ティン・カップ

2012年04月26日 木曜日

ケビン・コスナー主演のゴルフ映画「ティン・カップ(Tin Cup)」。

ラブ・オブ・ザ・ゲーム」と同じ。「ラブ・オブ・ザ・ゲーム」の方が後年の映画だけれど、これは野球がゴルフに変わっただけの様な映画。かつての名選手で本当は出来るけれど精神的にもくすぶっている中年男が、一念発起で頑張って恋も人生の勝利も手に入れるというお話。
偶然やって来たレネ・ルッソに惚れてしまい、しかし彼女はかつての友人で喧嘩して険悪な関係のゴルファーの彼女なんて都合が良く、便利な設定。彼女の気持ちを向かす為と気に喰わない奴に一泡吹かす為に本気でUSオープンに勝とうなんて、なんてしょうも無い。まあ主人公はケビン・コスナーが気持ち良いだけの人物だし、この時期のケビン・コスナーは、こんな本人だけが喜びそうなしょっぱい役ばかり。態度が悪く、無茶して、常に攻める事しかしないゴルファーというのはおもしろい設定なのに、それを取り巻く設定がしょうも無いので全然活かされていない。ケビン・コスナーが口の悪い奴だけれど、そのライバルもトッププロなのに子供を犬っころ扱いする程性格悪く、そんな奴おるかの世界。それともゴルファーは性格悪い奴ばかりとか、やたら何でも賭けにするっていうのは皮肉やブラックジョークなのか?
攻め過ぎで物凄い不安定なゴルフをしているのに何時の間にか上位とか、基本的に全体的に話が上手い事運び過ぎ、出来過ぎで安っぽさばかり。
演出も、話が盛り上がって来たら歌がかかり、それを後ろにケビン・コスナーのプレーを見せるなんてなんてしょうも無い。
そう言えばレネ・ルッソって1990年代にやたらと見た印象があるけれど、最近あんまり見ない気がする。あとこの映画のレネ・ルッソって傍から見ると、トッププロから新たな注目が集まるゴルファーに乗り換えた精神科医(精神科医!)という、相当上昇志向が強いビッチでしなかいのがおもしろい所。

1990年代後半の「ウォーターワールド 」から「ラブ・オブ・ザ・ゲーム」に至るケビン・コスナー出演作の外しっぷりと言ったら…。この時期は都合良過ぎ、しょっぱ過ぎな脚本と、ケビン・コスナー自身が主人公に酔う様な映画ばかりで、この映画もその代表的なその手の映画。

☆★★★★

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