アクアマン

2022年07月02日 土曜日

ジェームズ・ワン原案・監督、ジェイソン・モモア主演の2018年のアメリカ映画「アクアマン(Aquaman)」
DCエクステンデッド・ユニバースの六作目。
DCコミックスのアクアマンを実写映画化。

地上人の父親と海中のアトランティス王国の海底人の母親から生まれたアーサー・カリーはアクアマンとして人々を救っていた。
アーサー・カリーの異父弟のアトランティス王国のオーム王は、海を汚し、海の生物を殺している地上人は危険だとして海の七つの王国が一つになり地上に総攻撃をかけるべきだと主張しゼベル王国のネレウス王と同盟を結み、更には七つの王国から認められて全権を握るオーシャンマスターになろうとしていた。
ある日地上に大津波が押し寄せてアーサー・カリーと父親の乗った自動車も波に飲み込まれたが水を操る女性に助けられた。
彼女はネレウス王の娘であり、オームの許婚であるメラで、これから海と地上の戦争を起こそうとしているオームを止められるのはアトランティス王国の王族であるアーサー・カリーで、彼が初代アトランティス国王のトライデントを手に入れれば王となり戦争を止められると言って来た。
アーサー・カリーは王には興味がなかったが地上への攻撃を止める為にアトランティス王国へと向かった。

クリストファー・リーヴのスーパーマンシリーズを四作見て、「スーパーマン リターンズ」を見て、「マン・オブ・スティール」とスーパーマンの映画を続けて見て、更に「マン・オブ・スティール」と同じDCEUのこの「アクアマン」の配信が終わりそうだったので見てみた。

DCEUがザック・スナイダーの暗い感じで進んで、結局評価的にも興行的にも上手く行かなかった為にテコ入れが必要となり、大失敗だった「ジャスティス・リーグ」の次の映画がこの「アクアマン」だった為なのか、とにかく受けそうな要素を入れまくり、見た目にも派手に分かり易く作りましたよ!的な映画で、結果DCEUの中で一番の大ヒットとなって、確かにスーパーヒーローモノはこういう方が受けそうだよなぁと思いはしたけれど、わたしはそんなにでもなかった。

確かに細かい事は気にするな!な感じで冗談も言うアクアマンは人物が立っているし、アクションも見せ場は多く、銃でも爆発でも大丈夫な無敵のアクアマンは見ていてもおもしろいし、そこに王族の権力闘争だの、戦争を止められるかだのを軸に宝物を探し出し、謎解きをし、恋愛要素や異父兄弟の関係だのを入れて、まあ全方位に向けて作っているど真ん中の娯楽映画に出来上がっている。
だからと言って別におもしろいとは余り感じず、何だかこのド派手なアクションに色んな事を入れている感じでおもしろそうなのにそんなに思わないのは、全世界で大ヒットしたワイルド・スピードシリーズっぽいなぁ…と思って見てたけれど、後から監督のジェームズ・ワンって「ワイルド・スピード SKY MISSION」も監督してたのかと知り、やっぱりそんな感じだからわたしはいまいちなのかと改めて思った。

話はアクアマンが地上にいる時や子供の時に訓練を受けていた等の話は結構おもしろかったけれど、あれだけの大きな国で凄く科学技術も進んでいるのに未だに王権制度で国を維持出て来ていて、ほんの数人で国を動かしているとか、血統や決闘で王が決まるとか、初代国王の武器を持てば権力が移譲されて全権力を握れるとか、古代王国の歴史の話をそのまま今している感じに白けてしまったり、古臭い血筋による権力闘争の話だったのが急にトライデントを探すインディアナ・ジョーンズ的冒険話に変わってしまったのは笑ってしまったし、海賊のデイビッド・ケインはちゃんと父親の復讐の為にブラックマンタになってやって来るし、死んでいないっぽい母親はちゃんと生きているし、アクアマンはちゃんと王となってオーム倒すしで、冒険話だけが意外だったけれどそれ以外は「ふ~ん…」で終わってしまった。

冒険話で一番気になったのが、確かアトランティスの初代王が死んだ?のは数万年前だったはずなのにイタリアで瓶をはめた石像って結構最近作った像なはずで、トライデントを隠すには時系列無茶苦茶じゃん。

この映画でのジェイソン・モモアのアクアマンは結構良いけれど、わたしの印象ではアクアマンは金髪の優男で、オームの方が見た目アクアマンっぽい印象だった。
DCEUの中でアメコミっぽいアクアマンにしてしまうと目立たないというのがあるんだろうけれど、思い切って変えたんだろうなぁ。
そのジェイソン・モモアのアクアマンって見ていたらアメリカのプロレスラーに見えて来て、特にWWEのスーパースター感が強いと言うか、ローマン・レインズに見えて仕方なかった。
体の入れ墨感や、ローマン・レインズも何故か地上にいるのに常に髪の毛が濡れている感じとかもそう見えてしまった理由。
それにアクアマンとオームの舌戦からの大勢の観衆がいる中でのリングでの一対一での戦いって、ほとんどWWEの何時もの展開だし。

役者では、ニコール・キッドマンウィレム・デフォードルフ・ラングレンらの濃いベテラン俳優が出ていたけれど、何時からかスーパーヒーローモノの脇役には濃いベテラン俳優を配役して固めて来ようとする流れがあるけれど、この映画も正にそれだった。
ドルフ・ラングレンはずっと気付かず、見終わってからネレウス王がドルフ・ラングレンだと気付いた。
歳を取ってからのドルフ・ラングレンをほぼ見ていなかったし、髭面長髪だからかずっとこの役者誰なんだろう?とは思っていた。
それにしてもこの映画での役者陣は常にベチョベチョに濡れていないといけないので撮影は大変だったのか面倒臭かったのかだろうなぁ。

この映画、アクアマンはキャラが立っていたし、見た目も派手だし、見せ所はあるけれど、わたしには常に突き抜けて来る感じはなく、まあそんな感じ…と終始60点位の気持ちで見ていて、DCEUで見たのが二作目だったけれどDCEUには大して興味は湧かず、この映画ではアメコミの方のアクアマンにも興味は湧かなかった。

☆☆★★★
 
 
関連:マン・オブ・スティール
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