イーオン・フラックス

2011年08月21日 日曜日

「イーオン・フラックス(Aeon Flux)」を見た。

ピーター・チョンが1995年に製作したアニメーション「AEON FLUX」の映画版だそうだが、何だろうこの全編に漂うしょっぱさは。がんばってSF映画しているのだが、書き割り的な奥行の無さ加減と、かといって活劇がおもしろいかと言えばそうではないし。

話は勝手に外に出て行けば反政府活動なんてしなくていいのではとか、クローンが記憶までコピーされたり万能の魔法じゃないんだからとか色々突っ込み所があり、SFガジェットもなんじゃそりゃで特に説明も無く都合が良過ぎるし、CG部分のSF感は良いのに実写の部分が安っぽく、雰囲気番長まっしぐら。
主演のシャーリーズ・セロンは綺麗だし、雰囲気もあって良いのだけれど、アクションが上手くなく、編集やスタントで誤魔化してはいるが、アクションもしょっぱい感じ。シャーリーズ・セロンは寄りの画になると物凄い肌が荒れていたり、汚かったりで綺麗さ半減。顔を見ていたら何だか大人なベッキーみたいに見えてきた。
編集も荒い感じだし、途中映像が左右が反転していた場面があったのはわざとなのか、間違いなのか。わざとだと何で左右が反転させる必要があるのか分からない場面だったし。

映画がいまいち過ぎるのでMTVのサイトで映画の基になった「Aeon Flux」のアニメーション版が全て丸々見れるのでの第一話を見てみたが、イーオンはいかにも1990年代のアメコミ風だが、ヨーロッパアニメーションっぽさもあり、会話が無いが絵や演出で見せなかなかおもしろい。ただ、音楽が軽い感じで映像とあっていない感じで笑ってしまったりはするが。こちらの方が不可思議な世界でおもしろい。
映画の始まりの「目で飛んでる蠅を捕まえる」という場面は、見ていて何のこっちゃ?だったが、アニメーション版では「死んでたと思わせていて実は生きていて、しかも食虫植物っぽさがある」という、これからのイーオンの死と復活、バイオ技術の進んだ世界の暗示を示す演出なのに、映画はその見た目だけ拝借したのだと分かるのも、映画版の駄目さ加減が見えてしまう所。

☆☆★★★

原作のアニメーションが人気があってから10年後に映画化がこの有様というのは、残念な結果。

« | »

Trackback URL

Leave a Reply