コクーン2 遥かなる地球

2012年08月14日 火曜日

前作「コクーン」の続編「コクーン2 遥かなる地球(Cocoon The Return)」。

前作はわたしは全然おもしろくなかったが、どうやら映画はヒットした様で、この続編。なので、前作で行った惑星からおじいちゃん達を地球に戻して、もう一作作りましたでしなかない映画。

非常に退屈なのは、前作は歳を取って落ち込んだ人間が若返り元気付くという強弱がまだあったけれど、この続編は初めから元気で、しかも前作程はっちゃけもせず、ただ元気の良い老人の日常をのっぺりと延々見せ続けるだけ。展開は一本調子で、盛り上がらない事甚だしい。いらない水増し場面が多過ぎ、編集しまくって一時間程になっても別に十分な映画。
それに変なのは、急に五年後戻って来たおじいちゃん達なのに、老人ホームにも部屋は残っているし、何より大量に行方不明になったはずなのに周りの人間は大して騒がず、彼らの事を知っている人達も、何も向こうの事を聞きもしない。地球人の反応が不自然過ぎる。そこは描かずに、どうでも良い事をグッタラ描き続けるのだから、見るに絶えない。
何より二度と会えない覚悟をして出て行ったはずなのに、すぐ様帰って来て、遊びに来ました…なんて興醒めも甚だしい。

それに前作からも感じていた、安っぽさが。もう初っ端から、おじいちゃんがテレビ画面に現れた時、後ろの機械が1960年代位のSF的安さで失笑。もう「おじいちゃん宇宙船で帰って来る」というコント。その機械の似ている加減からして、たぶん、わざわざセット組む事無く、途中に出て来る研究所のセットで撮ったと思われる。
それに、やっぱりE.T.を大人がコスプレしましたみたいな真っ白い宇宙人は、悪い意味で笑ってしまう。彼等は宇宙を自由に駆け回る程の技術力がありながら、仲間の救出はトラックの荷台に隠れて忍び込み、こっそり連れて帰るとか、全く自分達の技術を使わず、頭が悪い。それとも脚本が馬鹿なのか…。
死にかけた人を自分から謎の光を出して与えると元気になるなんて、超人の超人パワーの分け与えかよ…。
更に訳が分からないのは、エンディングクレジットで前作の総集編を流した上に、今作の、今見た映画の総集編まで流している。この意味が全く分からない。

唯一偉いと思ったのは、前作で出ていた孫の子供は同じ役者バレット・オリバーが演じていた事。この映画の製作が1988年なので三年しか経っていないのにでっかくなっている。このバレット・オリバーって、「ネバーエンディング・ストーリー」のバスチアン役の子だったのか。
しかし、このバレット・オリバーってサイエントロジストなのか。映画自体ニューエイジっぽさがあるのにという事は、この映画シリーズに影響されまくったって事なのか?

シリーズモノで何作も作られるモノは二作目が一番おもしろいという法則を感じるけれど、二作目で終わった映画って、続編が最悪な事が多く、これもそれ。前作の良かった所を削ぎ落し、カスカスになった所を水で埋めた、薄々な薄味の続編映画。いらない続編とはまさにこの事。

★★★★★

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