閉ざされた森

2012年03月02日 金曜日

ジョン・トラボルタサミュエル・L・ジャクソンが出演している映画「閉ざされた森(Basic)」。ただ、二人が同じ画面で共演するのはほんの少し。サミュエル・L・ジャクソン自体が少しだけの出演という、何か良くある風景。

ジャングルに訓練に出かけたレンジャー部隊の帰りが遅いので迎えに行くと、仲間同士で撃ち合い、一人が怪我をし、一人だけが無事に戻が何も話さず、残りの兵士は行方不明となったので、部外者のジョン・トラボルタに捜査協力を依頼しやって来るという話。
基本的に事情聴取、取り調べだけで事件の状況を掴んで行くので、推理モノとしてなかなか引きが良い。この会話で過去の出来事を知って行くのは「ユージュアル・サスペクツ」っぽい。また、話す人物によって同じ部分もあるけれど、内容が少々違い、そこから本当の出来事を掴んで行くのは「羅生門」っぽさもある。このコロコロ変わって行く嘘か真かの証言に、見ている方も翻弄されながら進んで行くのはなかなか楽しいのだけれど、その現場での登場人物が6・7人しかいないのに、名前と顔が一致しないのはわたしのせいではあるのだけれど、人物の把握で翻弄されて話の展開にちょっと追いつけない所も。それに嘘に気付くのには、もうちょっと成程感が欲しかった所でもある。
ジョン・トラボルタは顔と言い、雰囲気と言い、選ぶ役も、最近は何をやってももはや悪役にしか見えないと言うのを、実は裏で怪しい事をしているかもしれない麻薬捜査官という設定に取り入れて「なかなか楽しい事をするじゃあないか。」と思っていたら、それが伏線になっていたりと、そこでも翻弄する。ただ、最後の方はオチでびっくり感を出す為に、ちょっとしつこいかなとは思ったけれど。それにサラッとしてやったりではなく、「どうじゃい!」と大声で叫ぶ感じのまとめが少々嫌味。

ジョン・トラボルタとサミュエル・L・ジャクソンが「パルプ・フィクション」以来の共演で、この濃い二人だから彼ら頼みの映画に寄るんじゃないかと思いきや、意外と一転二転三転する抑えたサスペンスで、1980~1990年代頃の爆発力は無いけれどなかなか見せる映画作るじゃないかジョン・マクティアナンと思った映画。

☆☆☆★★

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