとか、相手が彼方此方に投げられ、自分は全然傷付かないとか。まあ、自分は全然傷付かないのは毎度の事なんだけれど。
おもしろかった場面は、スティーヴン・セガールが自動車の後部座席で、前座席の敵を銃の握り手部分でボコボコ殴り続ける場面。子供の喧嘩みたいけれど、相手は血だらけで重症。最近の映画では、こういう無茶苦茶なアクションさえ見せないからなぁ。

24」のテイラー大統領の首席補佐官イーサン・ケニンを演じていたボブ・ガントンや、ブライアン・コックスが脇にいるけれど、やっぱり目立つのはスティーヴン・セガール。

スティーヴン・セガール主演のサイコサスペンス風味で、どっちもマイノリティなバディモノと、1990年代半ばだらかこそ作られた映画。そして何より凄いのは、色んな要素を導入してもセガール・ムービーになってしまう、それ以上でもそれ以下でもない、スティーヴン・セガールの強烈過ぎる個性。

☆☆★★★

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