サブウェイ

2013年10月04日 金曜日

リュック・ベッソン製作・製作総指揮・監督・脚本、クリストファー・ランバート主演の1985年の映画「サブウェイ(Subway)」。

男達から逃げるタキシード姿のクリストファー・ランバート。彼は地下鉄の駅で女性に何かの書類を返す替わりに金を要求する。何が起こっているのか分からないまま地下鉄構内だけで、クリストファー・ランバートとイザベル・アジャーニの話が淡々と進む。

一番いけなかったのは、見る前にリュック・ベッソンの映画二作目だという情報を知ってしまってから見てしまった事。それを知らなければ、「結構退屈な映画だけれど地下鉄の駅構内で進む話で一風変わっているなぁ…。」という感じだけだと思うけれど、リュック・ベッソンの映画と知ってしまうと、「だから、つまらないのか。」と全てを悪く取ってしまう、いけない偏見。
話は一から全てを説明する訳ではなく、徐々に小出して分かる様な構成で、やたらと一つ一つに間を取り思わせ振りな感じで場面を見せ、全体的に雰囲気があるのだけれど、結果見終わると、いや見終わらずとも途中で気付くのは中身がスカッスカな事。リュック・ベッソンの監督映画二作目だけれど、現在でも彼の映画の特徴的な、映像的な雰囲気はあるけれど話はどうしようもなくつまらなく、雰囲気だけの張りぼて感ばかりな感じがすでにあってしまう。まだ初期なので流石に突っ込みばかりなどうしようもない脚本でもないけれど、特に中身は無い。
説明的に話が進む訳では無く、自動車を飛ばす、地下鉄構内の誰もいない道をただ歩くとか、特に意味も無い場面を音楽に乗せて延々見せ続けるという場面が多く、見ていても眠たくなって来る。当時は先進的な洒落た映画だったかもしれないが、今見ると映像的には中々良いのに音楽が如何にも1980年っぽいダサさで、物凄く微妙な感じになってしまっている。
この映画の映像、特に地下鉄の裏側の配管やら配線が伸びていたり、変な形をした通路や出入口とかを見ていると、アドベンチャーゲームにしたらおもしろそうと思ってしまった。逆に言えば、話や演出が邪魔に思えてしまったとも言えるのだけど。

こういう映画って、内容が無くとも見入れさせれば勝ちなんだけれど、終始「だから何?」しか思わず、「だから何?」のまま終わってしまうとただ中身の無いつまらない映画になってしまう。リュック・ベッソン後年の下手に話を作ろうとして辻褄が崩壊しグダグダになってしまう様な事はないけれど、こういった「洒落てるでしょ!」感が前面に出て、それだけしかない映画って全く引っ掛からない。

☆★★★★

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