三人の名付け親

2012年11月27日 火曜日

ジョン・フォード監督、ジョン・ウェイン主演の1948年の西部劇映画「三人の名付け親(3 Godfathers)」。

ジョン・ウェイン率いる三人組が町での銀行強盗に失敗し、保安官達に追い駆け回される事になり砂漠に逃げ込む。その途中で偶然出会った死にかけの妊婦から赤子を託され、赤子を守りながら逃げ続ける。

この題名にもなっている名付け親になるのは中盤からで、それまでは三人の逃亡劇だけれど、特に何かの見せ場や起伏のある展開も無く退屈。前半は追い詰められた男達の悲壮感を出しているのに、赤子がお供にしてからは赤子の面倒を上手く見れない不器用なおっさん達の可笑しさを前に出して来て、急にコメディ色が強くなり、映画の雰囲気が不均衡。
内容的に宗教要素も入れるけれど、それが聖書を読んで何かを得るとか、祈って死んで行くとか、非常に上っ面で表現していて、大した事は無い。

いまいち分かり難いのは、主役の三人。銃を撃って人殺しも構わないというならず者だけれど、赤子の面倒を丁寧に見るし、結構宗教を信じているし、この西部開拓時代の犯罪者の感覚や価値感がピンと来ず、この中途半端な何を指針に生きているのか分からない人物達にどうも身が入って行かない。

興味深いのは、枯れた様に見える水場は少し掘れば水が出て来るのに、何にも知らない素人がダイナマイトで爆破し、水が溜まる岩盤まで爆破したとの推理場面。日本じゃあ、まあ役に立たない水場の知識だけれど、成程と関心。

ずっと後ろで音楽が鳴っていて喧しい。しかも音が結構大きく、声や銃声と被るので耳障りで仕方無い。

赤子を抱いて逃げる話にしてはそれまでが遅過ぎるし、赤子との逃避行も退屈な割りにあっさり仲間が死んで行くしで、全編まったり、退屈な展開でどうにも面白味が無い。色んな西部劇があっての毛色の違うこの映画があるという位置付けはそれなりに分かるけれど、この映画だけで見ても大しておもしろくない。

☆★★★★

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