ワーロック

2012年06月12日 火曜日

ヘンリー・フォンダアンソニー・クインリチャード・ウィドマーク出演の西部劇「ワーロック(Warlock)」。

無法者が町を闊歩するので、町人が対抗する為に用心棒を雇い、争いになって行くという王道な話。
この展開が何だかまどろっこしい気がした。すでに人殺しをし、悪者が分かっていて、どうせ銃撃戦になって撃ち殺すんだろうという事も予想は付くのだから、悪者一味との探り合いの会話は何やってるんだか?としか思わず、「法が…。」と言う割に、結局撃ち殺して解決させるのだから、回り道の意味はあるのかと小首を傾げる。
それに、リチャード・ウィドマークがいまいち分かり難い人物。初めは人殺しの無法者の仲間にいるのに、仲間の行動に嫌な顔はするけれど止めはせず、その後あっさり仲間を抜け、保安官補佐になり、やたらと誰よりも正義感が強い人物になってしまうのに、なぜ無法者と共に行動していたのか、なぜ急に法を守ろうとするのかの人物設定は詳しく説明されないので、訳が分からない人物でしかない。単に元無法者が良い者側にいるという設定を作りたいだけで放り込んである感が強い。
他にもヘンリー・フォンダの恋愛もキス場面も、突然で理由も分からずで何のこっちゃだし、用心棒雇ってまで恐れていた町人も、いきなり勇気をもって無法者に立ち向かってるし、もう脚本がボロボロと省かれまくりで、何のこっちゃ?ばかりの脚本の投げっ放し感。

このヘンリー・フォンダを見ていると、近年の歳を取ったウィレム・デフォーを思い浮かべてしまった。表情と言い、喋りと言い何か似てる。
「おっ!」と思ったのは、「宇宙大作戦」こと初代「スタートレック」のドクター・マッコイでお馴染みデフォレスト・ケリーが出ていた事。スタートレックシリーズ以外で始めて見た。40近いのに結構若者っぽい。確かにデフォレスト・ケリーは悪役顔だから、悪役が似合う。

1959年の映画なので、やっぱり室内のセットの如何にもな作り物感は隠せない。
それと、銃撃戦もいまいち。もっちゃりとして、狙って当てていると言うよりは、当たる所に当たっているだけの感じが強い。

あと、「ワーロック」という題名だから、てっきり魔法のファンタジーかと思っていたら、町の名前がワーロック。

友人同士の仲違い、悪者からの改心、移ろい易い人々等々描きたい事を入れ込んではいるけれど、どれも描き切れておらず、どの人物の描写も話も半端で、結局やりたい事をする為に都合良く動かしている感じは否めない。その割に二時間もあり、引っ張りが強いので段々と飽きて来ていた。

☆☆★★★

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