ティファニーで朝食を

2012年03月07日 水曜日

トルーマン・カポーティの原作をオードリー・ヘプバーン主演で映画化した「ティファニーで朝食を(Breakfast at Tiffany’s)」。

結構小洒落た恋愛映画なんだけれど、良く考えたらほぼ娼婦な女優なのか何してる人なのか良く分からない女性と、小説家だけれど全然書きもしないひもの間男との話しで、見ている内に段々と「あれっ?」感が強くなって来る。ジョージ・ペパードは話が進むにつれ駄目な感じが増して行き、何かしょうもない男になって行く感じがする。
一方オードリー・ヘップバーンは物凄く綺麗だし、トンデモなく可愛く、非常に魅力的。そりゃ今でも変わらない人気がある訳だ。ただ、「skinny」と劇中でもネタにされている位痩せ過ぎていて、ちょっと引く部分はあるし、役的にも悲しい感じがするので、もうちょっと肉があった方が良い。人物としては初めから自由奔放で気まま過ぎる女性で、女性から見ると魅力的、男性から見てもそうだけれど、一方で面倒臭い女性。男側の想いを知ってか知らずか平気でキスしたり、側にいるのに便利屋位にしか思っていない扱い、お金持っていたら結婚するとか、時々イラッとする。この役が不細工で魅力が少ない人だったら「何じゃあこいつ…。」で顔面グーパンチなんだけれど、オードリー・ヘップバーンだからこその話。良い話で終わったけれど、これからこの二人、家で熟考する作家と遊びまくる女性じゃあ揉めまくりなのは想像に難くないし、別れる匂いプンプン。「籠に収まる勇気が無い!」と言っていたけれど、よっぽど頑丈に鍵かけない限り逃げて行くでしょ。
で、何が「ティファニーで朝食を」なのかは…?

1961年の、50年以上前の映画なので、今の感覚からするとズレている所も。男女揃ってバカバカ煙草吸うのは、この当時は洒落た小道具だったのかもしれないけれど、今見ると別にカッコ良くも無いし、何か嫌味な感じも。煙草で引火とか、猫に突き刺さりそうになったり笑かしで煙草を扱ったりもしているけれど、今見ると笑えない。
題名にもなっているティファニーはこの映画で有名になり、今でも人気で洒落た店でこの映画でも出てき、そのティファニーの店内に入ったらバッと引きの画になり全景を映すのだけれど、それがパッと見ダサいし、古いし、田舎臭い。意外と拍子抜けなんだけれど、店員の対応は洒落ている。ふざけた性質の悪い客でも適当にあしらわないのは良い店。
日本で取り上げられる事の多いのは、一体どういう字で書くのかも謎な、謎の日本人ユニオシだけれど、この人物は差別どうこう以前にコメディーリリーフとして入れられているけれど、それが完全にすべるっているのが頂けない。別に必要の無い人物を使い差別ネタでカリカチュアにするなら、笑いは取らないと。ちょっといじられたら、自分個人でもないのに「差別だ!」って、どんだけ笑い耐性が無いんだよって話だからこそ、笑いは取らないと。
それと謎だったのは、タクシーのステアリングは小刻みに左右回転しているのに運転手の両手は全く動かしていなかった事。一度タクシーを止めた後は普通にステアリング握って動かしていたから、これは一体?
あと一番の驚きは、オードリー・ヘプバーンが起きても歯は磨くけれど、顔を洗わなかった事。オードリー・ヘプバーン位の美人になると目くそなんて出ないのか。
それにこのジョージ・ペパードって、あの「特攻野郎Aチーム」のリーダー、ハンニバルことジョン・スミス大佐だったのか。まあこの映画の20年後だし全然気付かなかった。

前半は恋愛映画としてなかなかおもしろいのに、後半になって行くと二人共に「何だかなぁ…。」と感じ、結局は初めに出ていたお洒落感が無く、二人に対する愛着もどんどん減り、尻すぼみ感が強いまま終わって行くので何だかいまいち。正直、可愛過ぎるオードリー・ヘプバーンの奔放な役の魅力だけで持っているとまでは言わないけれど、その位オードリー・ヘプバーンに頼った映画。

☆☆★★★

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