てぃだかんかん

2013年11月28日 木曜日

ナインティナイン岡村隆史主演の2010年の映画「てぃだかんかん~海とサンゴと小さな奇跡~」。

世界で初めて人工的な養殖サンゴの移植と産卵に成功した金城浩二の活動を、家族や仲間の思いを絡めながら描く。

わたしは十年以上毎週欠かさずに「ナインティナインのオールナイトニッポン」を聞いている、所謂ヘビーリスナーで、ラジオで話していた映画だからみたけれど、この映画を見切るのはきつかった。もう、ほとんど駄目な所ばかり。
先ず、岡村隆史以外の人物の描かれ方が少ない。妻である松雪泰子とは幼馴染で、名古屋に行った彼女を追い駆けて沖縄に戻って来て結婚するという所から始まるけれど、そこらへんの二人の関係は詳しくない台詞での説明だけで、どうして松雪泰子がそんなに彼に尽くすのかもはっきりせず、岡村隆史も彼女に対してほっぽりぱなしで、夫婦の愛情を描くにも何かしらの行動や表現があってもいいのにそんな描写も無く、記号的な夫婦の愛情だというモノが存在しているだけ。二人の関係性を描かないので、そういうモノだ!という取ってはめ込んだ感しかない。
岡村隆史を手伝う仲間も幼い時からの友人の様だけど、皆20代後半から30代前半位の年齢に見える中、一人40代のおっさん岡村隆史がいるのが不自然過ぎて、特に説明も無いので関係性が訳分からない。あと、岡村隆史の母親役が原田美枝子なんだけど、岡村隆史と実年齢12歳しか違わないのに親子って相当無理があり、どう見ても親子には見えない。その無理から、始めの結婚報告の場面では原田美枝子は松雪泰子の母親と思っていたのに思いっ切り岡村隆史を殴っていて、その関係性が訳分からず、その時点から置いてけ堀。それに岡村隆史は父親がいない母子家庭の様で、それが後からの何かの話にフリが入っているのかと思ったら何でもないし、岡村隆史一家の中に一人中学生位の女の子が突然いて「この人どういう関係?」と見ていてずっと悩まされ、結局それも分からず仕舞い。どうやら岡村隆史の妹らしいんだけれど、だったら40代と中学生の兄弟って家族関係を深読みしてしまう所だし、全然出て来ない父親はやっぱり不自然だし。これに限らず、映画自体は非常に説明的映画なのに説明不足の部分が多い。漁業組合の國村隼も、岡村隆史の説明に全く無関心だったのに、次に登場したら急に心変わりしており、彼を助けたりして、そこの心情の変化も描かれずで全体が物凄いお座なりな脚本。
この國村隼は、愛人に子供産ませたり、漁業組合の人間を暴力振るって自分の言う事を聞かせたりする無茶苦茶な人間で、それ以外の人もサンゴ養殖の調子が良かったり、儲けになれば岡村隆史に気に入られる様に接し、他から文句言われたり調子が良くなくなると分かりやすく手のひらを返し罵倒したりする人が沢山出て来て、これを見ると沖縄の人の印象が悪くなるだけ。何でこんな酷い人物描写しかしなんだろうか?
何より酷いのは音楽の演出。「ここは面白い場面ですよ!」と主張したい所は軽い感じの音楽、「ここは感動すべき場面ですよ!」と主張したい所は感動を盛り上げるよりも、映像を喰ってしまう位主張の強い音楽とか、まるで安いテレビドラマを見ているかのよう。そう思ったらこの映画の監督李闘士男はテレビのバラエティ出身なのか。だからの安っぽい演出。

主演の岡村さんは、やっぱり無理がある。東京来てもずっと大阪弁で、最近のラジオの喋りも大阪のおっさん的な感じなのに、急に沖縄の抑揚で喋っても違和感。時々大阪弁が出てしまうのはしょうがないにしても、役柄も加えて喋りを聞いていると「裸の大将」の山下清みたい。岡村さんは沖縄好き、スキューバ好きというのはあるけれど、何でこの役に配役されたのだろうか?慣れない方言もあるし、演技が物凄い窮屈そう。

この映画、久々に見続けるのがしんどく、何度も「止めようかな?」と思ってしまう酷い映画だった。サンゴの養殖と夫婦の愛情を見せるには描きが足りな過ぎる人間関係と説明。分かりやすいと言うよりは、やり過ぎて不自然なコントかと思える様な人々の反応。見ていて、聞いていてへどをつく様な演出過多の音楽の演出。テレビで2時間の特別ドラマでも、「まあ、見ない…」位の作品で、「沖縄の海の映像が綺麗」が免罪符になる訳でもない。
何よりこの映画が、岡村隆史の休養に繋がり、「99がこのまま終わってしまうんじゃあ…」という危惧の原因の一つだと思うと、その意味でも見れない映画。

★★★★★

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