デンジャラス・デイズ:メイキング・オブ・ブレードランナー

2011年11月24日 木曜日

題名の通り映画「ブレードランナー」のメイキングであり、2007年に25周年を記念して作られた、制作者達のインタビューや初期の脚本、カットされた映像で構成された「デンジャラス・デイズ:メイキング・オブ・ブレードランナー(Dangerous Days: Making Blade Runner)」。

企画段階から監督選び、脚本での揉め、俳優選出、制作現場での混乱と対立、撮影日時の押しと資金超過、編集での揉め事等、「ブレードランナー」制作の裏側が当事者達の言葉で回顧され語られる。編集を変えさせた出資者達の自分の言い分や、苦労して共に作った制作者の中にも出来上がった「ブレードランナー」を平気でおもしろくないと言ったりと、それそれがそれぞれの立場で語り、客観的に構成されていて、そのインタビューの合間に実際の裏側の写真や映像、使われなかったNG等の回した映像を使かい飽きさせず、惹きつけ、ドキュメンタリーとしても良く出来ている。
「ブレードランナー」の初期の企画段階の題名がこのドキュメンタリー題名にもなっている「デンジャラス・デイズ」だったり、原作と言うよりも原案に近いフィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を読んだプロデューサーが、ハリウッド映画的じゃないからか気に入っていなかったりするのは興味深い。
監督リドリー・スコットが自分の撮りたいモノを撮る為に突っ走り過ぎてスタッフとの一触即発までの危機や、完璧主義者のリドリー・スコットが編集での変更に関しては意外とあっさりと認めたりと、リドリー・スコットの人物像が良く見れもする。
監督以外の製作や技術、特撮、出資者等の制作陣の闘いや葛藤だけでなく、出演する役者陣の葛藤や不和、それぞれの人物に対する考え、更に現在活躍する制作者である「スタートレック」シリーズや「バトルスター・ギャラクティカ」の制作に入っていたロナルド・D・ムーアや、ギレルモ・デル・トロが出て話し、「ブレードランナー」の後世への影響を語る。「ブレードランナー」本編を見てもいまいちピンと来なかったけれど、これを見ると理解が深まり、何故「ブレードランナー」が名作なのかが分かる気がする。

ただ、最近の役者へのインタビューを見ると流石に皆歳を取っていて、「ブレードランナー」からの印象と大分違う事になっている。ハリソン・フォードは良く見る方だけれどやっぱりおじいさんだし、ルトガー・ハウアーやショーン・ヤングは大分変ったので、特にレプリカントだっただけに衝撃が…。

本編の映画も楽しみ方は色々だけれども、このドキュメンタリーは、当時の裏側からその後の経緯まで興味深く見れるし、リドリー・スコットとフィリップ・K・ディックの並びにワクワクしたり、ヴァンゲリスやスタンリー・キューブリックとの関係や、制作陣と役者の当時と今の関係に思いを及ばせたりと、本編に劣らず色々な楽しみ方が出来る。

さて、これを見たら、やはり本編を見なくては。

☆☆☆☆★
 
 
関連:ブレードランナー ファイナル・カット

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