プテラノドン

2012年06月18日 月曜日

Sci Fi ChannelのTV映画「プテラノドン(Pterodactyl)」。

題名通り、現代に蘇ったプテラノドンが人を襲うお話。
始まりからして、プテラノドンが人間に直撃しただけで上半身吹っ飛ぶとかどこぞのグロをしたい漫画だとか、登場人物初登場で状況説明から、人物紹介まで一場面で台詞で済ましてしまうとか、誰にでも非常に分かり易い、親切丁寧設計。
場所はトルコらしいけれど、どう見てもアメリカ北部の森林。トルコだけど町中で撮影するとトルコじゃあないと分かってしまうから、速攻で見分けが付かないだろうという事でとにかく森の中に入る。トルコとアルメニアの国境付近なのに、開けた草原だったりも。
教授と学生達に絡めて、テロリストや米軍の特殊部隊も出て来るけれど、だから何だ?な展開。特に意味も無くプテラノドンに襲われて次々と死んで行くし、テロリストの首謀者もずっと引き連れて行動しているけれど、物語に必要性を見ないまま終わって行くし。
プテラノドンは銃で撃たれて、弾が当たっても一切引かずに襲い続けるし、撃たれ続けているのに日が暮れるととにかく眠ってしまい、もはや生物でも無い、単なるモンスター。

一番駄目なのはCG。プテラノドンが一昔、二昔、三昔前の安さで、浮きまくっている。プテラノドンに突かれている人は、何も無い所でジタバタしているのが分かり切ってしまうので、撮影風景を思い浮かべてニタニタしてしまう。
プテラノドンが掴んだだけで体が引きちぎられる人間は粘土細工か…。

主人公の教授の吹き替えは小山力也なのだけれど、やっぱりジャック・バウアー

何故だか分からないけれど、登場人物の名前はSF小説作家から取られている。主人公の教授はクトゥルフ神話でお馴染みラブクラフトだし、教授の相方の女性はハインラインだし、軍の部隊の兵士はクラークだの、バロウズだの、ゼラズニイだの、有名作家の名前多数。しかしその割にSF精神は特に無く、単に翼竜がモンスターとして襲って来るだけの話。

原題の「Pterodactyl」って、プテロダクティルスと言う翼竜から来ている、翼竜を指す英語の俗語的な名前らしい。

プテラノドンを使って、モンスター襲撃映画を安く作ったけれど、安い以上に何も無かったテレビ映画。しかし、Syfyってこういった企画が通って、ちゃんと作り、放送しているって、全然日本のテレビ業界よりも体力があるし、アメリカ映像業界の底辺の広さと大きさの表れでもあって、そこでは感心。

☆★★★★

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