キングコングの逆襲

2012年06月17日 日曜日

「キングコング対ゴジラ」を作った後にキングコングの使用権がまだあるから作っとけで作った様な映画「キングコングの逆襲」。

もう突っ込み所満載。必要あるのか分からない想像の手描きのキングコングの画にぴったり合うメカニコングの全体図とか、どう見ても世界一経済的な工作機械には見えないメカニコングが起動一回目で御釈迦になったり、キングコングが必要な理由は掘削する為だとか、キングコングを説得したり催眠術で操ったり、牢屋の扉開いたまま、鍵を机の上に置いたまま、宝田明をほっぽらかして出て行くし、北極から逃げ出したキングコングが真っ先に上陸するのは日本怪獣映画の当然な日本とか、失笑に次ぐ失笑。
一番の見所であるはずのキングコングは安っすい安い着ぐるみ感満載だし、謎の恐竜なのか怪獣なのか分からないゴロザウルスも、中に入っている人の体型よりも大き過ぎて、外のゴムが余りブヨブヨ動いているし、敵のはずのメカニコングが円らな瞳で可愛らしいし、美女をキングコングが掴み上げるとお人形さん丸分かりだし、一番製作費をかけるべき所にお金がかかっていない感じ。ゴリラの着ぐるみ着た人と、ロボットの着ぐるみ着た人が、大きさや重さを表す事無く普通に小走りで移動とか、中の人の演技も酷いモノ。
普通に流暢に日本語喋ると言うか、吹き替えで日本語喋る欧米人って、この当時は違和感って無かったのだろうか…。口を見ていると、彼らも日本語で演技している様なのだけれど、吹き替え無しのそのままの喋りで見てみたい。より安さ満開になって、へたるだろうから。宝田明が謎の組織に連れ去られる時に「こいつら日本人じゃありません。私には良く分かります。」と言うのだけれど、既に流暢に日本語喋る欧米人やアラブ人が出て来ているので、頭がクラクラして来る。
特撮は円谷英二だけれど、海だろうが、島だろうが、全て室内セットの模型なので、今見ると安過ぎ。最後の夜の東京タワーは良く出来ていて、大人大のコング達が昇って行っても見劣りしない出来。だけれどそこまでが持たない。

役者は、宝田明が出ていて、若いのだけれど、この映画が1967年製作なので33歳。33歳には見えないおっさん臭さ。司令官役のローズ・リーズンはショーン・コネリーのパチモンみたいな顔しているし、天本英世は襟の大きな黒いコートを着て死神博士だし。

全体的に馬鹿馬鹿しく、安く、酷い出来。馬鹿馬鹿しさが突き抜けて爆笑出来たら良いけれど、しょうも無いので失笑止まり。子供騙し甚だしいけれど、当時の子供はこれで騙されたのだろうか?

☆★★★★

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