G.I.フォース

2011年11月21日 月曜日

PCゲーム「ファークライ」を原作としているけれど、訳の分からない邦題で本編で題名が出て来るまでそれが分からなかった映画「G.I.フォース(Far Cry)」。

「ファークライ」はした事があるけれど、良く出来ていて非常におもしろいファーストパーソン・シューティングゲーム(FPS)だった。FPSは閉鎖された空間での行動になるけれど、「ファークライ」は南国の島々という見た目には解放された場所で遊べる設定になっていて、青い空、青い海、白い砂浜の陽気なリゾートの様な場所で傭兵や怪物と戦い、島、海、ジャングル、山、施設内を走り抜け、時には隠れ、また乗り物に乗って駆け巡り、起伏に溢れる展開で飽きさせず楽しいゲームになっていた。

しかし、その良く出来たゲームが原作なのに、この映画と来たら…。
初めから子供にでも分かる様な説明的過ぎる展開で呆れ、特に必要も無い脇役達に寄り、突然の恋愛要素、どんどん主人公の存在感が薄くなって行く等、グダグダと話は続いて行く。まあ、監督がゴールデンラズベリー賞の常連でクソ映画を作り続ける最低監督として有名なウーヴェ・ボルなので、初めから期待して見るべき映画ではないのだけれど。
原作ゲームと同じく海だし、島だけど、海は暗く濁り、天気も常にどんよりとして雲は厚めで雰囲気は全く違う。主人公はジャック・カーヴァーで赤いアロハみたいシャツは着ているけれど、早い段階でシャツ脱いでしまうし。それにナタすら出て来ないし。ナタでサクサク敵を倒すのがFPSの一番のおもしろい所でしょう。
ゲームと同じ様に、訳も分からず島に取り残され、誰かからも分からない無線の指示で動いて敵を避け、排除して行くという展開なら結構おもしろい映画になっていたと思うのだけれど、何でわざわざつまらなくする様な如何にも安いアクション映画にしてしまったのだろう?

ウーヴェ・ボルに撮らしてしまったせいでこんなクソ映画になってしまい、その結果不幸なのは原作のゲーム「ファークライ」。ゲームをした事がある人はこの映画の出来に対する落胆は大きいし、ゲームをやった事が無い人はこの映画を見ても「ファークライ」をしようなんて思わないし。
こんなクソ映画をウーヴェ・ボルに撮らしてしまったのは、せっかくおもしろいゲーム作ったのに企業的に失敗したCrytekが悪いのか、「Far Cry 2」の宣伝位に考えて許可してしまったUBISOFTが悪いのか。
とにかく、ウーヴェ・ボルのこの映画は無かった事にしてリメイクしたら良いのに。そして、この映画を見ずにゲーム「ファークライ」をした方が良いのに。

☆★★★★

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