スティーヴン・キング 骨の袋

2012年08月25日 土曜日

大抵のスティーヴン・キング原作のテレビドラマは、頭に「スティーヴン・キングの~」と付くけれど、これもそうな「スティーヴン・キング 骨の袋(STEPHEN KING’S BAG OF BONES)」。
これはピアース・ブロスナン主演で、A&E Networkで2011年に前後編で放送されたミニシリーズのTVドラマ。

妻を亡くした作家が、新たな本を書く為に片田舎の湖畔の別荘へと向かう。そこで奇妙な事が起こり始め、妻の死やその町の因縁が徐々に見えて来る。

スティーヴン・キングの小説は「シャイニング」や「ミザリー」を代表に、主人公が作家というのが多いが、これもそう。そして、霊的な物とか、小さな町の隠された秘密とか、まさにスティーヴン・キングのお馴染みの題材。
そしてそして、地味な話が映像化された時には大抵ダラッとして締まりが無い感じになる様に、これも前半特に何も無く、妻を想うピアース・ブロスナンの日常がダラダラと続き、思わせ振りなカットや場面が入るのだけれど、怖さや何が起こるかのワクワク感は大して盛り上がらず、非常に退屈。一応後半への繋ぎとして思わせ振りに前篇が終わるけれど、それも後篇では何かに発展、展開とは行かないままのクリフハンガーの為のクリフハンガーでしかない。主題としてはダークスコア湖の呪いの話が出始め、それが子供を溺死させるって、何だか「13日の金曜日」染みているけれど、それも後篇になっても大した展開も見せず、ダラッと終わって行く。話も至って在り来たりな真実と結末を見せ、今更な話をわざわざ前後編で二時間弱もかけてしている感じ。

不思議なのは、時々完全に方向性がぶれて、怖さを盛り上げずに笑いを盛り上げてしまう場面がある。それまで悩んで重い雰囲気で来ていたはずなのに、パソコンに向かって文章を書こうとする時、急に軽快な音楽がかかりコメディ調になったり、爽やかな音楽に乗せて走るピアース・ブロスナンとか、笑わせようとしているのか真面目なつもりなのか分からない演出をやって来る。女性の裸体みたいな木にピアース・ブロスナンがうっとりとか、看板倒れて自動車大爆発とか、スタッフでレコードを水切り石の様に投げたりでは笑ってしまったし。また、連続して何度も悪夢を見るというのは、脅かしの演出としては非常に今更感が漂う。もう二十年近くも前の、ジャリズムの「何度起きても夢」のコントを思い出した。

ピアース・ブロスナンはもう58歳で、ジェームズ・ボンドの時と比べるとおじいさん。髪の毛を染めず、白髪交じりなので特にそう思える。最近でも結構大きな映画にも出ているのに、こういったテレビドラマにも出るんだと。仕事を選ばない方針なのか、それとも選んでられないのか…。このドラマの内容だと、別にあえて出ていますと言う感じも無いし。
それに彼の驚く演技が、驚く程下手。ジェームズ・ボンドの時はそんなに思わなかったけれど、これまであんまり普通のおっさんを演じていたのを見た事無いからか、何か普通の演技がいまいちしっくり来ない。

スティーヴン・キングの小説の映像化、特にTV用に数話で二時間以上の尺のモノになると、大抵間延びしまくって退屈。このドラマも大抵白昼夢染みた、ちょっとおどろおどろしい事が起きると、その後暫くはピアース・ブロスナンの憂鬱な日常が続くという事の繰り返しばかりで、もうちょっと構成工夫したらどうなんだと。これだとテレビでの放送で見ても、後日、後篇見ようと時間にチャンネル回そうとは思わないだろう。
ホラーとしても全然怖くもないし、浸みこんで来る様な嫌さもないし、つまらな過ぎる。これ原作読んだ事はないけれど、文章で読むとおもしろいのだろうか?

☆☆★★★

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