ロッキー2

2012年08月16日 木曜日

前作がヒットした為、前作の話の直後の続編となった「ロッキー2(Rocky II)」。

試合で大金が入ったのでボクシングは止め、新たな生活を始めるが、結局はボクシングに戻って来るという、一作目に対する蛇足的続編。
前作ではボクシングに見り切りを付け、新たな幸せな未来を暗示して終わったが、それも幻想で、現実はそんなに上手く行かない…という事を、まるで一作目のやり直しかの様に見せる。前半はまったりとしたロッキーの、やっぱりな鬱々とした普段の生活ばかりで、ボクシングはせず、前作の青春映画から青年の生活の悩みに移行した、少しロッキーが大人になっただけの話が退屈に進む。始まりからして、前作の最後の試合の再上映からで、そこで終わったから話としてまとまったのに、もう一回見せてからの続きの話って、結構醒める。
ボクシングの方は言うと、やっぱり自らの熱い思いや勝ちたいと言う意思からと言うよりは、どうしようもない行き詰まり感からボクシングに解決を見出し、前作の相手アポロからの熱心な再選の挑発で試合をしようとする、前作よりは棚ぼた感は減ったけれど、やっぱり流される様な、強い気持ちを感じないロッキーにどうも乗り切れない。前作の様に大して練習せずに、上手くも無いボクシングで接戦になるといった白けっぷりは減ったけれど、やっぱりロッキーは真面に練習しないのに、ちょっと練習し始めると一気に強くなった様な描写になり、前作の様に油断しておらず、必死に練習して復讐に燃える王者アポロに今度は勝ってしまうし。それに試合は、やっぱり徹底的にノーガードで顔を少し避けるだけで、正面から攻撃を受けっ放し。真面に顔に受け合っているのに、一向に元気。ドリフの刀で切られてもなかなか死なないコントみたい。

前作から三年しか経っていないのに、シルヴェスター・スタローンの顔は結構変わった感じで、今のスタローンに近い感じになっている。エイドリアンのタリア・シャイアも急に老けた感じになっていたし。
スタローンは一作目よりも演技が下手になった様に感じてしまうのは何なのだろう?役的に悩みが増え、元気でも無いというのもあるだろうけれど、一作目の方がスタローンは活き活きしていた。
あと、赤い鉢巻して練習しているロッキーは完全「ランボー」。

この続編ではシルヴェスター・スタローンが監督までしているけれど、走っているロッキーに子供が付いて来て、その数が段々多くなり、最後には大量の子供に囲まれるなんて最悪な演出していて、結末もそうだけれど、スタローンが調子乗ってこの映画で自分の気持ち良い事をねじ込んでいる感は強い。

展開的には前作と大して変わらない。悩みが貧しい若者から、名声や家族を手に入れた青年の悩みに変わっている位で、前作同様退屈してしまう。ボクシングは前作同様酷いし、前作の様に想いを巡らす様な結末ではなく、出来過ぎためでたしめでたしには何か響く所も無く。
前作が当たったからの続編は分からない事はないけれど、内容的には別にいらない続編。

☆★★★★

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