SF大辞典 - 横田順彌

2010年01月14日 木曜日

最近全然本を読んでないもので、さっと読める感じという事で、
「SF大辞典 横田順彌(角川文庫 1986年)」を読んでみた。
 
 
こういうSF辞典等は、大抵海外SF小説の歴史や紹介になるけれど、この「SF大辞典」はそれとはちょっと違った。

初めは、「海外・日本SF作家紹介」、「SF用語紹介」だけれど、この作家紹介の中にも映像関係、監督、プロデューサーまでいたり、さらには有名なファンまでと変わった所が出てくる。日本の作家陣も、漫画家が多いし。
日本の所を見ていて思ったのは、SF小説の紹介は海外の物が多いから、わたしはどうしても海外SFばっかりで日本のSFってほとんど読んでないなぁ。ぱっと顔が浮かぶのは、「小松左京・筒井康隆・星新一」で、読んだと言えば星新一のショートショート位。
「SF用語紹介」でも日本の雑誌やその歴史、SF名言まであって多種多様。

その後は「SF漫画」、「SFTVアニメーション」、「日本古典SF史」、「翻訳SF」、「SF映画」、「SF音楽」と続く。

海外映画やアメコミの解説、歴史等の文章って、わたしが興味があるから目に付くだけなのか、結構見るけれど、日本の漫画やアニメーションの歴史等ってあまり見ないし、自分の子供時代は知らないもので、簡単な紹介程度だけれどなかなか興味深い。

日本古典SF史は、明治から戦前位までのほとんど知らない本の名前がわんさか。
ここら辺の「押川春浪・海野十三・蘭郁二郎」達の冒険小説に興味が行って、どんな物か読んでみたい。

「翻訳SFの現状」では、意外とアメリカ・イングランド以外はそこのSFの翻訳が主流だというのが、なるほど。

「SF映画」では、「スター・ウォーズ」等のSF映画ブーム後の時代、この本の1986年で終わってしまっているけれど、今「SF」というジャンル分けでパッと思い付くのが「映画」の分野だと改めて認識。
現在では、特に日本では余りにSFが拡散したのとファンタジーを吸収し過ぎていて、「SF漫画」とか、「SFアニメ」という分野が曖昧で見かけないけれど、洋画では「SF映画」とジャンル分け出来ているので、SFと言うジャンルを引っ張っているのはやっぱり映像関係なんだろう。

最後の「SF音楽」って言葉、以前見かけた時から違和感があったけれど、今じゃあ絶滅語だよなぁ…
 
 
この大辞典、後半の各歴史紹介部分が知らない所ばかりでおもしろく、正直な所、良くある作家紹介や用語紹介が八割位あったのでそこ無しで、後半の読み物がもっと欲しい所ではあったけれど、よくあるSF解説書とはちょっと違った方向性でおもしろい大辞典。

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