遙かなる山の呼び声

2012年06月15日 金曜日

山田洋次監督、高倉健、倍賞千恵子共演の映画「遙かなる山の呼び声」。

謎の男が母子だけの牧場にやって来ての、心温まる交流話。
お尋ね者が牧場にやって来て、夫を亡くした母子と徐々に心を通わせて行くって、何だか西部劇みたいな話だと思ったら、本当に「シェーン」から取った話らしい。
出ている面々、山田洋次監督という時点で分かる様に、非常にほんわかした話。展開的には、まあそうなるだうろうなな展開で、劇的ではないけれど、まったりと流れて、楽しくも、哀しくもあり、なかなか響くお話。

高倉健って常に不器用。どの映画でも常に不器用な健さんだから、逆にカリカチュア的な人物に見えて、ニタニタしてしまう。
北海道で吉岡秀隆ってどんだけ「北の国から」…と思ったら、この映画は1980年製作で「北の国から」は1981年から始まったから、こっちの方が先行かぁ。吉岡秀隆は最近のこまっしゃくれて、如何にも演技していますな子役と違い、普通な子供で物凄く良い。付けている演出も、子供ってこんな感じな自由な感じ。
主役である高倉健しろ、倍賞千恵子にしろやっぱり演技は上手い。普通な、自然な感じで景色に溶け込み、わざとらしさが無い。やっぱり名優は流石。
高倉健と倍賞千恵子だけだとまったりするけれど、ハナ肇や武田鉄矢が出て来ると突然コメディ色が強くなって来る。別に武田鉄矢が出て来る一通りの話はいらん気がするけれど。
ハナ肇は実は一番目立つ役回りで、一人コメディしてて良い。十分50過ぎのおっさんなのに乗りが、調子乗りな中学、高校生で物凄い弾けてる。そしてそんな人物の分泣かせもする。

この1980年代の、特に日本映画って、やたらと古臭さを感じてしまう。70年代以前だとそんなに感じないのに。遠くからグッと寄る演出とか、服装や髪型もあるけれど、何と言っても古さを感じるのは音楽。時代性。一番の健さん見せ場、草原で馬に乗って駆け回る場面で音楽が鳴り出すと「うえ~…。」となってしまい、こける。
山田洋次の演出はいたって普段の日常を自然に描いていて良い。間とか、雰囲気は作り物感があんまりしない。ただ、北海道の草原が慣れない景色というのもあるのだけれど。夕日の草原で馬に乗る画なんて日本じゃあないし。

中盤特に進みも戻りもしない展開で少々ダレはするけれど、きっちりとした大人な、我慢する恋愛映画で、笑わし、泣かせ、広々とした草原の画もあり、役者陣の演技もあり、非常に心地良い映画。でも、何が「遙かなる山の呼び声」なのだろう?

☆☆☆★★

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