カリフォルニア・ダウン
2022年05月19日 木曜日ブラッド・ペイトン監督、ドウェイン・ジョンソン主演の2015年にアメリカ映画「カリフォルニア・ダウン(San Andreas)」
フーバーダムの一帯で大きな地震が発生し、ロサンゼルス消防局のレスキュー隊員レイモンド・ゲインズはヘリコプターで救助の応援に向かっていた。
その時カリフォルニアに巨大地震が発生し、次々と建物が倒壊して行くのを目の当たりにする。
レイモンド・ゲインズに妻のエマから電話がかかって来て高層ビルにいる事が分かり救助に向かう。
更に娘のブレイクからも電話があり、破棄的な被害を受けたサンフランシスコへと救助に向かう。
ザ・ロックことドウェイン・ジョンソンが出ているので見てみたけれど、ディザスター映画に肉体派俳優のアクション映画を合わせた映画で物凄く典型的なハリウッドのアクション映画になっていて、派手だしお決まりの展開で見れて、そこでは結構おもしろくはあった。
ただ、題材が地震なので日本人だとそこでの拒否反応で受け付けないという人はいるだろうし、典型的なハリウッドのアクション映画なので展開が結構ザルではあったけれど、わたしが引っ掛かったのはそこら辺ではなく余りに典型的な設定や展開の部分。
映画の最初はちゃんと主人公が活躍するアクション場面から入り、それがそれ以降に関わる話でもない掴みの一盛り上げ場なだけ。
主人公は娘から慕われているけれど妻とは離婚寸前で、妻は大金持ちと付き合っている。
主人公は過去にもう一人の娘を水難事故で目の前で失っており、それが原因で夫婦仲が上手く行っていない。
主人公は大地震で娘を助けなくてはいけない状況で妻と亡くした娘や夫婦関係の話をやっと始める。
娘は父親を信じて、父親が今度は娘を水難救助出来る。
妻の付き合っていた大金持ちは自分勝手で、結局犠牲になる。
等々、ここら辺の序盤から出て来た設定が、まあ擦り倒された様な、何処かで見た事ある様な設定ばかりで、2015年の映画なのに二三十年前のハリウッド映画を見ている様な既視感。
ハリウッドのアクション映画の脚本には既に幾つかのテンプレートがあって、それを組み合わせただけの様な感じ。
何でここまでベタベタな設定を今更やったのだろう?
地震とドウェイン・ジョンソンの見せ場だけに集中したので、それへ持って行くのはこれでいいだろ!な感じなのかな?
そして、一番引っ掛かったのは主人公と娘の顔が全然似ていない事。
ドウェイン・ジョンソンはサモア系黒人系なのに娘にその雰囲気が全く無く、主人公が娘の写真を見ている場面があるのだけれど、そこでは娘は赤ん坊や幼児期の時の写真ではなくある程度成長している時だけの写真だったので、てっきり母親の連れ子で主人公とは再婚だったのかと思ったけれどそんな描写も言及も無かったのでずっと変な違和感を感じたままで見てしまった。
ドウェイン・ジョンソンが親なら子供の配役もっと気に掛けるべきじゃないの?と思ってしまった。
CGは流石に凄く、ディザスター映画としては力入れてるなぁ…とは思う。
建物が脆過ぎとか、地震なのに余り揺れてないとか、内陸部の地震なのに津波が陸に向かって来るモノなの?とかは思ったけれど。
後から気付いて笑ってしまったのは、この映画と同じブラッド・ペイトン監督で、主演がドウェイン・ジョンソンでこの映画の後の2018年に作られた「ランペイジ 巨獣大乱闘」のアメリカでのポスターとこの映画のポスターが似ていた事。
左側に右向きのドウェイン・ジョンソン(とゴリラのジョージ)の背景は町のビルが倒壊している構図で、これってブラッド・ペイトンの好みなのかな?
この映画、ディザスター映画にドウェイン・ジョンソンのアクション映画をぶっこんだ映画としては良く出来ていると思ったけれど、どうにも設定や展開が典型過ぎて、映像的には新しいディザスター・アクション映画なのに何か古臭い、既視感を感じてしまう映画だった。
☆☆★★★