ジョン・ウィック:パラベラム

2022年04月14日 木曜日

チャド・スタエルスキ製作総指揮・監督、キアヌ・リーヴス主演の2019年のアメリカ映画「ジョン・ウィック:パラベラム(John Wick: Chapter 3 – Parabellum)」
シリーズ三作目。

全作「ジョン・ウィック:チャプター2」で犯罪組織を支配する主席連合の規則を破り、殺人を行ってはならないコンチネンタル・ホテルの中で敵を殺してしまったジョン・ウィックは主席連合から高額な懸賞金をかけられ、あらゆる殺し屋から命を狙われてしまった。

このシリーズは一作目二作目と続けて見たので三作目も見ようと思っていたけれど、一作目は結構おもしろく、そこからの期待で二作目を続けて見たら一作目に比べると話がそれ程でもなかったので三作目に対する見たい感が薄れてしまい、二作目から三カ月位経ってしまってからこの三作目を見たけれど、その期待薄が的中しおもしろくはなかった。
話は全然盛り上がらず、やたらとアクション場面が多いし長いしで結構早い段階から飽きてしまっていた。

話は、一作目は始まってからを非常に丁寧に描いてジョン・ウィックの復讐がすんなりと入って来て、復讐という分かりやすい軸で一気に突っ走っていた所にアクションだったので中々おもしろかったけれど、二作目の時点で過去の契約の縛りと巻き込まれで戦う羽目になり、一作目程の勢いが無く、更にこの三作目はジョン・ウィックの自業自得で大勢が敵に回り、それを殺して行くだけという話なのでドンドンと話がつまらなく感じてしまった。
ずっとジョン・ウィックの行動原理が何かが分からず、ただ敵が襲って来るので全員を殺しまくっているだけにしか見えず、しかもジョン・ウィックが我慢がきかずに前作で敵を殺してしまった事がそもそもの原因だし、今作はジョン・ウィックが動けば動く程周りの人を不幸にし、今までジョン・ウィックを助けてくれた人を不幸にするという単なる我がままの疫病神にしか思えず、主人公としてのジョン・ウィックがつまらなくなってしまっていて主人公を見るにも身が入って行かなかった。

それに今回は話は二の次で、やたらとアクション場面が多く、一場面一場面のアクションが長く、ここまでアクションの連続だと序盤で早くも食傷気味になり、見ていてもまたかよ…感になってしまったし、十分見たから次行ってよ…になってしまっていた。
ハル・ベリーとのアクション場面は犬が凄い!犬を指導している人が凄い!とは思ったけれど、正直しつこ過ぎと思ってしまった。

キアヌ・リーヴスはこれまでの二作に比べるとアクションを物凄く頑張ってはいるけれど、やっぱり所々で相手の次の行動待ちの一瞬の変な間があり、これが凄く気になる。
このシリーズのキアヌ・リーヴスを見ていると、アクション指導の人とタップリ打ち合わせて、その通りにキッチリ動いている感を感じてしまって、そこでのアクションが上手くない様な気がする。
それに、ジョン・ウィックは五年間の活動休止期間や戦い続けてボロボロだという事があるにしろ、やっぱりドタドタと走る姿を見ても最強の殺し屋には見えないんだよなぁ。
敵もジョン・ウィックに攻撃仕掛けられるのに何故かマゴマゴして何もしないという事が結構あったけれど、これって最早日本の時代劇とか特撮ヒーローモノの手下の雑魚敵が主人公達に襲い掛かれるのに襲い掛からないというアレと同じ決まり事になっているのかな。

そう言えば、一作目二作目はどうだったか覚えていないけれど、今回は青やピンクのネオンライトが光る雨降る夜の街とかの感じがサイバーパンクっぽく、特に敵の殺し屋が道端で開いている寿司屋とか「ブレードランナー」っぽいし、最後のコンチネンタル・ホテルでの戦いでは館内の照明が消えて何故か緑の非常灯になるのなんかマトリックスシリーズっぽくて、ジョン・ウィックの不死身最強感がSFよりはファンタジーではあるけれど、セットや照明がSFっぽい感じがした。
と思って調べてみたら、監督のチャド・スタエルスキって「マトリックス」でキアヌ・リーヴスのスタントをしていた人なのか。
今回もローレンス・フィッシュバーンが出ているし、チャド・スタエルスキってマトリックスシリーズが好きなんだろうなぁ。

あと思ったのは、やっぱりハリウッド映画は英語が出来るかどうかなんだろうという事。
この映画の日本人?の殺し屋ゼロがほぼ英語での会話の中に何言か日本語の台詞があったけれど、演じているマーク・ダカスコスは祖母が日本人のアメリカ人で日本語が喋れないんだろうからの変に訛り切った日本語の台詞になっていたのは役としてアクションが出来ないといけないのはあるけれど、ちゃんとアメリカ人が聞き取れる英語を喋れないと難しいという事なんだろうなぁ。
でも、このシリーズでは色んな言語の敵が時々母語で喋る場面があったけれど、その言語を知っている人からすると結構気持ち悪い発音とか表現とかになっているんだろうか?

この映画、わたしは一作目のじっくりと復讐を描くのが結構はまり、アクションはそんなでもなく、そこで見てしまっているのでこの三作目は全然おもしろくなかった。
この続編が今後公開されるみたいだけれど、この三作目みたいな話はとにかくアクションで押せ押せだともういいかな…と思ってしまう。

☆☆★★★
 
 
関連:ジョン・ウィック
   ジョン・ウィック:チャプター2

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