マッケンナの黄金

2012年11月26日 月曜日

ヘック・アレンの小説が原作、グレゴリー・ペック主演の1969年の映画「マッケンナの黄金(Mackenna’s Gold)」。

アパッチ族が守る谷に黄金が隠されているという伝説を信じ、かつては黄金を探し求めていた保安官が偶然にその黄金への地図を手に入れ焼き捨ててしまった事により、黄金を狙う無法者に捕まり、そこに町の人が合流したり、騎兵隊やアパッチ族が追っかけて来たりと、多くの人々が入り乱れての黄金への道となる。

設定としては黄金目当ての人物ばかりなので出し抜き合いの群像劇を期待するけれど、基本的には黄金なんて無いと思っているグレゴリー・ペックと、黄金の事だけのオマル・シャリーフの対立で、それも大した騙し合いや駆け引き等には発展しないので結構まったり進む。彼らの元に黄金話を聞きかじった町の人々がやって来、その人達は本当に黄金が欲しいだけの至って普通な人達ばかりで、更にまったりになった思いきや、彼等の背景や人物紹介したのにすぐさま意味も無くほぼ全員が撃ち殺され、何がしたいのかさっぱり分からない展開。終盤に来て、行き成りの恋愛展開や、謎解き的冒険モノになったり、ドタバタする割りに長い二人の殴り合いとか、訳も分からず崩壊する谷場面が長々と続いたりと、この散漫さと粗さよ。
初っ端からこの時代の映画なのでオープニング・クレジットが長いのに、更にハゲタカの歌が始まり、その後に伝説の説明台詞が続き、またハゲタカの歌という、掴みなのに引っ張り回し、退屈する構成で行き成り疲れる。

不思議なのは実際の荒野で撮影しているのに、別カットになると同じ人物達なのに突然背景が合成になっている事。撮り忘れって事か?それにグレゴリー・ペック達の元に、新たな一団が現れた時も、新たな一団は外での撮影なのに、片やグレゴリー・ペックはセットでの撮影で、映像の質の違うカットの切り替えで物凄い違和感。この今まで実際の外での撮影なのにカットが変わると室内セットという粗い作りの場面が何か所もあり、急に安っぽくなる。
それに、突然の状況説明のナレーションが入り、これが特に必要も無い説明なのでここでも安っぽさが出て来る。後半になるとこのナレーションが多くなるのも、変な演出。

話は苦難の道と言いたいが為だけに急に出て来て急に退場する人々が必要も無いのに登場して来たり、本当に黄金への道のりだけの展開で全然おもしろくはないし、粗い脚本と撮影と編集で非常にしょっぱく、退屈する映画。

☆★★★★

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