幸福の黄色いハンカチ
2012年06月16日 土曜日山田洋次監督の映画「幸福の黄色いハンカチ」。
名前やネタとして有名で聞いた事あるけれど今まで見た事は無かったので、てっきり物悲しい感動話かと思っていたら、コメディ・ロードムービーだったので意外だった。
主題は高倉健の方なんだろうけれど、前半は武田鉄矢主演のしょうも無いコメディでどうでも良い感じで、やっと後半になって高倉健の話が回り出すけれど、始まると高倉健の方の話ばかりで、あれ程主役で前面に出て喧しかった武田鉄矢は一切関わらず、話のつり合いが非常に悪い。前半と後半の差が激しく、バラバラ。後半の泣きの部分までが遅きに失した感じも強い。
それに、高倉健と倍賞千恵子は二人共不器用そうなのに、行き成り仲睦まじくなって、その間が省かれていて、二人の関係の構築は謎だったり、もう少し二人の関係描けば泣ける話になっていたのにと思えてしまう。武田鉄矢の方をさらっと描き、もっと高倉健と倍賞千恵子の方に時間取れば良いのにと思え、やっぱり前半に時間かけ過ぎ。
高倉健はこれからの不器用な健さんか。不器用だけれど、意外と喋る。
武田鉄矢はやっぱり変。コメディ・リリーフと言うより、一人だけコントしてるみたい。笑いの要素の担当とは言え、他の役者は普通なのに一人だけ浮いてる。ウッチャンの武田鉄矢ネタは意外と誇張でも無い様に思えて来る。これから武田鉄矢手足が短いと言う自虐ネタか。
桃井かおりは見た目は若く、まだ可愛らしい感じだけれど、喋りや演技はやっぱり桃井かおり。まだ26歳なのにおばちゃん。
監督山田洋次という事で「男はつらいよ」の寅さんこと渥美清がチョイ役で出て来るけれど、当時は「お～！」となったのかもしれないけれど、今見ると「ふ～ん…。ふ～ん…。」位にしか思わなかった。
あと、やっぱりこの1970年代から80年代にかけての時代は本当にダサい。流行の服装から自動車にしろ、「うえっ…。」なる。この映画の音楽も時代性あり過ぎで、音楽かかると妙にしょっぱくなり出す。黄色いハンカチの場面で「ファーン！」と音楽が鳴ったら、その後「テケテテケテテン～」と「男はつらいよ」の主題歌がかかるのかと思ってしまう、同じさ。
名作と言われるけれど、前半の武田鉄矢一人コントショーから、哀しい不器用健さんの話の雰囲気の落差で、別物の話を無理矢理一つにまとめた様な比重の悪さで、全然物語に乗って行けない。見終わっても黄色いハンカチが印象に残らず、下品な武田鉄矢ばっかり頭に残る。
☆☆★★★