ハーヴェイ
2012年03月17日 土曜日「ハーヴェイ」と言えばトゥーフェイスことハーヴェイ・デントが思い付くけれど、この「ハーヴェイ」は2m近い巨大な人型兎の映画「ハーヴェイ(Harvey)」。ただその人型兎が実際に出て来て暴れる映画でない。
主人公のジェームズ・スチュワートだけに見える巨大な人型兎ハーヴェイのせいで、彼の姉家族が迷惑しているので病院に入院させようとするけれど、姉と間違えられてんやわんやに。ジェームズ・スチュワートは気の良い人なので、周りの人が彼に興味を持ち始める。
コメディっちゃあコメディなんだろうけれど別に笑いは無いし、自分だけにしか見えないお友達というキワキワなネタを1950年によくしたなとは思うけれど最終的にはファンタジーにしてしまい、ファンタジーになった事で社会不適合者の話としては全く成り立っていないので、「何だかなぁ…。」という話になってしまっている。いたずら好きと言われるハーヴェイが、特に何もしない、人が良いだけの彼に何年間も付きまとう理由や、そもそも何しに来たのか、何が目的なのかも分からず、数人だけに見えるハーヴェイに薄ら寒さを憶えた。それにジェームズ・スチュワートも昼間から飲み歩く中年で、やたらと知らない人を家に誘い、女性を口説き、他人を疑いもしない、ハーヴェイがおらずとも危ないおっさんなので、彼にも薄ら寒さを憶えた。タクシー運転手が「行きは良い人。帰りは文句ばかりの普通の人。」と言っていたが、他人が見えていない事を知っているのに巨大な兎と人前で喋り、やたらと紹介したがる人と、他人に偉そうに指図し文句ばかりの人は、他人に対して気を遣えないという点で同じ種類の人間でしょ。
この前に「スミス都へ行く」を見たので、ジェームズ・スチュワートって人が良いけれど、純粋過ぎて危なっかしい、嫌完全に危ない人な役の印象になってしまった。
この映画で驚いたのは、個人の家で開く歓迎会のパーティーが何時何処で開かれるか新聞に載っていた事。時代だし、地域性だしで、そこの感覚の違いに一番驚いた。
☆☆★★★