ジョン・ウィック

2022年01月09日 日曜日

チャド・スタエルスキ監督、キアヌ・リーブス製作総指揮・主演の2014年のアメリカ映画「ジョン・ウィックJohn Wick)」

ジョン・ウィックはマフィアのヴィゴ・タラソフの下で働いていた殺し屋だったがヘレンという女性と出会って殺し屋を辞めていた。
ヘレンは病気で亡くなり、彼女の死後にヘレンから子犬がジョン・ウィックへ届けられた。
ジョン・ウィックはその子犬との生活に希望を見出し始めたが、出先で出会った男達にジョン・ウィックが乗っていた自動車に目を付けられ、その夜男達がジョン・ウィックの家に強盗に入り、子犬を殺して自動車を奪って行った。
強盗した男はヴィゴ・タラソフの息子だったがジョン・ウィックは息子を殺す為に再び銃を取る事にした。

「ジョン・ウィック」って題名は聞いた事あるし、キアヌ・リーブスの殺し屋という事位しか知らずに見てみたが、まあまあおもしろかった。

始まりから妻が亡くなったジョン・ウィックを描き、そこから子犬との生活を描いて立ち直ろうとする男をじっくりと描いていて、思っていた映画とは違っていても中々見入る導入。
そこから偶然出会った男が元ボスの息子で、その息子や手下がジョン・ウィックを知らずジョン・ウィックを狙ってしまうという展開は少々都合が良過ぎる感があるものの、元ボスと対立する事になるという設定は中々おもしろく、復讐劇のアクションで攻め切るので飽きる事無く見れてしまった。

設定として一番おもしろかったし、この映画の一つの特徴でもあったのがコンチネンタル・ホテル。
このホテルは殺し屋が集まり、寝床だけでなく情報や医療等も完備した殺し屋向けホテルになっており、殺し屋同士が集まるのでこのホテルでは殺し屋は仕事禁止になっていて、漫画みたいで出来過ぎてはいるけれどワクワクしてしまう設定。
ジョン・ウィックは古株らしく、このホテルで出会う人に色々助けてもらうのも良い感じ。

一方で、ジョン・ウィックを助ける人々は出て来るけれど、それ程深く描かずに退場してしまうあっさりさが勿体無い気がした。
初めに自動車工場のボスでジョン・レグイザモが出て来て、おっ!となったけれど、この場面以降全く登場せずで、何でわざわざジョン・レグイザモを出したのだろう?

友人の殺し屋でウィレム・デフォーが出て来て、度々ジョン・ウィックを助けるのだけれど「友人」と言う台詞以外では二人の関係は全く描かれずに退場してしまい、せっかく良い感じの関係そうだっただけに物足りなさばかり。

ジョン・ウィックが泊まっていた階の他の部屋にいた殺し屋のおじさんも良い感じで出て来て何かやってくれそうな雰囲気だったのに直ぐに殺されて終わりって何じゃそりゃ…?だったし。
ハリウッド映画でよくあるけれど、何か因縁がありそうだったり、良い感じの仲間をあっさりと殺してしまうのって必要なんだろうか?って何時も思ってしまう。

他の役者では、一場面だけだったけれどクラブの用心棒役でケビン・ナッシュが出ていて、わたしはWCWのNWO直撃世代なので、ケビン・ナッシュだ!と喜んでしまった。
コンチネンタル・ホテルの受付役でランス・レディックが出ていたけれど、この人って見る役何かしら怪しい役ばかりだけれど、ただの馬鹿みたいな役とかするんだろうか?

アクションは、近年多くなってしまった変に細かくカットを割って何やっているのか分からない誤魔化しアクションでもなく、ちゃんとジョン・ウィックが何をやっているのか分かり、結構長回しのワンカットで見せていて好印象。
全員の動きがキッチリ決められていて、キアヌ・リーブスはこの次はこう動いてここで銃を撃つという決められた感じが見えてしまっている感じがあるけれど、ジョン・ウィックの近接での体術からの銃撃戦の連続は新鮮でおもしろかった。
ただ、「マトリックス」の時から思っていたけれど、キアヌ・リーブスって殴る蹴るのアクションが余り上手く見えない気がした。
移動はバタバタしているし、殴る蹴るが軽い感じで強そうには見えないし、ちゃんとアクションやってはいるけれど平均点前後感を感じてしまった。

そう言えば、見終わった後に思ったのだけれど、ジョン・ウィックの目的が盗まれた自動車の奪還ではなかったにしろ、結局ジョン・ウィックの自動車ってどうなったのだろう?
マフィア側は目的は子犬ではなく自動車だと思っていたから、自動車をどうにかしたという話があってもいいと思ったのだけれど。

この映画、ハードボイルドな殺し屋映画としても中々おもしろかったし、コンチネンタル・ホテルとか、近接での銃撃戦とかやり過ぎ感はあるけれどニヤニヤしながら楽しめる映画。
ただ今までに無い新鮮さや爆発的におもしろいアクションかと言えばそうにも感じなく、何でここまでスマッシュヒットしたのかわいまいち分からなくはあった。

☆☆☆★★
 
 
関連:ジョン・ウィック:チャプター2
   ジョン・ウィック:パラベラム

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