シャーロック・ホームズの冒険 - アーサー・コナン・ドイル

2008年07月04日 金曜日

小説を読むと言ってもSFばかりなので、たまには推理小説をという事で、しかし「最新作!!」という煽りに興味は向かず、読むならば過去の有名どころという事で、アーサー・コナン・ドイルの短編集「シャーロック・ホームズの冒険」
(The Adventures of Sherlock Holmes)を読んだ。

推理小説というと「殺人事件の調査、犯人の推理」との先入観があったが、この短編集には直接の殺人事件の調査は一つ、二つ程しかなく、後はしょもない犯罪や、男女のごたごたがほとんど。
また犯人逮捕しない、出来ない事もしばしば。
そういう所では、いかにも殺人事件の推理小説ではなく、先入観の向きを違えるのには非常に良い短編集だった。
だが、ほとんどの話は結末が見えやすい。
ちゃんと前段階できちんと振りを提示しているのはさすがだと思うのだが、特に「まだらの紐」なんて題名からしてそのまま。
その謎解きや、意外な結末ではあまり楽しめない様な。
それとこの当時、19世紀末頃のイングランドの景色や風俗は、TVドラマや映画で見たような何となくの知識しかないし、興味もそれ程無いので思い描くのが非常に難しい。
産業革命の頃で汽車は走っているが、タイツやらマントの人が出てくるので、何だか仮装行列都市を想像してしまう。

にしても、これを読んでなぜシャーロック・ホームズが今でも人気なのか良く分からず。
人の話に答えない、友達振り回す、相手を気づかわずにずけずけ物言う、薬物中毒者等々見受けられ、ヒーローと言うより、賢いかも知れんが近くにいたら何だが煙たがられる人としか思えず、これだけの知名度や人気が不思議。

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