黄金の七人

2012年08月08日 水曜日

1965年のイタリア映画「黄金の七人(Sette uomini d’oro)」。

銀行の大金庫にある金塊をひっそりと、誰も傷付けずに盗み出す、怪盗系の話。

やっぱりこの映画は音楽がメチャメチャ良い。始まりからして、何処かで聞いた事ある軽快な、愉快な音楽で始まり、全編快活な音楽で雰囲気を盛り上げまくる。LONG VACATIONもこの音楽のカバーしてるのは良く分かる。
ただ、探知機のピコピコという音や、自動車の盗難警報装置がビーとうるさ過ぎな騒音が延々数分間鳴り続けていたりして、癇に障る部分があり、頭がおかしくなりそう。
それに演出も、編集は結構カットを早く繋ぎポンポンと見せるけれど、盗みの場面は同時間で見せているかの様に手順を全部を見せる感じなので、まったりはしている。「ルパン三世」に影響を与えているというけれど、アニメなら一話30分で、ドラマなら一話45分で見せる様な話を一時間半かけて、引っ張ってしている様な感じはある。
登場人物も立っているのは教授と彼女と仲間一人二人位なので、各人がそれぞれの力を発揮しながら集団としてのまとまりも見せると言った事も少なく、各人に見せ場がある訳でも無く、作業の手順ばかり見せず、もっと人物描いても良かったと思える。
途中に挟み込まれる修道院や警察の話も何かの伏線だと思って見ていたら、単に危ないかもしれないという脅かしだけだし、結末はしょうも無い原因だし、折角良い設定なのだからもう少し脚本煮詰めた方が良かったんじゃないか。

一番の盛り上がりの部分、金塊窃盗の部分が意外ともっちゃりしているので、「あれっ?」という肩透かし感がある。今だと前半の盗みの部分はサッと流れ良く描き、後半の揉め事で話を見せるのだろうけれど、この映画は話の比重的には後半の方が重く、そっちの方がおもしろいのに、割く時間は前半の盗みが多く、何だか勿体無い構成になっている。
何より意味が分からないのは、盗賊団は男性七人、女性一人の合計八人だという事。八人で行動しているのに、何で「七人」?

☆☆★★★

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